国際情報

ICMの動き

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日本看護協会出版会『看護』より、「ICMの動き」を定期的に転載しています。

2014年

【12月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

世界に助産情勢の根拠を示す「SoWMy2014」

2014年、春と初夏の活発な活動(プラハで開催された「第30回ICM3年毎大会」とヨハネスブルクで開催された「2014Partners’Forum」)以降は、比較的静かな夏でしたが、秋に入り、再び非常に忙しくなってきました。

ICMは母子の健康を改善するための世界規模の取り組みにかかわっていますが、それだけではなく、そうした取り組みを国レベルおよび地域レベルに広げることにも果敢に取り組んでいます。そうした重要な取り組みの1 つが「The State ofthe World’s Midwifery 2014」(2014年版世界助産白書)(以下:SoWMy2014)で、UNFPA(国連人口基金)とWHO(世界保健機関)との共同で出版し、プラハで発表しました。

SoWMy2014は、73の低所得国において効果的で質の高い助産サービスを提供するために、現在の進展状況と将来の問題について、最新のエビデンスデータと分析を示しています。世界における妊産婦・新生児・幼児の死亡の92%以上は、実にこの73カ国に占められているのです。SoWMy2014は、地域と政府が、母子の健康課題におけるギャップを縮める支援を行うための擁護ツールです。

最近、私はジンバブエで開催された、東部・中部・南部アフリカ看護大学連盟の「第5回4年毎総会」と「第11 回科学会議」に出席しました。その折に、SoWMy2014 を有効に活用することがで きました。

会議後に、私はジンバブエの副大統領であるジョイス・ムジュル氏に表敬の電話を入れました。そして、ICMのビジョンや使命、そして特にジンバブエと関連する部分のSoWMy2014について、それが母子の健康を改善するために示唆することを伝えました。さらに、政府、特に保健大臣とSoWMy2014との架け橋になってほしいということ、そしてジンバブエ助産師協会を設立する支援をしてほしいということも話しました。

彼女は、私の電話を非常に喜んでくれて「行動を起こすためにSoWMy2014のことを政府の関係部署に必ず伝える」と約束してくれました。

FGMとCEFMの停止を訴える「Girl Summit 2014」

英国とユニセフが共催した「Girl Summit 2014」も私が出席した重要なイベントでした。

この会議は、女性器切除(FGM)や小さい子どもの強制的結婚(CEFM)を止めさせるために、英国内および国際的努力を活発化させることを目的に開催されたものです。

FGMとCEFMの停止を世界規模で訴える活動のため、地域のリーダー・政府・国際機関・民間部門が一堂に会したとても啓発的なイベントでした。私はICM世界親善大使であるToyin Saraki氏と共に、FGMとCEFMを停止させることを誓う文書に署名しました。

国連総会に出席

9月最後の週、私は国際連合総会に出席し、母子の健康について話し合うための数多くのイベントに出席しました。

例えば「女性と子どもの健康のための世界戦略の進展を祝い、それをさらに進めていくことを再確認するレセプション」「女性指導者フォーラム」「2014年以降の母子の健康への取り組みを議論するアフリカ諸国のファーストレディによる会議」などです。

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【11月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

「世界母乳育児週間」について

今年の世界母乳育児週間は、ミレニアム開発目標(MDGs)と母乳育児の関係性に焦点を当て、8月1〜7日で行われました。

世界175カ国以上の母乳育児支持団体が、テーマである「母乳育児:命の勝利のゴール」を祝い、ミレニアム開発目標(特に項目4と5)の達成のために、より早い時期に始める継続した完全母乳育児が必要であることを強調します。世界母乳育児行動連盟(WABA)はプレスリリースの中で、「母乳育児がすべての人たちに守られ、促進され、支持される必要がある」と述べました。

ICMは会員協会を通して「母乳育児は、乳児が健全に成長し、発育するための理想的な栄養を与える方法として他に類を見ないものである。また、生殖(リプロダクティブ)のプロセスにおいて欠くことのできない部分でもあり、母親の健康にとって重要な意味を伴っている」と、所信声明をして、母乳育児を促進しています。

また、ICMは女性と新生児へのケアの提供に関するすべての文書の中で、母乳育児を保護・支援・促進する助産師の役割に関連する要素が確実に含まれるようにしています。ICM3年毎大会ではHIV/AIDSに関連する状況などを盛り込んだ、母乳育児に関する発表も行われます。

ICMは102カ国116会員協会に、「母乳育児を促進・支援するために、国内および海外の団体と協働すること」「母乳育児を促進する法制化を率先して政府に求めること」などを呼びかけています。世界母乳育児週 間は、母乳育児の重要性について世界中で話し合うときです。(ICMウェブサイト8月1日付)

「新しいTwinningワークショップ」について

新しいTwinningプロジェクトのためのワークショップがアフリカのザンビアで開催されました。参加したのは、ザンビア助産師協会・アメリカ助産師協会・ジンバブエ助産師連盟・ボツワナの助産師たちでした。

Twinningとは「2つの助産師協会の間で、相方向の有益なやりとりを行うこと」と定義され、2つの組織間でのフォーマルで実質的な連携をいいます。その全般的な目的は「アイデアやスキルを共有し、情報交換や技術の伝達を通して互いに学び合うことを促進すること」です。Twinningの取り組みによって、同業者の支援やメンタリングの機会が提供されます。このワークショップが、相互に有益な関係を始めるためのよい基礎を提供することは重要です。

まず、お互いに顔を合わせ、Twinningプロジェクトの名称を決め、Twinningプロジェクトに対する「恐れ」と「期待」について共有しました。「恐れ」として挙がったのは、相手の協会に失望すること、文化の違いによる誤解、技術的な困難に関するコミュニケーション上の課題でした。「期待」として挙がったのは、相手の協会から上手に学んで自協会を強化することでした。

次に、お互いが相手について感じたことを声に出して伝える時間をとり、ザンビア人は「アメリカ人がフォーマルな会議に野球帽にショートパンツで来たので驚いた」、アメリカ人は「ザンビア人の居場所を知るのが難しく、仕事の分担が明確でなかったので、ザンビア人の仕事の仕方を理解するのに苦労した」、ボツワナ人は「ジンバブエ人は型破りに問題を起こすが、粘り強く解決に当たる」、ジンバブエ人は「ボツワナ人の自己表現の仕方がユニークだ」と述べました。

その後、参加者は自協会の紹介を行いました。設立から60年経つ協会もあれば、最近、設立されたばかりの協会もありました。現在に至るまでに各協会が直面してきた困難な経験から、多くのことを学ぶことができたことでしょう。(ICMウェブサイト8月5日付)

  • 項目4:乳幼児死亡率の削減/項目5:妊産婦の健康の改善

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【9月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

大成功した「第30回ICM3年毎大会」

この2、3カ月は本当に慌ただしいものでしたが、これからもずっと記憶に留めておきたい素敵な思い出を残してくれました。チェコ共和国・プラハにおける「第30回ICM3年毎大会」は、圧倒的な成功でした。興味深いワークショップや、示唆に富む全体会議とシンポジウム、素晴らしい対話と笑いに満ちた驚くべき5日間でした。旧交を温め、新たな友情が生まれました。この友情と、チェコ共和国でのこの素晴らしき大会における集合的な体験が、世界中の助産師をより強くしてくれるでしょう。

この大会には126カ国から3800人以上が参加して、助産という仕事と、質の高い女性中心の助産ケアを確実なものとするために必要なステップを論じました。日本からも多くの助産師が参加されたことをうれしく思います。

この大会のハイライトは数多くありましたが、その1つは、ICM・UNFPA(国連人口基金)・WHOによる「The State of the World’s Midwifery 2014」(世界助産白書2014)の発表でした。

これは、世界の妊産婦・新生児・小児の死亡の92%が発生している73カ国において、効果的で質の高い助産サービスを実施するために、現在の進展状況と将来の課題に関する最新のエビデンスと分析を提供するものです。

この報告書は、地域や政府が進歩に基づいて基盤を築き、未完のポスト2015年MDGs までの溝を埋めるのに役立つ情報・擁護ツールとして使うことが可能です。UNFPAの専務理事・Babatunde Osotimehin 博士は「助産師は、母親と新生児の健康、そして地域全体の健康と幸福に大きく貢献している。質の高い医療へのアクセスは基本的人権。助産に対してさらに投資することは、世界中の女性がこの権利を実現する鍵となる」と述べました。

2014 Partners' Forum に出席

私は、ICMの事務局長・Frances Gangesと共 に、ヨハネスブルクで開催された「The Partnership for Maternal, Newborn & Child Health(PMNCH) 2014 Partners’Forum」(妊婦・新生児・子どもの保健のためのパートナーシップ2014パートナー・フォーラム)に出席しました。

世界中から800人以上の医療専門職・政策立案者・ビジネス界のリーダー・擁護者・青年リーダーがこのフォーラムに参加し、進歩を確認して、成功のための要素を同定し、女性・新生児・小児・青年が生き延び、成功に向かって成長できるよう支援するための行動を断固として実行することに同意しました。このフォーラム期間中に「The Every Newborn Action Plan」(すべての新生児のための行動計画)と「The Countdown to 2015:2014 Report」(2015年への秒読み:2014年報告書)を含む4つの記念すべき報告書が発表されました。

「Every Mother, Every Newborn: Ensuring Quality of Care at Birth」(すべての母親と新生児:質の高い出産時ケアの保証)と題されたセッションで、私は「すべての新生児のための行動計画」の一環として、妊産婦と新生児の生存に取り組むICMの役割について述べました。その役割には、実践と規制のための資源・枠組み・標準を開発し、構築することが含まれています。助産師は女性と新生児に必要なケアの87%を実施する能力を持っています。そして、私たちは、尊敬できる質の高いケアを世界中の女性たちに提供するために努力し続けなければなりません。

  • p.28-29「TOPICS」も併せてご覧ください。

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【8月号】

健康政策部助産師課

チェコ・プラハにて「2014年ICM 国際評議会・助産学術集会」

3年ごとに開催される「ICM 国際評議会」が、2014年5月27〜30日、チェコ共和国プラハで開催された。本評議会には、70カ国83加盟団体から168人の評議員が出席し、歴代最多の出席者数となった。
また、6月1〜5 日の「助産学術集会」では、200人以上の日本人が参加し、口演9題・ポスター73題の発表がなされた。

日本からはICMに加盟している本会と日本助産師会・日本助産学会から2人ずつ、計6人の評議員が出席した。本会からは福井トシ子常任理事と佐山静江助産師職能副委員長が出席した。
本評議会では、フランシス・デイ- スターク会長が、2011年に南アフリカ共和国ダーバンで開催されたICM国際評議会において決定した「5つの戦略計画」に基づいてICMの活動報告を行った。

ミレニアム開発目標(MDGs)の項目4「幼児死亡率の削減」と5「妊産婦の健康の改善」の達成について、目標達成年の2015年までには達成が困難であり、今後も助産師のさらなる活躍が期待されていると述べた。目標達成に向けて、ICMが掲げる助産師の「教育」「規制」「加盟団体」の3本柱についてさらなる強化が必要であるとした。特に、前大会から今大会までの3年間、国連人口基金(UNFPA)との関係構築や、国際産科婦人科連合(FIGO)および国際小児科学会(IPA)との戦略的提携を結ぶなど、他団体との連携を強化してきた。なかでも、母子の健康に関する議論には必ず助産師が必要であり、助産師を論議の場に出席させるよう働きかけてきたことについて報告があった。

また、既存の基本文書や所信声明の見直しと修正に加え、新たに世界の周産期事情を鑑みた助産師の責務や役割に関する所信表明が協議された。
さらに、世界の周産期と母子保健事情を見つめると、現在ある5つの戦略計画は妥当であるとしながらも、今はさらにICM本部と会員協会とのギャップを埋め、会員協会によるさらなる協力が得られるよう、5つの戦略計画を見直し、新たな戦略計画を作成する必要があるとした。これらを踏まえて、次の3カ年戦略計画について会員協会の評議員たちによるグループワークが行われた。グループワークから抽出された事項はICM本部がまとめ、今後発表される予定である。

次回の2017年ICM国際評議会およびICM3年毎大会はカナダ・トロントで、2020年ICM国際評議会およびICM3年毎大会はインドネシア・バリにて開催予定である。

2015年「第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会」が日本で開催決定

本評議会の2日目には地域会議が開催された。そこで、アジア太平洋地域の評議員に向けて、日本助産学会の前理事長・江藤宏美氏による、2015年の「第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会」日本(横浜)開催のプレゼンテーションが行われ、満場一致で日本開催が決定した。アジア太平洋地域の評議員からは「開催に向けた協力を惜しまない」といった応援の声が聞かれ、日本開催への大きな期待が寄せられた。

日時:2015年7月20日(月曜日)〜22日(水曜日)
場所:パシフィコ横浜
抄録募集:2014年7月14日(月曜日)〜12月24日(水曜日)

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【6月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

第30回ICM3年毎大会(チェコ・プラハ)が近づいています。現在、この大会の準備は最終段階に入っています。ICM は、世界中の母体と新生児の健康を改善するために助産師と助産の強化を継続し、成長し、迅速な発達を遂げています。ICMが支援したり、パートナーの方々と密接に協働したりしている多くの計画が、国際的規模で展開されています。これらの計画が、2015年の発展課題に貢献することを期待しています。では、3月の重要なイベントをいくつかご紹介しましょう。

各国で開催された助産関連のイベント

私は、ICMメンバーシップ担当者とともに、Women and Health Alliance International(WAHA)の招待を受けて慈善イベント「Les Renaissances」に参加しました。WAHAと日本助産師会を支援する在仏日本大使館などがパリで企画したものです。そこで、東北大学で助産学を教える佐藤喜根子先生にお会いしました。彼女は2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県における妊婦と助産師の状態に関して調査し、その結果を基に素晴らしい発表をされました。また、彼女は、ICMに手作りの人形をプレゼントしてくださいました。それは、新米ママたちに母乳授乳を教えるために使われる人形でした。
そして、その日に催された美しい現代的な舞踊パフォーマンスと生け花の展示は、夕べのハイライトとなりました。

中国における助産活動発展に貢献するために、ICMは河北省の石シージャーヂュアン家庄市でギャップ分析ワークショップを開催するよう要請されました。残念ながら、私はビザの取得が間に合わず出席できなかったのですが、ICMの理事の1人であるSue Breeが素晴らしいプレゼンテーションをしました。

そのワークショップの主目標は、「教育」「規制」「協会」という3つの柱に焦点を当てて、中国における助産活動の状態について学ぶこと、十分な資源と規制を有する助産師が妊婦と新生児の死亡減少にどれほどの影響を与えることができるかについて論じること、そして中国の助産の発展に貢献することでした。また、助産師が自立した特徴を持つ専門職であることをいかに認識させるかという重要な課題についても議論しました。現在の中国では、助産師は公式に認識された専門職ではないのです。この種のワークショップは中国で初めての開催でしたが、同国の政治家や関係者に対して、助産の重要性について十分な理解を提供することができました。

サウジアラビアのリヤドで行われた「第2回中東・北アフリカ(MENA)助産師会議」にも出席しました。助産教育プログラムの質を高めるために必要な問題と方法を同定することが目標でした。私は、助産師と助産を強化するためのICMの仕事における連帯に焦点を当てた基調講演を行いました。

他にも2つのテーマで発表し、MENA地域における助産師の専門職としてのアイデンティティと有能な助産学教育者の必要性を説きました。そうした教育者は、有能な助産師を確保するために不可欠な資源です。そのため、「教育を受け、規制のある環境で、助産の全範囲で実践を提供できる専門職としての助産師」という概念を大切にする国々を支援することは、とても重要なことなのです。

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【5月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

今回は、ICMニュースレター3月号より「国際助産師の日」と、ICMウェブサイトのニュース(2014年2月28日付)から、ICMの動きを紹介しましょう。

「2014年国際助産師の日」のテーマ

 「2014年国際助産師の日」のメインテーマは、2009年から継続されている「いまだかつてなかったほど、世界は助産師を必要としている」です。サブテーマは「助産師は世界を変える〜ひと家族ずつ〜」で、趣旨は、世界はたくさんの家族から構成されているので、助産師の仕事は世界を変えるほどのインパクトがあるというものです。「助産師が母子のいのちを救うことによって、家族・地域・世界を変えるケアを提供する」という力強いメッセージを伝えます。また、このサブテーマは2009年からのメインテーマと共鳴するものです。

両テーマは、世界レベルでも地域レベルでも、助産師とその働きの重要性を強調しており、適切な教育を受けた質の高い助産師が、ミレニアム開発目標「4. 乳幼児死亡率の削減」と「5. 妊産婦の健康の改善」の達成に必須であるという事実を裏づけています。また、2015年というミレニアム開発目標の達成期限が近づき、「助産師がいのちを救う」というメッセージが、ますます重要性を持ってきています。

日本は、2015年7月に予定されている「第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会」の開催国として、2013年から招致活動を行ってまいりました。5月末の第30回ICM3年毎大会(チェコ・プラハ)で立候補し、開催を決定していきたいと思います。今大会には日本からも多数の助産師が参加します。「助産師は世界を変える」というメッセージを受け止め、この学術集会で具体的な行動につながるようにしていきます。

妊産婦のヘルスケアに関する国際指標を議論

ICMウェブサイトにおいては、WHO会議で妊産婦のヘルスケアに関する国際指標について話し合われたことが紹介されています。本会議には、世界中から研究者・団体・ヘルスケアワーカー・臨床医が出席しました。本会議の主な目標は、新しい健康指標について話し合い、妊産婦の健康指標を現在の17から5に減らすことでした。ICM理事会メンバーのインゲラ・ヴィクルンド氏は、自分のワーキンググループの中で「助産師がいる場合にのみ、それらの指標が有益である」と指摘しました。この話し合いの後、(1)助産のコンピテンシーのある医療専門職がいる/(2)入院時は生きていた赤ちゃんの死産の比率/(3)マグネシウムの投与/(4)出産後のオキシトシンの使用/(5)パルトグラムの使用に関する主要な指標が合意されました。

分娩後24〜48時間の出産後健診をする女性の比率や、避妊の情報を提供される女性の比率など、追加の補助指標についても話し合われました。また、妊産婦や新生児死亡に関する報告と同様、水道設備・石鹸のインフラなど、一般的な指標についても話し合われました。別のサブグループでは、新生児の健康に関する指標について話し合われました。

これらの指標に関する詳細な説明が待たれますが、「助産師のいる場合にのみ、有益である」ということは、特筆すべきことだと思います。

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【3月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

2014年が幕開けしてすでに2カ月が経ちましたが、今年最初のこのコラムで、ICMを代表して新年のお慶びを申し上げたいと思います。今年も、世界の母子の生活と健康を改善するために、皆さまとともに尽力できることを楽しみにしています。

人材確保、ケアの質向上などに向けた講演・会議

2013年11月、私は、世界保健人材同盟(Global Health Workforce Alliance:GHWA)の理事の1人として、ブラジルのレシフェで開催された「第3回保健人材グローバルフォーラム」に、ICMのデボラ・ルイス副会長とともに出席しました。

このフォーラムは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage:UHC)を進展させ、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を促すために、保健人材の確保に向けた政治的コミットメントを増幅させることを目的としたものです。

ICMは、国際看護師協会(ICN)とともに、世界の保健人材を育て、擁護し、世界の人々およびコミュニティの保健と福祉を促進させるためのコミットメントに署名しました。UHCの実現には、有能で意欲ある助産師や看護師を量的に確保すると同時に、均衡のとれた分布を促すことが必要で、それを保証するために、私たちは、助産師や看護師への投資拡大が不可欠だと考えています。

同じく2013年11月に、私は「the 3rd National 2nd International Midwifery Congress」で講演するためにトルコを訪問しました。この大会のトピックスには、「助産師サービスの刷新」「女性中心の助産師ケア」「根拠に基づいた助産実践」「妊産婦と新生児へのケア介入」などが含まれていました。私は、大会初日の午前に講演しました。トピックスは、エキスパートの講演者によって作成された科学的な内容に沿ったコースや最新のアプローチなどが盛り込まれ、豊かなものになりました。

私の他にもICMのマリア・パパドポウラス理事(南ヨーロッパ)とメアリー・ヒギンズ理事(中央ヨーロッパ)がこの大会に出席しました。大会終了後、私たちは地元の病院を訪問し、意欲がとても高いトルコの助産師たちに出会うことができました。

12月にはオランダのハーグで「Expert Review Group Meeting」が開催され、私は議長を務めました。この会議に出席したのは、助産分野で著名な専門家たちでした。出席者たちは、生殖・母性・新生児・児童保健の分野におけるサービス(RMNCH)のための新たな枠組みを開発する次のステップについて、意見を求められました。

この会議でまとめられた文書は、政策立案者・政府の指導者・その他のステークホルダー(利害関係者)に、既存のRMNCHを分析するためのエビデンスに基づいたツールと、RMNCHに欠けているものに対応する計画・行動を提供することになるでしょう。妊産婦と新生児に対する保健サービスにおいて最適な質のケアを保証し、そこでの助産師の役割を保証するためには、長期的視野が必要です。

この枠組みづくりは、今後数カ月にわたって継続して行い、日本の多くの皆さまも出席される第30回ICM3年毎大会(2014年6月プラハにて開催)でお知らせしたいと思っています。それでは、同大会に、日本の皆さまをお迎えすることも心から楽しみにしています。

  • UHC:予防・治療・リハビリなどで必要な保健医療サービスをすべての人々が享受できる状態(WHO の定義)

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【2月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

ICM ウェブサイトの最新ニュースから
  • リーダーシップ強化のためのワークショップ(2013年11月4日付)
    ICM は「加盟団体能力評価ツール」( 以下:MACAT)の結果に基づき、助産師協会を強化する方法として、ツイニング(Twinning)・リーダーシップ・メンタリングをどのように用いるかについてワークショップを開催しました。これは、ガーナの「助産師への投資プログラム(Investing inMidwives Programme)」によって企画されたものです。12カ国36人(ガーナ・ブルキナファソ・ブルンジ・ジブチ・パキスタン・ナイジェリア・ザンビア・ネパール・エチオピア・リベリア・シエラレオネ・米国の助産師協会)が参加し、リーダーシップについてのセッションを楽しみました。MACATを用いた実施プロセス、その結果の解釈の仕方、それらの結果を各協会のリーダーシップ強化にどのように用いるかについて学んだということです。
    また、ツイニングのパートナーを選ぶためにMACAT の結果を用いるプロセスや、各加盟団体の指導・育成方法を、協会対協会・個人対個人の指導・育成にどう用いるかについても学んだとニュースは伝えています。参加者たちは「ワークショップで得た情報は、所属団体の活動の助けになる内容である」と感想を述べています。
    MACAT については、2012年5月号の本連載(85ページ)でも紹介していますので、参照してください。ツイニングについても2011年10月号(91ページ)で紹介しました。日本では、ベトナムと日本助産師会がツイニングを行っています。
  • フランスの助産師、ストライキを行う(2013年11月8日付)
    フランスの助産師たちがストライキを開始して2週間経過しました。同国内の産科の70%がストライキを行い、地域の助産師の参加が増えています。フランスの助産師団体Société Francaise deMaieutique は、プレスリリースで「助産師は、分娩のことだけではなく、妊娠中の医療相談、母子帰宅時のアフターケア、産後相談、婦人科ケア、避妊、病気の予防と検査に関することも行います」と述べました。フランスの助産師たちは、第一線のプラクティショナー(専門家)として認められること、すべての女性(妊娠している・していないにかかわらず)のヘルスケア計画に直接的かつ目に見える方法で組み入れられること、病院で他の医療専門職と同じ地位を持つことを求めています。彼らは現在のような“病院の公務員”としてではなく、“病院のプラクティショナー”として認められることを望んでいます。
    助産師たちは、すでに持っている責任に見合った自主と評価を望んでいます。「フランス保健省は、助産師なしで、どのように女性の健康を考えるのか。 助産師たちが“見えないまま”であれば、存在しないのと同様である」と、助産師たちは問いかけています。2013年11月7 日、助産師たちは産科ユニットにも手術室にもいませんでした。(ストライキのために)街路にいたのです!

日本の助産師にも共通の課題があるのでは?
日々の助産ケアのあり方を振り返ってみたいものです。

  • ツイニング(twinning):課題の多い国と先進国が連携して課題の多い国の課題解決を支援すること