看護実践情報

やさしく読み解く「看護者の倫理綱領」第12〜15条

第12〜15条は、土台としての個人的徳と組織的取り組みについて述べています。

第12条:看護者は、より質の高い看護を行うために、看護者自身の心身の健康の保持増進に努める。

解説では、看護職の健康の保持増進の重要性への個人的努力だけではなく、職場環境を整えることの重要性に触れられています。特に最近の医療現場で問題になってきている、患者やその家族等による暴力からの保護などについて、その組織的対策を促しています。

第13条:看護者は、社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。

個々の看護職の品行の維持に関する努力を求めるもので、徳の倫理と見なすことができます。

解説文で言及されている徳目は、誠実さ、礼節、品性、清潔さ、謙虚さであり、看護職に望まれる道徳的人格を表していると見ることもできるでしょう。これについては、様々な議論があり得るでしょう。例えば、アドボケートの役割を期待するなら、ここには含まれていない「勇気」が挙げられるかもしれません。看護職に求められる具体的な徳目は時代とともに少しずつ変化することも理解しておくと良いでしょう。

第14条:看護者は、人々がよりよい健康を獲得していくために、環境の問題について社会と責任を共有する。

今世紀に入ってから、地球規模の自然環境問題の深刻化が報じられ、またわが国においても様々な大きな社会問題が相次いで生じています。看護職には、人々の生命や健康を守る上で、これに深く関わる自然環境や社会環境の問題に関心をもち、人々と協力してよりよい社会の実現に向けて努力することが求められます。

解説文では、医療廃棄物による環境破壊を防止する責任についても言及されています。

第15条:看護者は、専門職組織を通じて、看護の質を高めるための制度の確立に参画し、よりよい社会づくりに貢献する。

看護は重要な社会的機能として人々に認められ、専門性の高い看護提供を通して社会の福祉に貢献することを使命としています。この使命をより良く果たすには、保健医療福祉や看護の制度の改善や政策決定に積極的に取り組む必要があります。

実際に、厚生労働省などが設置する、国の保健医療や看護の政策作りにつながる諮問審議会や検討会等には、看護職の代表として日本看護協会の役員等が委員として加わることが多いのです。看護職の組織的な活動を行っている看護協会だからこそ、看護の代表と見なされるのです。

【参考文献】

高田早苗:看護専門職組織の役割と倫理綱領,小西恵美子編,看護倫理 よい看護・よい看護師への道しるべ,205-213,南江堂,2007(一部加筆修正).