保健師のおもな仕事 保健師になるには

保健師ってどんな仕事をするのでしょうか?
山梨県北杜市の市役所で働く保健師、中田貴美子さんを訪ねました。

中田さんは健康増進課の母子担当。この日は朝から車で出かけていきます。北杜市は、周囲を雄大な山に囲まれ、自然を満喫できるところ。車窓にその山々が見えます。 さていったいどこへ?

訪ねたのは、一軒のお宅。生まれたばかりの赤ちゃんとそのお母さんが中田さんを待っていました。今日は、生後1カ月未満の赤ちゃんとお母さんの健康状態をみるための家庭訪問の日なのです。「おっぱい、ちゃんと出ますか?」中田さんは、丁寧に話を聞きます。思わぬことでお母さんが育児に悩みを持っていたりするケースも多く、身体ばかりでなく精神的なことも含めて、中田さんは保健師としてアドバイスをしていきます。

次は赤ちゃん。持参した体重計で体重を計り、問題なく育っているか、じっくり観察します。「はじめまして!」赤ちゃんに呼びかける中田さんの元気な声が印象的です。町の人たちは、赤ちゃんのときから中田さんたち保健師とのつきあいが始まるのです。

午後、中田さんはまた車を走らせます。次は小学校へ。中田さんたち保健師は、学校で「命の学習」と題した出張授業を行っています。イジメや自殺などいろんな問題がある中、子どもたちに命の大切さを感じてもらうおうと、授業の内容を保健師仲間で研究してきました。

小学5年生の教室で「命の学習」の始まり。お母さんのお腹の中にいる、胎児の模型を見せながら、赤ちゃんがどのようにして誕生するのか話していきます。次第に話に引き込まれていく子どもたち。授業の後半は、町の赤ちゃんとお母さんが特別参加。実際に赤ちゃんを抱っこしてもらおうという企画に、みんな大喜び。緊張しながら、おそるおそる赤ちゃんを抱く子も…。「赤ちゃんはあったかかった」。命の大切さを子どもたちなりに感じているようす。中田さんは、そばで見守ります。

北杜市の人口は、5万人。中田さんたち保健師は、こうして赤ちゃんからお年寄りまで5万人の市民の心とからだの健康を守る活動を毎日行っています。

中田さんのインタビューから

<保健師の魅力とは?>   

「人との出会いが魅力です。赤ちゃんのときから小学生になるまで成長が見てとれる。子どもたちに、『顔を知っているよ』と時々いわれたり。やっぱり地域の人たちの生活が見えるというのも大きな魅力です。人と人とのつながりがこの仕事をやめられない理由だと思います」

協力:北杜市役所
 北杜市立小泉小学校