看護実践情報

助産師職能委員会の集会・会議

全国助産師職能委員長会

【2016年度 第1回(8月3日)】

厚生労働省が議論を進めている、次期「周産期医療体制整備指針」に災害対策が盛り込まれることを見越し、災害時の周産期ネットワークをテーマに開催した。

事例発表では、文京区総務部の橋本淳一防災課長が同区での災害時の「妊産婦・乳児救護所」の取り組みについて説明した。竹田綜合病院(福島県)の佐藤久美子看護課長は、東日本大震災を振り返り「平常時の防災訓練でシミュレーションすることで、初めて気付く難しさがある」と、訓練の必要性を訴えた。

熊本地震で被災した熊本市立熊本市民病院の吉村圭子副看護部長は「『災害時小児周産期リエゾン』に合流したが、避難所ごとの妊産婦の把握ができておらず、車中泊の人も多く効果的な情報収集の重要性を感じた」と対象者の避難先の把握が課題だとした。熊本県助産師会の坂梨京子会長は、宿泊型産後ケアや、来所での沐浴(もくよく)・乳房ケアなどを実施したことを報告し「宿泊は母と乳児限定だったため、余震が続く中、夫や上の子どもと離れられないから利用できないという声が多かった」と、利用者を限定することの難しさを語った。

その後のグループ討議では「災害支援ナース同様、助産師が助産師を支援する仕組みがほしい」「地域間で電話以外の連絡手段の確保を」などの声が上がった=写真。

福井トシ子委員長は、最後のまとめで「ネットワークづくりは日ごろの“母子の地域包括ケア”の関係づくりに尽きる。自ら行動を起こしてほしい」と呼び掛けた。

【2016年度 第2回(3月3日)】

災害時の周産期医療ネットワークづくりと訓練を

福井トシ子委員長は2016年度の活動報告の中で、ことし4月から、産後2週間、1カ月など間もない時期の産婦の健康診査が公費負担となることにも触れ「助産師が妊婦健診から産後ケアまで行い、地域に出ていくような仕組みづくりを進めてほしい」と呼び掛けた。

「災害時における周産期医療ネットワーク体制の現状と各地区の活動報告」では、自治体の立場から京都市中京区地域力推進室総務・防災課の東茂年課長補佐、都道府県看護協会の立場から大阪府看護協会の宮川祐三子助産師職能委員長、施設の立場から高知県看護協会の関正節助産師職能委員長(高知医療センター)が、取り組み内容を報告した。

その後、国立病院機構災害医療センター所属でDMAT事務局でもある岬美穂氏が、熊本地震の際の災害時小児周産期リエゾンの活動内容を説明した。各発表者の報告では、日ごろからのネットワークづくりと、「自援力」を強める災害訓練を実施することが重要と指摘された。

日本助産評価機構の堀内成子理事長は、CLoCMiPレベルV認証制度について、18年度からの申請要件は必須研修などの項目を増やすこと、更新時は4区分(通常申請者、看護管理者、助産・母性の教員、助産所開設者)ごとの要件を設定することを説明した。

このほか、周産期医療体制の推進に関するワーキンググループの黒田光恵委員が、小児在宅移行支援を推進するための指導者研修の内容を紹介した。来年度には、5日間の研修施行事業として実施する予定。