国際情報

ICNの動き

ここでは、日本看護協会出版会『看護』より、「ICNの動き」を定期的に転載しています。

2013年

5月号

日本看護協会国際部

2013年ICN会員協会代表者会議(CNR)・第25回ICN4年毎大会、迫る!

標記会議・大会の開催期日が5月に迫っており、大会ホームページにプログラムの大枠が掲載されました。大会テーマ「公平性とヘルスケアへのアクセス」のもと、「ジェンダーの公平性」をはじめ、「非感染性疾患の世界的広がり」「肥満における個人と社会の責任」などを主軸に、多彩なプログラムが設けられる予定です。また、「災害」に関するセッションにおいては、本会の真田弘美副会長が、東日本大震災における本会の活動について講演を行います。

さて、本誌でも既にご報告のように1), 2)、ICNは世界的な経済危機に直面する中で、「世界の看護を代表し、その専門性を発展させ、保健政策に影響をおよぼす」という自己の使命をいっそう追求するには、組織変革を通じて、その持続可能性を高めることが重要との認識を高めています。来る5月のCNR では、この点が議案として取り上げられる予定です。具体的には、ICN会員資格基準や会費算定方式等を変更して、ICNに加入する看護師協会(以下:協会)の数や看護師数を増やすことにより、ICNの組織的パワーを高めようというものです。

ICNは、この議論を進めることを、2012年5月の各国看護師協会会長会議で公表して議案を作成し、各国協会のコメントや意見を求めてきました。そして、ホームページへの関係文書掲載やメールでの連絡、各国協会の公式意見募集などを通じて、各国協会との意思疎通を密にはかり、より多くの協会が納得できる内容をまとめるよう努力してきました。この過程は“コンサルテーション”と呼ばれています。

ICNは通常、重要な課題や問題に関して、各国協会とのコンサルテーションを経て、最終決定に反映しています。ICN発表によると、今回のコンサルテーションでは各国協会からこれまでにないほど多くの回答が寄せられたということです。

しかし、常勤の役職員がいない協会やインターネット等のインフラが整備されていない協会は、こうした場への参加が容易ではありません。「機会の公平性の保証」という課題の重さを、あらためて感じます。

また今回は、文書やメールでの意見交換に加えて、電話会議や対面会議が行われたのも特徴です。この案件に特に関心を持ついくつかの協会が、隔月で非公式に意見交換をはかってきました。本会も毎回出席しましたが、使われる言葉を定義し、内容を確認し、誤解を修正し、価値観を擦り合わせる……という緻密な作業が続きました。3月をもって会議は終結しましたが、引き続き、ICNの内部委員会で議案のとりまとめが行われ、5月のCNRに諮られる予定です。

この長期にわたる複雑な意見交換の過程を運営してきたICN理事会およびベントン事務局長とスタッフに敬意を表するとともに、5月のCNRで活発な議論が行われ、望ましい成果が得られることを願っています。

●参考文献

  • 輪湖 史子:ICNの動き,看護, 64(15), p.90, 2012.
  • 金井 Pak 雅子:ICNの動き,看護, 65(3), p.82, 2013.

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4月号

日本看護協会国際部

ICN/世界各国の看護の動き

 今月は「ICNマンスリーメール」2012年11月号、 12月号および2013年1月号より、ICNや世界各 国の動きを紹介します。
「ICNマンスリーメール」では、ICNや世界の 看護に関するさまざまな情報が届きます。これら の情報は、今回紹介する内容も含め、本サイトの「国際情報」に掲載されています。

【ICNファクトシート改訂】

ICNは、現在の健康と社会の問題に関する簡潔 な参考情報と、看護職の視点から見た国際的な展 望を提供する「看護事情(Nursing Matters)ファ クトシート」を公表している。今回、「帯状疱疹」 「インフルエンザ」「肺炎球菌性肺炎」「保健医療従 事者の予防接種:インフルエンザとB 型肝炎」「ヒ トパピローマウィルス」の5本を改訂した。
ICNファクトシートは、ICNウェブサイトに掲載されている。

【保健医療専門職の国際的な獲得競争は今後も継続】

 「保健医療専門職の移動(The Mobility of Health Professionals)プロジェクト」は、2012年3月に概略報告を発表した。この報告は、25 カ国(アメリカ、イギリス、インド、オーストラ リア、ガーナ、カナダ、フィリピン、フランス、 南アフリカなど)の研究をもとにしたもので、保 健医療専門職の獲得競争は継続し、今後10年を 通じて激化する見通しを示した。
報告書では、「国内の保健医療専門職不足の解 決を国際的な雇用に依存することの倫理的影響」 「海外の資格等の評価・承認に関わることの困難 性と遅帯」「教育水準の比較」「ケアの質と質保障」 などに焦点が当てられた1)

【イギリスNHS(National Health Service)の看護職数減少】

NHSの看護職数は、2年前より4500人減少し たことが、2012年7月発表のデータより明らか になった。一方、常勤職員不足を補う派遣職員が 補充するシフト数は、年間で5割以上となってい る。また、派遣職員を派遣している業者は、常勤 職員に支払われる給与相場の7倍の金額を受領している2)

【韓国の看護師不足】

韓国保健社会機関は、「2025年までに3万人の 看護師不足に直面する」と推計した。研究者は、 労働条件が改善しなければ、現在7万5000人の 潜在看護師数が、2025年には14万人ほどに増え ると見積もっている。大韓看護協会によると、潜在 看護師の約4万5000人が20〜30歳代であり、保育 所不足の問題も潜在看護師の要因となっている3)

●参考文献

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3月号

ICN理事/東京有明医療大学看護学部看護学科学科長・教授  金井 Pak 雅子

ICN選挙の争点―経済危機をどう乗り切るか

ICNは、今年のメルボルン大会にて会長および 理事の選挙となる。今回、会長には3名が立候補 している。そのうち2名が現在の理事で、所属国 は台湾とコロンビアである。もう1名は、カナダ である。理事も4年の任期が終了し、私も2期目 の選挙に臨む。日本は「第7 地区」で、定員枠3 名のところに、今回は4名(タイ、ニュージーラ ンド、台湾、日本)が立候補している。

選挙に関しては、2009年からかなり厳しい規 制がある。配布できるのはパンフレット類2 枚の みで、品物の配布は一切禁止されている。これは、 富める国が有利になることを防ぐ目的である。こ の他に、今回から2分間のビデオ映像による選挙 活動が導入された。私も、日本看護協会の多大な 支援で制作し、ICN のホームページに掲載してい ただいた。選挙は、各国が1票の投票権を持つ。 今回の選挙の争点は、「この経済危機をどう乗り 切るか」、理事としても新たな発想が問われてい るのである。

ICN本部の人事に関しては、ナース・コンサル タントとして勤務していたエリザベス・アダムス 氏の後任にカナダのレスリー・ベル氏が最近就任 した。ベル氏の主な役割は、ICNの社会経済福祉 分野のコンサルタントとしての活動である。今後はワークフォースフォーラムにおいて、各国と連 携を取りながらの活躍が期待される。

ベル氏はオンタリオ州看護師協会会長等の要職 を歴任し、1993年から同協会CEOとしてリーダー シップを発揮されていた。オタワ大学看護学部卒 業後、ウエスタン・オンタリオ大学にてMBAを取 得されている。政策関係にも豊富な経験を持ち、 今後ICN の社会経済福祉分野において、それまで の実績を活かした活動が大いに期待できる。

ICNが現在直面している課題は、やはり“経済 危機”である。ICNの財源は、各国のメンバーか ら支払われる会費で賄われている。つまり、その 国の看護師協会の会員は、同時にICNの会員で あり、各国看護師協会費の一部がICNに支払わ れているのである。ICNの会員登録をしている国 であっても、昨今の政情不安から国民の生活その ものが脅かされている国もあり、そのような国か らは会費の納入は滞ってしまう。会費を納入しな ければ会員としての資格を喪失するわけだが、国 の情勢を勘案すると、政情不安の理由のみで会員 資格喪失というわけにはいかない。むしろ、政治 により看護専門職が職業として脅かされている場 合は、ICNとしては支援する。その例が、2年ほ ど前に起きたバーレーンでの、政府による看護師 たちへの処分である。反政府運動による怪我人を 治療したことで、医療従事者が政府により逮捕・ 投獄された。そして、今でも看護師たちが服役し ている状況である。

ICNとしては、この経済危機をいかに乗り切る か。会長始めとして副会長たちで構成するエグゼ クティブたちの主導で、さまざまな討議を重ねて いる。5月に開催される会員協会代表者会議 (CNR)でも、その点がいちばんホットなテーマ となるであろう。

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2月号

日本看護協会国際部

ベントンICN 事務局長からのメッセージ

ICN アジアワークフォースフォーラム(バンコク市、タイ)にご出席の、デビッド C. ベントンICN 事務局長(以下、CEO)から、日本の看護職に向けてメッセージをいただきました。

「お忙しい中、インタビューにお答えくださり、誠にありがとうございます。早速ですが、現在、ICN にとって最も大きな課題は何でしょう。」

CEO:現在、ICN が最重要視している課題は3点あります。「世界の経済状況」「疾病構造の変化」「人口構成の変化」です。この3 点を解説します。
1.世界の経済状況:経済危機の結果、各国政府は支出を見直し保健医療費を削減しています。そのため看護職の雇用条件が脅かされ、多くの各国看護師協会が大きな問題に直面しています。各協会は、現行の雇用条件を擁護し、減俸や増税から看護職を守ることに多大な時間を費やしています。また、看護の仕事は非常に苛酷であるため、多数の看護職が他の職業を求めて看護の仕事から去っています。これも非常に重大な課題です。
2.疾病構造の変化:長期的には、非感染性疾患(non-communicable diseases:NCDs)の急増が挙げられます。この点は看護職にとって大きな課題ですが、同時に好機でもあります。既に、「看護職は、プライマリーケアの場でも医療施設でも、NCDs を持つ患者に効果的なケアを提供できる」というエビデンスがあります。しかし、看護職がリーダーシップを発揮することに、他職種が抵抗を示す場合もあります。そこで看護職は、エビデンスを政府に提示し、人々の健康と福祉の改善という好機に自ら参画する必要があるのです。
3.人口構成の変化:NCDs の増加と並行して、多くの国で高齢化が急速に進展しています。日本はその先頭を走っています。また、社会構造の変化に伴い、子ども世代は都市へ向かい、高齢者は非都市部に残され、家族の支援を得られない状態になっています。こうした中で、認知症が進行した場合や身体が弱ってきた場合、高齢者は身近に支援者を必要とするようになります。「どのようにして高齢者の健康ニーズと社会的ニーズのバランスを保つか」という点が、看護職にとって大きな課題となっています。

「それらの課題に立ち向かう上で、最も困難な点は何でしょうか? また、「課題への対応」という点で、日本看護協会(以下、JNA)はどのような役割を果たせるとお考えですか。」

CEO:まず、JNAの役割ですが、日本は現在、人口構成に由来する多くの課題に直面しています。特に高齢化に関しては、世界各国に何年も先立って課題に取り組んでいます。「人口構成の変化への対応」という点で、JNA は他の国に多くを提供できると思います。他国の看護職は、JNA の経験や解決策を手本にできるでしょう。解決策は非常に複雑で、複数の策を実施する必要があるでしょう。JNAは、「高齢社会における看護のあり方」や「次世代の看護職が、多くの精神的・身体的問題を抱える高齢者のニーズに、よりよく対応できるようにするための教育」を検討する上で、指導的役割を果たすべきだと考えます。
もう一つの重要な点は、看護職として私たちは、保健省だけではなく、他の省庁にも働きかけて、人々が移動しやすい都市設計や高齢者に優しい住宅設計などを実現する必要があるということです。一例として、電気のコンセントが床面近くにあると、高齢者がプラグを差し込もうとして屈んだ時に転倒する危険があります。看護職である私たちは、コンセントの位置を高くするなど、とても簡単な提案で、人々が自立して暮らせる期間に大きな差が生まれることを知っています。

先頃、日本人看護職がICN コンサルタントに着任され1 )、私たちは大変嬉しく思っています。「海外で貢献したい」と考える日本の看護職も増えています。どのような点が日本人看護職の“強み”だとお考えでしょうか。また、国際舞台において日本人看護職に、どのような働きを期待されますか。

CEO:日本人看護職は、世界各地で大きく貢献していると思います。さまざまな国を訪ねると、日本人看護職がJICA 等の活動に加わり、他国の人々と協働している姿に多く出会います。彼女/彼らは、開発途上国に赴き、自らの経験や知識に立脚し、入念な分析と判断に基づき問題に対処する能力を発揮しています。ICN のチームに日本人看護職が加わったのは、とても嬉しいことです。採用面接の際、私は、彼女の分析力と解決志向で問題を捉える力に非常に感銘を受けました。彼女は、私たちのチームで大いに活躍してくれること でしょう。日本人看護職が海外で働くことにより注目を集めるだけではなく、実際に大きな成果を上げている好例ですね。
日本人看護職は、常にケアの技術的側面と人間的側面のバランスを上手に維持しています。その実践を見ると、相手を“全体”として捉え、疾病や手順・処置だけを見ているのではなく、相手やその家族の価値にも注意を払っていることがわかります。日本人看護職は、看護の「アート」と「サイエンス」の側面を両立させています。

ICN 事務局長は大変な激務かと思いますが、その中で、最も喜びを感じるのはどのような時ですか。

CEO:私が訪問する多くの国々には、非常に困難な状況にある国もあります。東日本大震災後に日本を訪れ、被災地の看護職にお会いしました。こうした時に非常に心強く思うのは、「どのような困難に直面していても、看護職は必ず“解決策”を見いだしている」ことです。看護職は必ず好機を捉えています。看護職がもたらす創造性や革新性、献身と情熱に驚嘆しています。私にとって、こうしたことは大きな“喜び”です。アフリカでもラテン・アメリカでも、日本でも、私は常に、看護職が並外れた働きをしているのを目にしてきました。

最後に、これからの活動に当たって“座右の銘”をお聞かせいただけますか。

CEO:アインシュタインの言葉の一つ、「今日、我々が直面する重要な問題は、その問題を引き起こした時と同一レベルの思考では解決できない」です。私たちは、問題を別の角度から検討し、解決策を求めて創造的に対応する必要があります。別の角度から検討することで、“前進”できるからです。

本日は、本当にありがとうございました

大会に先行し5月16日(木曜日)〜19(日曜日)に、ICNの最高意思決定機関であるCNRが開催されます。本会会員の方は、誰でも無料で傍聴することが可能です。

●参考文献

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1月号

日本看護協会国際部

第25回ICN4年毎大会のプログラムについて

今月は、2013年5月にオーストラリア・メルボルンで開催される国際看護師協会(ICN)4年毎大会について紹介します。

【大会の概要】

第25回ICN4年毎大会は、5月18日(土曜日)から 23日(木曜日)の6日間にわたり、開催されます。大会テーマは「公平性とヘルスケアへのアクセス」。
開会式は、大会初日の18日(土曜日)の夜に行われます。毎回恒例の、ICN会員協会の代表者が自国の民族衣装をまとっての華やかな入場に、参加者は大歓声を上げ、これから始まる大会への期待を高めるとともに、ICNが世界的規模の団体であり、看護職が世界的な職業であることを体感することでしょう。

【講演・メインセッション】

ヨルダンの王母ムナ殿下が大会テーマに基づき、基調講演を行うことが決定しました。ムナ殿下は、WHO 東地中海地域事務所の看護と助産部門の支援者であり、WHO看護コラボレーティングセンターの名誉アドバイザーを務められています。また、キングス・カレッジ・ロンドンのアン・マリー・ラファティ教授によるヴァージニア・ヘンダーソン講演も予定されています。
メインセッションでは、「高齢化」「業務範囲の変化」「災害」「人材」「看護倫理」「eヘルス」などのテーマに関する世界の最前線の発表が行われます。本会の坂本すが会長も、災害に関するメインセッションで発表する予定です。

【分科会・シンポジウム・ポスターセッション】

世界75カ国から、2,927題の抄録応募があり、査読が行われています。

【ICN ネットワーク会議】

「教育」「ナースプラクティショナー/上級看護実践」など特定の関心領域に焦点を当てた、ICNネットワーク会議が開催されます。ICN ネットワークは世界の看護職と最先端の情報交換をする場として、自発的に活動しており、個人で参加することができます。

参加登録は、ICN の大会専用ホームページにて受け付けています。日本語での参加登録代行も実施しております。なお、日本語での参加登録代行の詳細につきましては、本サイト「国際情報」をご参照ください。

【施設見学】

23日(木曜日)に行われる施設見学に、希望者は参加することもできます(先着順にて定員に達し次第、締め切り)。

【会員協会代表者会議(CNR)】

大会に先行し5月16日(木曜日)〜19(日曜日)に、ICNの最高意思決定機関であるCNRが開催されます。本会会員の方は、誰でも無料で傍聴することが可能です。

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2012年

12月号

日本看護協会国際部

2013年ICN会員協会代表者会議(CNR)・第25回ICN4年毎大会に向けて

既に本サイト「ICNからのお知らせ」1)や本誌等でお知らせのとおり、2013年5月に標記の会議(16〜19日)と大会(18〜23日)がオーストラリアのメルボルンで開催されます。日本からも、多くの皆様がご参加くださることを心より願っております。

CNR(Council of National Representatives)は、各国看護師協会の代表者が集うICN最高意思決定機関です。2013年CNRでは、ICNの組織強化の課題が大きく取り上げられるものと思われます。

近年ICN は、次のような問題意識を強めています。ICNの使命は一つに、「世界の看護職を代表すること」です。一方、現在、世界の看護師数は1,900万人2)とされていますが、ICN加入協会の看護師数総計は290万人です。加入率15.3%をもって「代表」と言えるかという問いが、ICN内で繰り返されてきました。会員規模は、ICNが、世界保健機関(WHO)や国際労働機関(ILO)等の国連機関や、世界医師会、国際薬剤師連盟等の関連団体に働きかける際のパワーにも直結します。そこで、ICNにとって、会員増(看護師数の増加)は大きな目標となっています。

会員増の方策の一つに、ICN未加入の国(地域)の看護師協会の加入促進があります。ICNは既に、低所得国の新規加入協会に対して、加入直後の数年間、会費額を抑制する方法を導入しています。さらに2011年から、加入率(当該国協会の会員数÷当該国の看護師総数)が高い協会を表彰する制度を導入し、会員増につなげようとしています。

しかし、各国の協会にはさまざまな性格があり、加入率も一律には論じられないとの意見もあります。例えば、ある協会が看護師免許所掌機関の役割を果たしている場合は、全国の看護師を傘下に収めることになるので、加入率は100%になります。一方、自主加入式の協会では、国内の看護師の全員加入は容易ではありません。また、歴史的背景等から国内に多数の小規模看護職能団体が存在するところもありますが、現行のICNルールでは“1カ国(地域)1協会制”なので、こうした国(地域)からICNに加わる看護師は比較的少数です。これに対して、「1カ国(地域)から複数協会が加入できるような制度に改めてはどうか」と提案されたこともありますが、国内協会間の関係性の問題もあって、採用には至っていません。

こうした中で、2013年CNRでどのような議論が交わされるのか、最も注目される点の一つです。CNRは、本会会員の皆様も傍聴可能です。続く4年毎大会と併せて、ぜひ、ご予定に入れていただければ幸いです。

●参考文献・関連資料

※ ICN4年毎大会の開催概要や日本語での登録代行については「JNA INFORMATION」欄(p.37)をご参照ください。

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11月号

日本看護協会国際部

2013年「国際看護師の日」のテーマ発表

「国際看護師の日(International Nurses Day)」は、5月12日のフローレンス・ナイチンゲールの誕生日を世界でお祝いする日です。国際看護師協会は、この重要な日を記念し、毎年テーマに沿った文書を発行しています。2013年のテーマは以下に決定しました。文書は2013年初旬に公表予定です。格差の解消:ミレニアム開発目標8,7,6,5,4,3,2,1(Closing the Gap:Millennium DevelopmentGoals. 8,7,6,5,4,3,2,1)

ミレニアム開発目標(MDGs)は、2000年9月に国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言を基にまとめられ、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げたものです。このうち目標4、5、6は保健医療に関する目標となっています。2013年「国際看護師の日」のテーマは、2015年に向けたカウントダウン、特に保健医療関係の目標を強調したものとして設定されました。

目標1:極度の貧困と飢餓の撲滅
目標2:普遍的な初等教育の達成
目標3:ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
目標4:幼児死亡率の引き下げ
目標5:妊産婦の健康状態の改善
目標6:HIV/AIDS、マラリア、その他の疾病のまん延防止
目標7:環境の持続可能性の確保
目標8:開発のためのグローバル・パートナーシップの構築

2015年まであと3年となった2012年のMDGsの進捗報告書では、現状が以下のように報告されています1)

[目標1]に関して、予備評価では2010年に1日1.25ドル以下で生活する人の割合は、1990年の半分以下となったとされています。日本では、生活習慣病への対応が普及していますが、世界各国でも同様に、NCDsへの予防対策に焦点が当てられています。

一方で、保健医療関係の目標4、5、6は、前進が見られるものの目標達成にはまだまだ及びません。[目標4]の5歳未満児の死亡率は、3分の1以上減少し、最も死亡率の高いサハラ砂漠以南アフリカにおいても減少していますが、目標達成には及んでいません。[目標5]については、妊産婦の健康向上、妊産婦死亡の減少の進捗ペースは大変ゆっくりで、目標達成からは程遠い状況です。[目標6]は、2010年末現在で、開発途上地域の650万人がHIV/AIDSへの抗レトロウイルス療法を受けており、過去1年間でこれまでにない治療アクセスの増加率を見せました。しかしながら、普遍的なアクセスは達成できていません。マラリアについては、2010年に合意された「死亡率の半減」という目標達成には及ばないものの、著しい減少が見られています。また、結核の発症率は2002年から減少し、2015年には結核による死亡率が1990年の半分になると推計されています。

現在、国連では2015年以降の世界的な開発アジェンダに向けた検討も行われていますが、看護職として引き続きMDGsへの関与が重要となってきます。

●参考文献・関連資料

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10月号

日本看護協会国際部

【ICN ナース・コンサルタント草野由紀子さんからのメッセージ】

この度、日本人初のICN ナース・コンサルタントとして、草野由紀子さんが就任されました。日本の看護職へのメッセージ等を伺いました。

「ICNへのご就任をお祝いいたします。去る6月のご着任以来のご感想をお願いいたします。」

草野:世界の看護の質を向上させる努力に参加す る機会を感謝すると同時に、長年この分野に貢献 してきた前任者、Dr. Tesfa Ghebrehiwet の足 跡を引き継ぐことを光栄に思います。看護師は 人々の健康のために第一線で働く重要な存在であ り、世界で1,300万人以上の看護職が力を合わせ れば、より健康な世界への変化を起こすことがで きると信じています。毎日の看護行為が人々や社 会の健康に確実に貢献していること、また日本看 護協会やICN がそれぞれの現場で活躍する看護 師を覚えて支援していることを、看護師一人ひと りが実感できるようにしていきたいです。

「国内では、どのようなお仕事をされたのですか。」

草野:総合病院の救急・内科病棟、外科病棟を経 て、手術室での看護に従事しました。海外ミッショ ンから帰国した際には、健康増進課での看護や学 校保健に携わりました。

「国際協力の場に関わられたきっかけや、具体的な活動をご紹介ください。」

草野:もともと国際協力に興味がありましたが、 病院勤務時代にネパールでの口唇口蓋裂手術のプ ロジェクトに参加したことがきっかけです。アフ ガニスタン、リベリア、インドネシア、ベトナム などで、復興支援やプライマリーヘルスセンター の支援、地域保健や子どもの栄養改善など保健事 業の管理をしました。看護師として直接患者にケ アを提供するのではなく、その国の政策を支援し、 その政策に沿った事業を立案・実施、モニタリン グ・評価することが主な仕事です。パートナーと の協力・調整も重要な仕事の一部でした。

「国外から見た「日本の看護と看護職」について、率直なご意見をお聞かせください。」

草野:日本の看護の質は世界に誇れる高さだと感 じています。他の国々に自信を持って日本の看護 を紹介し、その技術を伝えることで世界に貢献す ることができると思います。

「今後、世界で活躍を目指す日本の看護職に、助言と激励をお願いいたします。」

草野:健康は全ての人の基本的人権であり、看護 は人の健康のための仕事ですから、まずは自身の 健康を大切にし、質の高い看護を提供できる環境 を確保しましょう。日本でも外国でも、それぞれ の場で可能な最高の質の看護を提供することが重 要です。常に、より質の高い看護を目指し、日本 や世界の動向に目を向け改善の努力をすること、 そのためには、どのようなレベルにあっても看護 職はポリシーメーカーであることが必要です。一 人ひとりが世界の看護職1,300万人の一員である ことを覚え、より健康な社会へと力を合わせてい きましょう。

「力強いメッセージをありがとうございます。」

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9月号

日本看護協会国際部

第4回二年毎三者会議での三者声明とNCDsについて

ICN、ICM、世界保健機関(WHO)共催による第4回二年毎三者会議が5月にジュネーブで開催されました。会議では、非感染性疾患(NCDs)に対する看護と助産の貢献に関する検討を行い、三者声明をまとめました。三者声明は、世界保健総会(WHA)で各国代表者へのロビー活動に使用され、また、各国内での情報提供などでの活用が期待されています。

NCDsは、WHA の議題に継続して取り上げられています。また、2011年の国連総会ハイレベル協議では政治宣言が採択され、保健分野のみの課題ではなく、社会経済にも著しい影響を及ぼす世界的な検討課題となっています。

WHOの推計では、2008年の全世界の死亡者数5,700万人のうち3,600万人がNCDs、すなわち心血管疾患、がん、慢性呼吸器性疾患、糖尿病などによるものとしています。NCDs の主な危険因子は、たばこ、アルコールの有害な使用、不健康な食生活、身体活動(運動)不足とされています。WHO は、これらの危険因子への暴露レベルを低減させることで、2,000万人以上の死亡を予防できるとしています。

NCDsの罹患率は年齢とともに上昇します。開発が進んでいる地域の多くの国では、60歳以上が人口に占める割合は20%を超えており、NCDsによる死亡は全死亡の80%以上となります。

NCDsの罹患率は低所得、中所得国において上昇しており、2030年のNCDsによる死亡率は50%を超えると推計されています。低所得国では、NCDsによる負担が増加しますが、感染症による負担にも引き続き直面し、NCDs と感染症の「二重の負担」を担うこととなります。

また、15〜59歳の若年および労働年齢の人々におけるNCDsの増加は、健康に生活する期間が短く、疾病・傷害と共存する期間が長くなることを意味します。つまり、労働力供給の減少、雇用者への保険などの追加コスト、税収入の減少、健康保険・社会福祉支出の増加といった経済的影響、NCDs関連の保健医療ケアの増加や医療費の増加といった保健医療システムへの影響、さらには家計収入の減少、高額の医療費支出など家計・個人への影響も生じます。これらの要素が集約し、国の社会経済に著しい影響を及ぼすことになります。

日本では、生活習慣病への対応が普及していますが、世界各国でも同様に、NCDsへの予防対策に焦点が当てられています。

●参考文献・関連資料

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8月号

ICN理事/東京有明医療大学看護学部看護学科学科長・教授  金井 Pak 雅子

今年のICN 理事会について

ICNの理事会は、毎年5月に開催される。今年は大会がない年なので本部のあるジュネーブにて開催された。理事会はいつも盛りだくさんの議事で毎日、朝から夕方まで会議がある。今回の理事会で言葉の持つ意味、そして言葉を他の言語に訳す時の難しさについて改めて実感させられた。

大会のテーマの審議で、“citizen”(市民)という言葉について、時間を費やした。私自身は、テーマにその言葉が入ることについては特に違和感もなく、全体として提示されたテーマはかなりすっきりしていたと思っていた。しかし、台湾ではcitizenというのは、成人して初めてそう呼ばれるので看護の大会にはふさわしくないのではないかという発言があった。言語というのは、その民族・文化・価値を反映しているものであることを改めて認識させられた。

そして、さまざまな国の人々が集まって、一つの組織をつくって活動する時は、このような違いをお互いに十分認識し、相互理解することが真の国際活動につながることであると思った。特に、日本語の場合、比較的あいまいな表現があるので、国際的な場で交渉する時には短文で明快な表現にすることが必要である。そのことは私自身、理事会においてはいつも意識しながら発言することにしている。

理事会の後には、いつも各国の看護師協会長たちとの会議がある。今回52カ国・地域注)の代表が集まった。ICN 本部は、経済的に困窮している国に対しては、交通費などの支援をすることによりICNの信条の一つである「連帯性」を実践している。特に、アフリカ圏の国々へは支援が必要である。

また、この会議では坂本すが日本看護協会長が、昨年の東日本大震災においてさまざまな国から多大な支援をいただいたお礼のスピーチを、パワーポイントを使って述べられた。災害はどの国にも起こりうることなので、参加された各国看護協会長たちは熱心に聞いておられた。

さらにICN本部の人事の動きについて、日本人のコンサルタントとして草野由紀子さんが就任したことが紹介された。草野さんは、日本で看護師として臨床経験を積んだ後、WHOに勤務された経験があ る。英語はもとよりフランス語も話されるので、ICN本部にとっては、大変貴重な人材である。年齢も30代前半なので今後の活躍が期待される

 

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2月号

ICN理事/東京有明医療大学看護学部看護学科学科長・教授  金井 Pak 雅子

FNIF女子教育基金と日中韓看護学会開催について

今回の報告は、大きく2点についてである。Florence Nightingale International Foundation(FNIF:フローレンス・ナイチンゲール国際基金)女子教育基金賛助の最新報告と、第3回日中韓看護学会における大統領夫人キム・ユンオク女史への表敬訪問のことである。

FNIFの活動とは、孤児となった発展途上国の看護師の娘たちが、初等・中等教育が受けられるように支援することである。2011年12月のFNIFニュースレターによると、これまでに79人の女子がこの基金により中等教育を修了している。この活動は、どこの国にいても個人が参画することができる。その方法は、「フローレンス・ナイチンゲール・テディベア」を購入することである。Web上で注文すると5日以内に届く仕組みとなっている。今回のニュースレターには、ケニアのリン・クヤさんがこの基金により中等教育を終えることができたことが本人の感謝のメッセージも含めて紹介されている。さらに、この基金への寄付として、日本看護協会も$1,000以上の枠のSilver Donorとして明記されている。

10月には、第3回日中韓看護学会が韓国において開催された。ICN会長が招待されICNの活動に関する基調講演があった。私は、大韓看護協会会長のシン・キュンリム氏に招かれた。そして、大韓看護協会会長、中華護理学会会長、坂本すが日本看護協会会長および久常節子前日本看護協会会長と一緒に韓国大統領夫人への表敬訪問をする機会を得た。物々しい警戒のブルーハウスの門をくぐって、セキュリティチェック後、大きな丸テーブルがたくさん置いてある大広間に案内された。するとそれらの大きな丸テーブルがいつの間にか韓国の女性たちで埋め尽くされ、大統領夫人が入ってこられた。その物腰には、大変優しい印象を受けた。各テーブルから代表者が、通訳を介してだが、簡単なあいさつを述べた。韓国を離れて40年スウェーデンに在住している看護師の方、ドイツに30年住んでいる看護師の方などである。韓国がかつて大変貧しかった時に、看護師たちは諸外国に出稼ぎに出たのである。そして、現在は、そのまま出稼ぎに出た国に住んでおられる。看護師の外国への出稼ぎの実態は、看護の歴史のみに留めるのではなく、韓国の歴史に刻むべきというシン大韓看護協会会長の強い思いを、大統領夫人への訪問という形で実現させたのである。

お茶会が終わった後、別室にて我々は、大統領夫人との懇談の機会を得た。終始笑顔で落ち着いてお話をされる大統領夫人であった。大韓看護協会は、この日のために各国で働いている看護師たちと連絡を取り、100名ほどが一堂に会したのである。

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2011年

8月号

ICN理事/東京有明医療大学看護学部看護学科学科長・教授  金井 Pak 雅子

ICN理事会報告-マルタ大会

今回のICN大会はマルタでの開催であった。世界遺産に登録されている町として有名なバレッタの築600年という由緒ある建物での大会となった。空港からホテルまでのタクシーの中で日本から来たと話したら、早速に「今回の震災は、本当に大変だったね」と運転手さんがねぎらってくださった。また、日本国民はあのような震災にもかかわらず暴動も起きずに皆、冷静に行動していたことにとても感銘したと言ってくださった。そして別れる時には、「日本のことを思っているよ」と言われ、長い旅の疲れも吹っ飛んでしまった。

大会の前に開かれた理事会では、やはり日本の震災が話題になった。震災の状況は、世界でもかなり報道されているが、津波もさることながら原発は大きな問題であることを皆一様に認識されていた。

理事会における主要テーマの一つは、ICNの財政問題であった。ICNの財政資源は各国からの会費であり、昨今の経済不況の影響も受けながら、いかに予算配分するかが課題である。議題ではなかったが、ICNとして今後、スペイン語やフランス語を公用語として維持可能か否かという話も出た。理事会においてもこれらの通訳が入るわけで、その費用はかなりの額となる。理事会は、英語のみにしてはどうかという話もあったが、深い論議はされなかった。

Council of National Representative(CNR)の会議の冒頭は、ニュージーランドや日本の震災の被害者への哀悼の意を示す黙祷があった。今回のCNRは、参加者がグループに分かれ、ICNの5つのコアとなる価値(リーダーシップ、包括性、革新性、パートナーシップ、透明性)に関してそれぞれの戦略について討議した。具体的には、ICN Balanced Scorecard Frameworkに関して、第三副会長のMarlene Smaduからパワーポイントを使って説明があり、その後、各グループにはそれぞれ理事が入り司会を務めた。私の担当はパートナーシップのグループで、カナダ、台湾、韓国などからの代表者により、かなり活発な論議がされた。CNRにおいて、グループに分かれて国のリーダーたちが討議をするアクティビティは、なかなか有意義である。

ICN大会の最中には、ナイチンゲールの記念碑の除幕式があった。マルタの首相、神父、マルタの看護師協会長とICN理事が参加した。記念碑の製作者も同席された。マルタは、ナイチンゲールがクリミアに行く前に38名の看護師とともに立ち寄った場所として有名である。記念碑は角度によりランプが浮き上がって見え、また夜になるとライトで照らされ幻想的である。

ICN加盟国も年々増加しており、今後さらに戦略的な組織の発展に、理事としてどのように参画していくか、世界遺産の建物を見ながら温故知新の岐路を感じさせられた。

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1月号

ICN理事/東京有明医療大学看護学部看護学科学科長・教授  金井 Pak 雅子

ICNでのさまざまな活動

「すばらしい看護実践環境」への取り組み

ICNでは、他の医療専門職団体と連携してすばらしい看護実践環境を整えるキャンペーンを実施しています。すばらしい看護実践環境とは、費用対効果に優れているヘルスケア機関であり、それは素晴らしくかつ整った仕事を支援し、働くスタッフにとって魅力があり、患者満足度・安全・そしてアウトカムを向上させるものです。そのような環境は以下の特徴を備えています。

  • 働くスタッフの健康、安全そして幸せを確実にします。
  • 質の高い患者ケアを支援します。
  • 働く個人と組織のモチベーション、生産性そして実践を向上させます。

すばらしい看護実践環境を整えるキャンペーンが生まれた背景には、現代の医療従事者が置かれている実践環境が危機状態にあるからです。例えば、身体的および精神的な暴力があったり、過重労働であったり、キャリア開発のチャンスが少なかったりしているということです。

ICNと連携してすばらしい看護実践環境を整えるキャンペーンに参加している医療専門職団体は、世界医師会、国際薬剤師連盟、世界理学療法連盟、国際病院連盟、世界歯科連盟です。これらの団体と協働で質の高いヘルスケアを提供するために変革を図っています。 今年になり積極的な活動としては、ウガンダ、ザンビア、モロッコで、国レベルでのワークショップが開催されています。

新しいコンサルタント来る

ICNは、規制・免許・教育に関する新しいコンサルタントとして、カナダ人のJean Barry氏を採用しました。Barry氏は、カナダで看護における規制や教育に関する仕事に国および州レベルにおいて20年以上関わってこられました。特に過去3年間にわたって、カナダ看護師協会の規定政策部長を努められました。これまでの豊かな経験を活かして、Barry氏のICNにおける活躍が期待されます。

マルタ大会に向けて

来年5月には、マルタにおいてICN学術集会が開催されます。学術集会におけるアブストラクトの締め切りは9月15日でした。この大会に関する世界の看護師の方々の関心がとても高く、予想を上回る応募件数だったとのことです。日本からもたくさんの方々が応募してくださったと思いますが、採用通知は年明けになります。皆様とマルタでお会いできることを楽しみにしています。

台湾看護師協会主催看護研究学会に招聘されました

9月3、4日は台中にある中国医薬大学において第26回看護研究学会が開催され、ICN理事として、基調講演の演者として招待されました。台北から台中まで、日本の新幹線のような電車で45分足らずで到着しました。学会では中国本土の看護師の方々を招待しており、2つの国の草の根交流を感じました。ICN理事として初めての90分にわたる英語での講演ということで、さすがに緊張しました。台湾で看護大学の教員として働くには英語は必須条件と伺い、台湾の看護師パワーを見せられました。

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2010年

9月号

ICN理事/東京有明医療大学看護学部看護学科学科長・教授  金井 Pak 雅子

ICN理事会に初めて出席して

2010年5月、ICNの理事として初めての理事会に出席した。2週間にわたるジュネーブ滞在は、毎日雨模様でかなり寒い日々であったが、会議は大変活気に満ちていた。2週間の滞在スケジュールは、毎日会議の連続で帰国日の昼まで予定がぎっしり入っていた。ある日の理事会午後のティーブレイクでは、ICNのコンサルタントとして長年尽力されたミレイユ・キンマ氏の引退セレモニーが開かれた。キンマ氏は、お子さんが5歳の時にICNに就職され、今はお孫さんが5歳になったと話されたのが印象的であった。キンマ氏は、来年マルタで開催されるICN大会のサイエンティフィックプログラムのサポートとしての仕事をされる。ICNのことは誰よりも詳しいキンマ氏が去ることは大変痛手ではあるが、キンマ氏の後任としてエリザベス・アダムス氏が就任され、新たなスタートを切ることになった。

今回の理事会のもう一つのイベントは、フローレンス・ナイチンゲール基金(FNIF)75周年のバラの花の植樹であった。天候が心配されたにもかかわらず5月12日は晴天に恵まれた。ジュネーブの国際赤十字博物館の庭にICN会長と博物館の館長の手により植えられた。ジュネーブに行く機会があったら、ぜひ立ち寄って見てきていただきたい。このバラは日本看護協会も昨年13本購入されたそうである。そのうちの2本は皇居に献上され、2009年9月には天皇皇后両陛下により皇居のお庭に植えられ、残りの11本は清瀬のお庭に植えられている。

理事会でいちばん印象的だったのは、日本看護協会からの「日本語をICNの公用語へ」との要望案であった。ICNの加盟国の中でも日本は会員人数が最も多く、そのため会費の総額も他国とは比較にならないくらい納めている。そして大会時には日本からの出席者も多く、メイン会場では日本語の通訳も日本看護協会の費用で導入している。理事会で結論は出なかったが、議論の中である理事から「ICNの公用語を増加するというより、現在の3カ国語(英語、スペイン語、フランス語)から英語のみにしてはどうか」という提案があった。その理由は、経費の問題である。費用対効果の観点から希少な財源をどのように配分するかが、今後の論点となる。

2週間のジュネーブ滞在期間中、さまざまな会議が盛り込まれていた。なかでもWHO、ICM、ICNの合同会議では、最終的には共同声明がまとめられた。その内容は、経済危機による健康へのインパクト、慢性疾患の拡大、ヘルスケアシステムの強化の3点に集約された。ヘルスケアに関わる専門職団体がこのようにジュネーブに集まり合同会議を開催することで、世界の人々の健康の保持増進を担うため、それぞれの団体の活動の重要性が再認識された。

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