看護師になるための教育内容 看護師になるには

gakusei2慶應義塾大学看護医療学部の柳澤奈々さんは、信濃町キャンパス(新宿区)に隣接する大学病院で臨床実習を行う3年生。実習生には教員、実習指導者、実際に病棟で働く先輩看護師がついて、指導にあたります。柳澤さんの1日は、病棟での朝のミーティングから始まります。看護師にその日の看護方針を説明します。

取材に訪れた日は、担当患者さんに足浴(そくよく)を行う日でした。先輩看護師や実習指導者が見守る中、患者さんへのケアが始まります。足浴は『座る』『足を上げる』という動作を伴うため、リハビリや体力づくりに効果があります。また患者さんの気分転換にもなり、今後の治療への意欲を高めることにもなります。柳澤さんは足浴を通して、患者さんの今後の治療に向けてのケアを行っていきます。

同大学の1・2年生は、湘南藤沢キャンパスで看護学の基礎を学びます。その一つである心理学の講義「ストレスマネジメント」では、座学のほか、グループワークを行います。学生同士でディスカッションを繰り返すことで、考える力やコミュニケーション能力を養っています。別の教室では、足浴と洗髪の演習で日常生活を整えるための技術を学んでいます。このような講義や演習が、臨床実習の土台となり、実際の患者さんとかかわる上での基礎となっていくのです。

病院に戻ると、患者さんのケアについての話し合いが始まっていました。柳澤さんは、医師や看護師に患者さんのリハビリ状況を報告します。その情報はスタッフに共有され、患者さんの次のケアに生かされていきます。

病棟での実習が終わると、学生たちのカンファレンス(会議)が始まります。患者さんを総合的に看てケアする力を養うため、教員を交えてその日行った看護の意味・翌日の看護方針などの意見を学生同士が話し合います。

実習のあとは図書館へ。根拠を持ったケアを行うために、疑問点などを調べます。自分自身の知識や視野を広げ、将来病棟で働けるように頑張っていきたいと柳澤さんは語ってくれました。

柳澤さんのインタビュー

<病院での臨床実習で>

「私たちは学生としてかかわっているのですが、病棟ではチームの一員として先輩看護師などが私たちを見てくれて、アドバイスや自分に足りないものを教えてくださいます。日々たくさんの学びを得て帰ることができるので、すごく実習は楽しいです」

協力:慶應義塾大学看護医療学部、慶應義塾大学病院