看護実践情報

看護記録に関する指針

日本看護協会は2000年に「看護記録の開示に関するガイドライン」を公表し、その後、2003年の個人情報保護法の成立を受け、2005年に「看護記録および診療情報の取り扱いに関する指針」を作成しました。
近年の医療・看護を取り巻く環境の変化と看護記録の重要性の高まりから、2005年作成の「看護記録および診療情報の取り扱いに関する指針」を改訂し、今回新たに「看護記録に関する指針」(以下、新指針)として示しました。

改訂にあたっては、2017年4月に有識者を構成員とする「看護記録に関する指針」検討委員会を設置して検討を重ねました。さらに、同年12月には、本会公式Webサイトで意見募集を実施しました。新指針はこれらの結果を踏まえ、本会内での検討を経て2018年3月に策定、5月に公表しました。

新指針を、看護記録の作成およびその取り扱いの基盤として、ぜひご活用ください。

改訂の主な内容

1. 指針の対象および目的の見直し

2005年作成の「看護記録および診療情報の取り扱いに関する指針」は「診療情報の提供の目的と看護者の役割を明確にする」ことや、「診療記録開示の目的に適う看護記録のあり方」を示していました。しかし、近年の医療・看護を取り巻く環境の変化や看護記録の重要性の高まりを受けて見直し、新指針の対象と目的を「あらゆる場で実践を行うすべての看護職に対して、看護記録のあり方および看護記録の取り扱いについて示す」としています。
さらに、指針の対象および目的の見直しに伴って、指針の名称を「看護記録に関する指針」に変更し、内容も、あらゆる場で実践を行う全ての看護職が利用可能となるよう留意しました。

2. 「看護者の倫理綱領」「看護業務基準」との関係の明示

新指針は「看護者の倫理綱領」と「看護業務基準」を上位概念とし、これらに基づいて看護記録のあり方および取り扱いの具体的方法を示していることが伝わるような内容にしています。また、新指針で使用している用語も「看護者の倫理綱領」と「看護業務基準」に沿って統一しています。

3. 看護記録の定義および目的の明示

看護記録の活用の幅が広がっている現状で、看護記録の定義と目的を改めて示すことの意義は大きいと考えました。そこで、新指針では、看護記録を「あらゆる場で実践を行う全ての看護職の看護実践の一連の過程を記録したもの」と定義し、さらに、「看護実践を証明する」「看護実践の継続性と一貫性を担保する」「看護実践の評価及び質の向上を図る」の3つの目的を示しました。

4. 保健医療福祉サービスが専門職・非専門職の協働のもとで提供されることを考慮

看護記録は、保健医療福祉サービス提供に係る専門職・非専門職に情報提供する際の重要なツールとなっています。今後、専門職・非専門職の協働と連携をさらに推進するためにも、看護職は専門職・非専門職が内容を理解できるような看護記録を作成する必要があります。そのため、「3-1 看護記録記載の基本」の項に、保健医療福祉サービスの提供に係る専門職・非専門職や看護を必要とする人と内容を共有できるよう記録することについて示しました。

5. 看護記録の責任の明確化

近年、新たな看護提供方式が導入されている等の状況の変化があります。これを受けて、「3-2 看護記録記載時の注意点」の項に、看護職に自身の記載についての責任があることを示しました。
また、看護補助者等が看護記録記載の一部を代行することがあります。その場合にも、記録の主体は看護職にあり、看護職が記載内容を確認し署名する必要があることを示しています。