看護実践情報

患者・家族との信頼関係と倫理

倫理的課題の概要

医療職と患者・家族との信頼関係とは

看護職と患者・家族が相互に「信頼」する関係を構築することが、看護を提供する前提である。また、治療には、信頼関係に基づいた患者・家族の協力が不可欠であり、同じ目的に向かって治療を進めていく必要がある。

倫理的課題の特徴

看護職と患者との関係で、コミュニケーション等がうまくいかず、「話しにくい患者」「あわない患者」と感じてしまう場面がある。うまくいかないからといって、看護職の方から患者を避けてしまうと、患者・家族との信頼関係が崩れてしまう。また、症状や心配事を看護職に訴えたときにきちんと対応してもらえなかったと感じると、医療職に対して不信感を抱き攻撃的になったり、さらに関係が悪化することもある。

考える際の視点

「看護者の倫理綱領」の2条には、「看護者は、国籍、人権・民族、宗教、信条、年齢、性別及び性的指向、社会的地位、経済的状態、ライフスタイル、健康問題の性質にかかわらず、対象となる人々に平等に看護を提供する」とある。看護職が患者についてどのように思っていても、看護職は平等に看護を提供する責任がある。健康問題を抱え、日常とは異なる病院の環境で、不安を抱える患者・家族のありのままを受け入れ、見守り、支えていく役割がある。

患者との関係でうまくいかないと感じたとき、患者や家族がどのような状況であるかを客観的に理解する必要があり、患者の身体的、精神的、社会的側面はもとより、看護職(医療職)の関わりの中でコンフリクトが生じている原因は何か、アセスメントする必要がある。

また、患者とうまくいかない状況について、保健医療福祉サービスに関わる専門職チーム間で共通理解をはかる場を持つことも必要である。患者・家族の気持ちを理解し、起きている状況の共通理解を図る。そして、看護職が一人で抱え込まないよう、保健医療福祉サービスに関わる専門職チームとして対応する。

  • コンフリクト:衝突、葛藤、対立