専門看護師いろいろ 専門看護師になる

長崎大学病院で働く寺岡征太郎さんは、外来や病棟に所属しないで自由に活動し、患者さんの心のケアを行う精神看護専門看護師。専門的な知識を生かして、精神科だけでなく、一般診療科の患者さんや家族の心のケアを行っています。また、患者さんを総合的に理解するために、病院内のスタッフをつなぐ役割も持っています。

寺岡さんは循環器内科の看護師の依頼を受けて、入院した患者さんの面談にやって来ました。人の身体と心はつながっていて、身体の状態が悪いと心が不安定になります。寺岡さんは患者さんの気持ちを感じ取りながら、心と身体でどんな変化が起こっているかを注意深く観察して心のケアをします。

寺岡さんは、担当の看護師と一緒に対応策を考え、患者さんの不安定な精神状態を改善できるように働きかけます。また病院では、精神看護専門看護師をはじめ、精神科医や臨床心理士などで構成されるチームをつくって、いろいろな診療科と連携し、看護や治療に役立てています。

患者さんによいケアを行うためには、看護師の心の健康が大切です。寺岡さんは、看護師として働く上での様々なストレスや悩みなどを聞いて、問題を乗り越えられるように手助けをしています。

教育も専門看護師の大切な役割のひとつ。寺岡さんは、患者さんの心と身体の状態を理解してケアを行う大切さを新人の看護師たちに伝えます。

寺岡さんのインタビューから

<精神看護専門看護師のやりがい>

「精神看護専門看護師は、裏方の仕事も多いです。患者さんに直接、関わって劇的に症状が良くなっていくというよりも、日ごろ関わっている病棟の看護師たちが患者さんのケアを自信を持ってできるようになったり、患者さんが安心して療養できるような関係性が持てるようになるといいと思っています。相談に対して対応したことで良い結果が出たときに、『ああ、よかったな』と実感します」

協力:長崎大学病院