保健師のおもな仕事 保健師になるには

hokenshi_chiiki02東京都世田谷区の地域包括支援センター「あんしんすこやかセンター」で働く保健師、清水さんに密着しました。
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、健康や生活をサポートするところ。健康や生活のことを身近に相談できる場所として、全国の市町村に設置されています。

保健師には、介護が必要な人や孤立している人を見つけ出し、健康な生活を送れるようにすることや、医療の専門家としての役割があります。取材に訪れた日は、65歳以上の人を対象にした筋力アップ教室の日でした。1人でも多くの高齢者が元気に暮らせるよう、介護が必要になるのを防ぐことも、保健師の大切な仕事の一つです。清水さんが参加を勧めた人たちの様子を確認すると、「体が楽になった」「参加するのが楽しみなんです」と喜ばれていました。

このように、介護が必要な時期をできるだけ遅くするための予防活動を、介護予防事業といいます。介護予防の大切さについて、世田谷区の介護予防・地域支援課で働いている保健師、河島貴子さんは「参加された方みんな、効果を実感してすごく喜ばれています。登りにくかった階段がすいすい登れるようになったり。教室の最後に体力測定をするので、そこで効果を実感なさるんです」と話してくれました。この教室は、元気な高齢者を増やすために区と地域包括支援センターが一緒になって定期的に行っています。保健師は同じ区内のさまざまな部署や関係機関と協力し、高齢者を支援します。

地域で暮らす人たちの健康を支えるには、住民のネットワークづくりがとても大切です。清水さんは日ごろから、高齢者の見守りに協力しているお店やボランティアの方のお宅を訪ね、顔の見える関係づくりを大切にしています。さらに、自宅で家族の介護をしている方のお宅へ積極的に家庭訪問し、サービスや制度の紹介だけでなく相談にのって具体的な支援をしていきます。介護をしている家族の話もじっくり聞いて、悩みを抱えたまま閉じこもらないようにサポートします。

地域包括支援センターには、地域の民生委員や見守りボランティアの人たちが清水さんを訪ね、高齢者のお宅訪問の報告を受けたり情報交換をしたりします。その人がその人らしく地域で健やかに暮らしていけるよう、清水さんは活動を続けます。

清水さんのインタビュー

<保健師の仕事とは?>   

「看護師さんは病気の方を相手にすることが多いですが、保健師の場合はそれだけではなくて、病気を予防するということが1つ、それと一緒にいらっしゃる家族の方も含めた看護もする。しかもその活動が生活の中にあります。健康な人は健康のまま、体が弱っている人はそれ以上悪くならないように。皆さんが健康で、地域の人同士で支え合いができるよう働き掛けをする、ということでしょうね」

協力:社会福祉法人 古木会 成城あんしんすこやかセンター(成城地域包括支援センター)
 世田谷区