看護実践情報

ICN看護師の倫理綱領

ここに掲載している日本語訳の「ICN 看護師の倫理綱領」は、こちらからPDF形式でダウンロードできます。

ICNホームページからも、多数の言語に訳された「ICN 看護師の倫理綱領」をダウンロードすることができます。

看護師の倫理に関する国際的な綱領は、1953年に国際看護師協会(ICN)によって初めて採択された。その後、この綱領は何回かの改訂を経て、今回、2005年の見直しと改訂に至った。

前文

看護師には4つの基本的責任がある。すなわち、健康を増進し、疾病を予防し、健康を回復し、苦痛を緩和することである。看護のニーズはあらゆる人々に普遍的である。

看護には、文化的権利、自ら選択し生きる権利、尊厳を保つ権利、そして敬意のこもった対応を受ける権利などの人権を尊重することが、その本質として備わっている。看護ケアは、年齢、皮膚の色、信条、文化、障害や疾病、ジェンダー、性的指向、国籍、政治、人種、社会的地位を尊重するものであり、これらを理由に制約されるものではない。

看護師は、個人、家族、地域社会にヘルスサービスを提供し、自己が提供するサービスと関連グループが提供するサービスの調整をはかる。

倫理綱領

「ICN 看護師の倫理綱領」には、4つの基本領域が設けられており、それぞれにおいて倫理的行為の基準が示されている。

倫理綱領の基本領域

  • 看護師と人々
    • 看護師の専門職としての第一義的な責任は、看護を必要とする人々に対して存在する。
    • 看護師は、看護を提供するに際し、個人、家族および地域社会の人権、価値観、習慣および精神的信念が尊重されるような環境の実現を促す。
    • 看護師は、個人がケアや治療に同意する上で、十分な情報を確実に得られるようにする。
    • 看護師は、他人の個人情報を守秘し、これを共有する場合には適切な判断に基づいて行う。
    • 看護師は、一般社会の人々(とくに弱い立場にある人々)の健康上のニーズおよび社会的ニーズを満たすための行動を起こし、支援する責任を社会と分かち合う。
    • 看護師はさらに、自然環境を枯渇、汚染、劣化および破壊から保護し、維持する責任を社会と分かち合う。
  • 看護師と実践
    • 看護師は、看護業務および継続的学習による能力の維持に関して、個人として責任と責務を有する。
    • 看護師は、自己の健康を維持し、ケアを提供する能力が損なわれないようにする。
    • 看護師は、責任を引き受け、または他へ委譲する場合、自己および相手の能力を正しく判断する。
    • 看護師はいかなるときも、看護職の信望を高めて社会の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。
    • 看護師は、ケアを提供する際に、テクノロジーと科学の進歩が人々の安全、尊厳および権利を脅かすことなく、これらと共存することを保証する。
  • 看護師と看護専門職
    • 看護師は、看護実践、看護管理、看護研究および看護教育の望ましい基準を設定し実施することに主要な役割を果たす。
    • 看護師は、研究に基づき、看護の中核となる専門的知識の開発に積極的に取り組む。
    • 看護師は、その専門職組織を通じて活動することにより、看護における安全で正当な社会的経済的労働条件の確立と維持に参画する。
  • 看護師と協働者
    • 看護師は、看護および他分野の協働者と協力関係を維持する。
    • 看護師は、個人、家族および地域社会の健康が協働者あるいは他の者によって危険にさらされているときは、それらの人々や地域社会を安全に保護するために適切な措置をとる。

訳注

この文書中の「看護師」とは、原文では nurses であり、訳文では表記の煩雑さを避けるために「看護師」という訳語を当てるが、免許を有する看護職すべてを指す。

訳注

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Copyright © 2006 by ICN - International Council of Nurses, 3, Place Jean-Marteau, 1201 Geneva (Switzerland)

ISBN: 92-95040-41-4

日本看護協会 訳

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