看護実践情報

間宮直子さん(大阪府)

協会ニュース2016年10月号 連載:在宅療養を支える新しい風

特定行為研修修了看護師  活動レポート  第2回

間宮直子さん
社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会吹田病院

間宮直子さん

吹田市南部にある吹田病院は1945年の開設以来、地域に根差した医療の提供を続け、2009年には地域医療支援病院の承認を受けるなど、地域医療の中核的な役割を果たしている。

在宅場面で感じたもどかしさ

同院の間宮直子さんは副看護部長として14人の認定看護師(CN)を統括し、看護の質の向上を推進させる管理職である一方、自身も院内初のCNとして04年に皮膚・排泄ケアCNとなり、組織横断的に活動してきた。チーム医療の推進役やCNの活動の幅を広げる役割も果たしている。

しかし、CNとして活動する中では、医師の処置を待たなければいけない場面も多く、患者さんの状態に応じた処置やケアを適切なタイミングで行うことができないもどかしさを感じていた。08年から行っている訪問看護師との同行訪問では、そのようなジレンマを感じることが多かった。利用者は重度の多発性褥瘡(じょくそう)を抱えている人が多く、通院が大きな負担となる。そのため、家族が疲弊していたり、在宅療養の継続を断念する事例や、医師がタイミング良く介入できず悪化してしまうこともあり、訪問看護師が抱える悩みを知った。「在宅療養を支える上で、病院所属のCNにももっと何かできることがあるのではないかと感じた」と振り返る。

在宅現場で創傷の重症化を予防

こうした問題を意識していた時期に「特定看護師(仮称)養成調査試行事業」の話を聞いた。自らが目指すタイムリーな創傷ケアの提供につなげたいと、看護部長や病院の支援を受け、2012年度の試行事業と15年度の日本看護協会特定行為研修で創傷管理領域(4区分)を修了した。「CN の専門性に医学的判断力を加え、より多角的にみることができるようになった」と成果を実感。以前は快適な療養環境の整備や再発予防が中心だったが、修了後は医学的な視点が増え、スタッフへの指導も幅が広がった。

在宅現場ではタイムリーなケアの提供が実現し、創傷管理がスムーズに進められ、在宅療養の継続を助けられるようになった。訪問看護師とアセスメントを共有し、連絡を取り合いタイミング良く介入することで重症化を予防している。

エビデンスを示し役割を果たす

成果を上げることで、これまで協働したことがない訪問看護師からの依頼も受けるようになった。訪問看護師からは「特定行為研修修了者(以下、修了者)が在宅の現場に入ることで利用者の治癒促進やQOL向上、家族の負担軽減になる」「自分たちの知識の幅も広がる」との声が聞かれる。利用者も「治らないと思っていた傷が治り、自宅で家族と共に過ごすことができる」と信頼を寄せている。

修了者として、在宅現場でも役割を発揮する間宮さんが心掛けていることがある。在宅の現場では病院以上に家族や多職種などの関係者と接する。介入の際は、どのような役割を担うかを各者に丁寧に説明することが大切となる。このような調整を欠かさず行う間宮さんは、協働する医師や訪問看護師、薬剤師からも厚い信頼を得ている。

今後は、利用者・家族が望む在宅療養を支援する体制づくりを推進するため、率先して地域で活動し、その幅を広げることを目指す。「地域で何ができるのか、エビデンスを示し、役割を発揮したい」と意気込む。研修中は「修了者を院内で計画的に増やすことが看護部の躍進となり、病院の基盤づくりにもなる」という管理者ならではの視点も持って受講していた間宮さん。CNの計画的な研修受講を促したいと構想を示す。先駆者として修了者の道を切り開く取り組みに大きな期待が掛かっている。