認定看護師いろいろ 認定看護師になる

杏林大学医学部付属病院で働く森 小律恵さんは、糖尿病看護の認定看護師。糖尿病のケアに関する専門の知識と技術をもった看護師です。

糖尿病とは血糖値が高い状態が長く続く病気で、放っておくと神経障害や脳卒中、心臓病など、さまざまな病気を合わせて引き起こしてしまいます。糖尿病を進行させないように食事や運動など日頃の生活習慣を見直しながら、薬を正しく取り入れることなどが大切になります。

この病院の糖尿病診療には医師の診察の他に「療養指導室」でのケアがあり、インスリンの打ち方や血糖自己測定など細かな指導を行います。森さんはそこで患者さんにフットケアを行っていました。

患者さんの足をケアしながら皮膚の状態を注意深く観察していると、小さなあざを発見。糖尿病は小さな傷からでも化膿しやすく深刻な病状につながることもあるので、悪化しないように、普段の生活の仕方も含めて患者さんに丁寧にアドバイスをします。患者さんは納得の表情。森さんが信頼されている様子が伝わってきます。

この他、森さんは、医師や看護師、薬剤師や栄養士と一人ひとりの患者さんのケアについて定期的に話し合います。糖尿病の症状は患者さんそれぞれです。

森さんは糖尿病看護の認定看護師としての知識と経験を生かし、どんなケアが必要か、よりよい看護ができるようスタッフの指導や相談もしています。

森さんのインタビューから

<糖尿病看護認定看護師になって
変わったことは?>   

「例えば患者さんの食事療法がうまくいかない場合、原因を探すために、その人はどういう仕事をしてどんな家族背景があり、どんな風に食事を摂るのかなど、さまざまな情報を集めるのですが、以前はそういう情報があればあるほど、本当の芯の問題が見えなくなっていました。それが、認定看護師の資格を取ってから、患者さんが抱える問題はここだろうというのがはっきり見えるようになりました。認定看護師教育課程で学んだことが大きかったと思います」

協力:杏林大学医学部付属病院