国際情報

ICMの動き

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2013年

【12月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

必須介入プロジェクトの紹介

国際的な医療専門職組織の代表で構成されるPMNCH*1・FIGO*2・ICM・IPA*3の理事たちは、出産と出生後の産児ケアに関する17の必須介入(17Essential Interventions)を実施するために、2つの国(インドネシアとウガンダ)において、いくつかの医療組織を選択して、その能力を強化する方法を模索するプロジェクトを開始しました。PMNCH によって財政的に支援されるこのプロジェクトでめざすのは、(優先国において)妊産婦・新生児・子どもの健康を守るために必須の介入を実施する範囲を広げ、その実施を強化すること、そして、医療専門職や地域の医療従事者が、必須介入事項の優先順位を決め、パッケージにして、そうした介入を促進していけるようにすることです。

これに関して、9月にインドネシアとウガンダでワークショップを開催し、ICM アジア太平洋地域理事メンバーであるSue Bree と私が、それぞれのワークショップに参加しました。

9月10日にインドネシアで開催されたワークショップの目的は、主として、共同プロジェクトを開始し、その計画を促進する方法について合意することでした。FIGO・ICM・IPA の代表たちが、この3つの組織の各国代表たちとともにワークショップに参加しました。これらの代表たちは、この国際的なプロジェクトを国レベルで実施するために協働していくことになっています。保健省・WHO・教育機関・民間の社会的組織など他の関係者もこのプロジェクトの推進計画に合意し、評価システムを構築するために参加しました。

このプロジェクトが他のプロジェクトと異なるのはその焦点が、ケアの質と国際的レベル・国レベル・病院レベルそれぞれにおける助産師・産科医・小児科医の協働に当てられていることです。

インドネシアにおけるこの3つの専門職組織は、このプロジェクトの結果、以前より密接に共同作業を始めています。これらの組織は、このプロジェクトを自分たちのものとして積極的に動き始めています。医療専門職が協働すればどれほどの仕事を達成することができるかを実際に示すために、このプロジェクトの残りの9カ月間を十分に活用して尽力していく決意を固めています。

ウガンダ訪問はごく短いものでした。しかし、その短い訪問の間に、首都カンパラの産科病棟と首都から4時間離れた地方病院の産科病棟を訪問しました。3つの専門職組織の代表・地元の関係者・保健省・WHO・複数の民間の社会的組織もこの訪問に参加しました。首都の病院も地方の病院も、スタッフは他の病棟の同僚をとても熱心に支援していました。人材・物品・物理的環境などの不足の度合いは異なっていますが、どちらの環境でも似た問題を抱えていました。この訪問を通じて、難しい環境下で働く助産師・産科医・小児科医のコミットメントと献身に深く感服しましたが、それと同時に、私たちの同僚が働く現場、そして女性が出産する現場の状況の厳しさについて、あらためて認識させられました。

  • *1  PMNCH:Partnership for Maternal, Newborn and Child Health(妊産婦・新生児・子どもの健康パートナーシップ)
  • *2  FIGO:International Federation of Gynecology and Obstetrics(国際産婦人科連合)
  • *3  IPA:International Pediatric Association(国際小児科学会)


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【11月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

リプロダクティブヘルス太平洋協会主催  第10回隔年学術集会

今号は、2013年夏号のICMニュースレターを紹介させていただきます。まず、2013年7月10〜12日にサモア諸島で開催された、リプロダクティブヘルス太平洋協会(PSRH)主催による第10回隔年学術集会について紹介しています。

PSRHでは、太平洋地域の助産師と産科医が協働して事業に取り組んでおり、学術集会のテーマは「女性の健康のための刷新的なアプローチ〜現在のイニシアチブは適切か」でした。この3日間の学術集会は大いに示唆を与える内容で、テーマを絞った太平洋地域の母子ケア専門職による発表や討議が行われました。母親・赤ちゃん・家族に対して質の高いケアを確保するために、太平洋地域で何が必要とされているのか、深く掘り下げて話し合われました。本学術集会では、ICMアジア太平洋地域代表スー・ブリー氏およびメアリー・カーク氏、ICMテクニカルアドバイザーのレイチェル・ロッキー氏が出席しました。

サモア諸島は2つの本島で構成される美しい国で、語り・歌・踊りの強い伝統があり、会議に力強さと活気を与えたと紹介されています。

本学術集会に先立ち、今年3月には、ICMやニュージーランド助産師協会等が共同企画した、助産師協会の発展・強化に関するワークショップが開催されました(本誌2013年8月号「ICMの動き」参照)。太平洋地域の10カ国の助産師が出席し、ワークショップは大成功を収めました。地域内の助産師が大勢集まって一致団結し、「太平洋助産師協会の創設」を必ず実現しようと、参加国間で誓い合ったことが紹介されています。

本学術集会では、パット・ブロディ教授(オーストラリア人助産師)が招かれ、ブライアン・スプレット教授(1980年代に活動したオーストラリア人産科医)について紹介がありました。ブロディ教授は、スプレット教授と共に働いていましたが、スプレット教授は残念なことに2000年に亡くなっています。しかし、同教授の太平洋地域への献身と遺産は、ブライアン・スプレット財団を通して受け継がれています。

ブロディ教授は、特に地方に暮らす女性・赤ちゃん・家族の健康や安全を確保するためのコミュニティー、ネットワーク、サポートの重要性について、感動的な講演を行いました。

半日は助産師の課題に焦点を絞り、太平洋地域の国々の間で意見を分かち合う有意義なフォーラムとなりました。助産業務に必須な能力、助産教育や助産規制のICM世界基準を紹介する機会もありました。また、さまざまな国の参加者が自国の伝統的な踊りや現代風の踊りを披露し、参加者は皆が大いに笑い楽しんだと紹介されています。

日本は、ICM加盟団体である本会・日本助産師会・日本助産学会の3団体で、2015年に開催する「第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会」の招致活動を行っています。サモア諸島で開催された学術集会のような報告ができることを願っています。

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【9月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

「世界助産師シンポジウム」と「出産する女性会議」

今年の春は、ICMにとって重要かつ啓発的な会議がいくつも開催されましたが、その中でも際立ったのが、クアラルンプールで行われた「第2回世界助産師シンポジウム」(Global Midwifery Symposium)と「出産する女性会議」(Women Deliver Conference)でした。

去る5月26日、私は「第2回世界助産師シンポジウム」の開会を次のように宣言しました。「本日、私たちは女性の命の質と生活を改善するために、そしてMDGs(国連ミレニアム開発目標)の項目4および5を達成するために、再びここに集い、そのために全力を尽くして取り組む思いを新たにしています」。世界各地からの参加者を温かく歓迎し、ICMが国連人口基金(UNFPA)・非営利組織Jhpiego・WHOなどの各機関と共催で、この会議を開催できた喜びを語りました。

シンポジウムでは、母体と新生児の健康について主要な問題が指摘されました。最新のエビデンスに基づいた主要な取り組みの結果も議論しました。助産サービスのアクセスのしやすさ・利用しやすさ・受け入れやすさ・質などについて取り組む革新的な手法(AAAQ)も紹介されました。2日間の集中的議論の後、私は閉会の辞を述べる栄誉をいただきました。UNFPAのオショティメイン事務局長の次の言葉を引用し、助産学を強化する必要性を主張しました。「助産師は赤ちゃんを取り上げます。でもそれだけではありません。命を救い、社会全体の健康を促進します。助産師は効果的なヘルスケアシステムにおいて不可欠な人材なのです」。ICMは他の30のパートナーとともに、女性と乳児・家族の健康を最大限に守るためにAAAQを使った共同宣言に署名しました。

次は、活気に満ちあふれた「出産する女性会議」です。女性のリプロダクティブ・ヘルスを守るために職能集団のリーダーが果たす役割を議論するランチセッションで、私は「職能集団は女性と家族の健康を擁護する上で重要な役割を担っている」と主張しました。ICM/WHO共同パネルディスカッション「助産師:励まし・尊敬・質」では、パネリストたちが助産師の命を救う仕事に対してより多くの支援が必要だと訴えました。助産師は非常に重要な仕事であるにもかかわらず、圧倒的に女性が多い職業であるため、性差別にいまだに苦しんでおり、社会や地域においてもその地位は低いのです。指導者集団を維持するためにメンターシップと“助産師による助産師のための支援的監督”のシステムが提案されました。

パネルディスカッション「助産師という職業」では、私はICMが主導する助産サービスの枠組み(Midwifery Services Framework)の開発について論じました。状況分析と労働力評価のためのさまざまな機能を持つ、この新しい枠組みは、教育・規制・連携によるケアモデルを示し、権能付与的環境の創出と女性と新生児が受けるケアの質保証を支えるものです。助産サービスは、ICM基本文書で示された大きな枠組みに支えられて初めて“多職種協働を確実にするための基盤”になり得るものと説明しました。

  • 項目4(乳幼児死亡率の削減)、項目5(妊産婦の健康の改善)

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【8月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

ICM ニュースレター春号の紹介
  • 太平洋諸島での強力な助産師協会設立に向けて

    3月、ニュージーランド・オークランドにて、太平洋諸島における助産をテーマに会議が開催されました。この会議はICM・ニュージーランド助産師協会(NZCOM)・オーストラリア助産師協会(ACM)の共同企画による主催です。

    この会議には、国連人口基金(UNFPA)、太平洋諸島やマオリ族の助産師グループを含む助産師協会のほかに、人口開発に関するニュージーランド国会パシフィックグループ/オークランド工科大学/オタゴ・ポリテクニック(専門学校)/シドニー工科大学WHO看護開発協力センター/UNICEF/ヘルス・ワークフォース・ニュージーランドなど、幅広い利害関係者が参集しました。ICMからは、ニュージーランドの助産師でアジア太平洋地域理事であるスー・ブリー氏とICMの本部(オランダ・ハーグ)からテクニカルアドバイザーの助産師レイチェル・ロッキー氏が出席しました。会議のテーマはフィジー・サモア・バヌアツ・ソロモン諸島・パプアニューギニアの国々など太平洋諸島における助産、その中でも特に助産教育でした。

    太平洋諸島は複数の島々から成るため、ヘルスケアの提供には地理的な課題が多くあります。キャシー・ガピロンゴ氏(ソロモン諸島助産師協会〈SIMS〉会長、リプロダクティブヘルス太平洋協会副会長)はソロモン諸島の概要を説明しました。ソロモン諸島では年に1万5000人の新生児が誕生し、首都のホニアラは全島のための第三次医療照会センターとなっており、移送は船またはチャーター機で行われます。ここ数年、同国の助産教育はいくつかの課題に直面しており、ガピロンゴ氏はそれを再び軌道に戻したいと決意しています。また、SIMS がICM 会員協会になることをめざして働きかけています。

    グループ活動やコンセンサスを通して、次のステップのための優先課題は、太平洋諸島に強力な助産師協会を設立し、ICM「助産師教育の世界基準」や「助産師のコア・コンピテンシー」を導入するなど、地域全体で助産教育の強化と標準化に重点的に取り組むことと意見が一致しました。日本の助産師も助産教育の世界基準を確認しておきたいものです。

  • 世界各地で行われた「国際助産師の日」イベント

    英国では、助産師が集い、募金集めのためにケーキを焼き、ケーキコンテストや販売を行いました。同国のクロウバラ分娩センターの助産師たちは、ICM のセーフマザーフッド基金のために自分の時間をささげ、募金集めを行いました。

    セーフマザーフッド基金への寄付金は、妊産婦死亡率・罹病率が高く資源の乏しい国々の助産師や助産師協会を支援し、セーフマザーフッドを促進するICM 活動やイベントに助産師が参加するために用いられます。日本看護協会でもセーフマザーフッド基金活動を行っていますので、ご協力をお願いいたします。

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【6月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

ICMプラハ大会開催準備など3つの話題

前回の報告から3カ月、この間もいろいろなことが起こりました。その中から3 つをご紹介。
まず3月に、ICM 幹部委員会がチェコのプラハで開催されました。プラハでは、次回のICM大会の組織委員会とチェコ助産師協会のスタッフとお会いし、大会会場を訪問することができました。幹部委員会は大変建設的で、同時に、私たちは2014年ICMプラハ大会の開催準備にかかわっている人々の熱意に大いに励まされ、来年の大会はきっと成功するだろうとの確信を得ました。

大会へ送られたアブストラクトは1300件以上。英国・豪州・米国・日本からの提出は過去最大で、それぞれ170〜190件に上っています。大会ウェブサイトへのアクセスも非常に活発で、特にアブストラクト提出期限(4月5日)前の24時間は2000回のアクセス。これはICM 大会ウェブアクセスの新記録となりました。この中には50カ国からの初アクセスが300件も含まれていました。私は日本からの参加団と多くの発表者に大会でお会いするのをとても楽しみにしています。

次に、ICMとFIGOの新たな取り組みについてお知らせします。それはレールダル社からの支援を得た新しいマスター訓練プログラムです。このプログラムは、実践者としての助産師のスキルを高めること、そして出産後の出血による失血死から母親を救うことをめざしています。強力な医療体制と十分なスキルを持つ医療者を創出する目的を追求するために、ICM・AAP・ACNM・FIGO・UNFPA による技術的な助言に基づいて、レールダル社と非営利組織Jhpiegoが、シミュレータベースの訓練パッケージを開発。このプログラムでは、出産後の出血で死亡しないように母親をどのように支援すればいいのか、また出産後に赤ちゃんの呼吸をどのように支援すればいいのかを助産師が学ぶのを支援するために、母親人形ママ・ナタリーと赤ちゃん人形ネオ・ナタリーというマネキンを使います。高度に利用者参加型でつくられているので、人形を適切に活用して効果的な学習体験を確実にするには、指導者が他者を訓練するための訓練を受ける必要があります。ICMは、この訓練を世界各地に浸透させられるように、その使い方の知識を獲得するために訓練者を訓練するマスタープログラムに参加します。

最後の話題です。私はICM理事であり、キプロス看護師・助産師協会助産師部門の会長でもあるMaria Papadopulous氏のご招待を受け、キプロスで開催された第10回ヨーロッパ地域看護師連盟大会で講演して、 大会に出席していた多くの看護師にICMの活動を知ってもらう好機となりました。ICMが助産師の声として、教育・規制・協会の基準設立に尽力し、助産活動を強化するために世界的規模で活動しているという私の話に熱心に耳を傾けてくれました。この講演にはもう1つおまけが。実は、この講演を準備しているとき、私は1つの嬉しい発見をしたのです。それは、ギリシャの著名な哲学者であるソクラテスの母親は助産師だった、ということです!

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【5月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

ICM MEMBERSHIP Renewal form 2013(国際助産師連盟会員調査)

国際助産師連盟(ICM)は、国際助産師連盟会員に対するサーベイを毎年行っています。3月に調査された項目の一部をご紹介しましょう。本会からの回答も、文字数の都合から一部のみですが掲載します。

まず、「基本的事項」として協会連絡先・協会役員名などのほか、本会組織について「助産師会員は日本看護協会の一部なのか否か」の質問があります。これは「本会内に助産チームがある」と回答しました。また、2013年1月1日現在の本会助産師会員数を「2万1568人」、2013年開催予定の本会会議・ワークショップ等については「6月6日の全国助産師交流集会、8月3日の産科看護管理者ワークショップ、9月26〜27日の日本看護学会〈母性看護〉、11月3日のいいお産の日シンポジウム」などを回答しました。

国内助産師の会員・非会員を含めた就業助産師数の質問に対しては「集計不可」と回答。理由は日本にはダイレクトエントリー助産師教育課程がなく、すべての助産師は看護師免許を取得しており、本会会員(助産師)の中に看護師として勤務している者もいると推定されるため、助産師としての就労者数を把握するのが難しいからです。

また、他の助産師職能団体の有無については「本会の他に日本助産師会と日本助産学会がある」と回答しました。その他、助産師教育についてなど、いくつかの質問事項とその回答については表をご覧ください。

本誌3月号で、ICM会長フランシス・デイ- スターク氏が2014年ICMプラハ大会参加への呼びかけを行っています。プラハで世界の助産師事情を知って、日本の助産師教育や助産師の業務内容について考えたいものですね。

【表】質問事項の一部と本会の回答
「基本的助産業務に必須な能力2010」関係
1.「基本的助産業務に必須な能力2010」を熟知しているか/2.国内の助産師は同能力の基準を満たしているか/3.日本の助産師教育は同能力に基づいているか 他
本会では1.と3.をYes、2.をNoと回答。日本の助産師には認められていない基準があったためで、「今後、基準を満たす計画があるか」についてはYesと回答した。
「助産師教育の世界基準2010」関係
4.助産教育機関数/5.助産師教育のダイレクトエントリー課程の有無/6.看護師教育後の助産師教育課程の有無/7.助産師教育は国や地方の政府によって認められているか/8.年間の助産師教育修了者の概数/9.助産師の取得学位の種類/10.規制・免許交付助産師の実践は誰によって保証されているか/11.ICM「助産師教育の世界基準2010」を熟知しているか/12.国内の助産師はその基準を満たしているか 他
本会では11.をYes、12.をNoと回答。「世界基準」では、看護の基礎教育修了者/医療従事者に関する教育課程の最短期間は18カ月間のため、「今後、満たす計画があるか」については、2年間の助産師教育修士課程(大学院での助産師教育)を本会は推進しているのでYes と回答。
その他
13.他国の助産師協会との定期的連絡、プロジェクトの協働/14.調査結果のICM ホームページへの掲載希望 他
13.については残念ながらNoと回答。本会の今後の課題である。14.はもちろんYesと回答した。

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【3月号】

ICM会長  フランシス・デイ-スターク Frances Day-Stirk

日本の助産師とJICAの協働、ICM大会でアピールを

私はICM会長として、女性の権利と周産期を通 じた継続的な助産師へのアクセスを保証するために、 できることは何でも追求していく決意をしています。 また、世界中のICM加盟組織が、各国および影響 を及ぼす地域において同じような努力を展開できる ように、あらゆる支援を継続していくつもりです。

2012年10月、私は世界産婦人科学会(ローマ)、 第13回母性・新生児・小児の健康のためのパート ナーシップ会議理事会(ナイジェリア)、第7回正 常陣痛・出産研究会議(チリ)に出席しました。11 月には中東・北アフリカ助産師会議発足会議(ドバ イ)、世界母乳サミット(スペイン)に出席しました。 12月にはWHOの低・中所得者への適切な助産活 動開発のための国際的コンサルテーション会議 (ジュネーブ)と、実践共同体の発足式(カメルーン) に出席しました。

2013年が既に幕を開け、第30回ICM3年毎大会 (プラハ)までわずか16カ月しかないというのは本 当に驚きです。日本の助産師の皆様には、この大会 にいつも非常に数多く出席していただいています。 次回も同じようなご出席を期待しています。科学委 員会と主催計画委員会は大会の準備のために忙しく 立ち働いています。ICM 理事会およびスタッフは、 助産師の皆様に大会出席の登録のお願いをするとともに、新たな参加者の出席を促すために努力してい ます。多くの助産師が、大会への抄録の提出や出席 のための計画を立て始めています。私たちは、ICM の素晴らしいパートナーである国連機関UNFPA とWHOや、ICM寄付者であるオランダやスウェー デンの開発機構など、この大会に参加することが利 点となる各関係機関にも参加を呼びかけています。

それぞれの政府には開発機構があります。日本の 場合、それはJICA(独立行政法人国際協力機構)で す。世界の保健発展に関するJICA の働きは非常に よく知られています。私は、ウズベキスタンやアフ リカ(セネガルとカメルーン)での活動やベトナム の助産師発展の支援等、その幅広い活動を直接拝見 しました。ICMアジア太平洋会議に出席された 方々には南野知惠子さんの存在と貢献は、記憶に新 しいと思います。日本の助産師の皆様方は、日本政 府とその開発支援および人道支援の歴史に誇りを感 じるべきです。

私はこれまでに、助産活動においてJICA ととも に働く多くの助産師や、看護師などにお会いしまし た。私は皆様が毎日の活動の中で世界の保健発展を どのように考えているか、一人ひとりに問いかけたい と思います。それは助産活動に関連しているからで す。私は日本の助産師の皆様が、世界のさまざまな 地域における、この非常に重要な擁護活動に、どの ように参加し関わるかを知りたいと思います。

ICM3年毎大会参加の最大の利点は世界中から 集まる多くの助産師間のネットワークづくり、情 報・知識の共有、そして連帯です。皆様方には、ぜ ひこの専門職としての助産師間の協働をどのように 拡大し、それをどのように日本に持ち帰り、JICA の活動やその他の世界的な政策のために、ご自身が どのような役割を担えるかを、ぜひ考えていただき たいと思います。

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【2月号】

日本看護協会常任理事  福井トシ子

「世界未熟児デー」(11月17日)キャンペーン

ICM会長フランシス・デイ=スターク氏は、「統 計はショッキングだ。早産が世界のBabyの死亡 原因として最も多い割合を占めている。早産児は 年間1,500万人と推計され、毎年100万人以上が 死亡している。世界のほぼ全ての国で早産の割合 が増加していることが明らかになっている」とし、 ICMは世界の助産師とともに、世界未熟児デー に、早産児の死亡数の増加に伴う解決をすること を強化するとしています。早産で死亡する未熟児 の「75%は最小限の技術的ケアで救命が可能であ る。熟練した専門職のケアがあればBaby(早産 児)は死なないで済む」と述べています。

さらに「助産師の仕事は、生死を分ける、必要 なケアを提供することである。そのケアとは、 Babyを暖かく清潔に保ち、母親の母乳育児をサ ポートし、誕生時に呼吸するのが困難なBaby(新 生児)に直ちに対応し、必要であれば緊急蘇生を 行うことである」「助産師は、母親に継続したケ アを行う。ステロイドの投与で40万人、カンガ ルーケアで45万人の未熟児の生命を救うことが できる。しかしながら両者とも、効果が証明され ているにもかかわらず、開発途上国では広く行われていない」と指摘しています。

こういった状況に対して、ICMは、「助産師が、 妊娠前・妊娠中・妊娠後のケアの質を改善するた めの主要な役割を持っている。これが、早産の割 合を減らす助けとなる。母子の生命を救う可能性 の最も高い必須の治療処置の78%以上が、地域・ 診療所・病院で働く助産師の権限内にある」 「ICMは、確実に助産師が早産などの課題に十分 に対応できるように、継続した助産師教育に専念 する」というメッセージを出しました。

「ICMは全ての機関とICMのパートナー団体 とともに、世界未熟児デーを支持する。私たちは 協働して早産を予防し、早産児のケアを改善する のを助けることができ、それが2025年までに早 産児死亡を半減する目標へさらに前進させること となる」と、デイ= スターク氏は述べています。

日本の2,500g 以下の低出生体重児は、9.8%で すが、この数は、年々増加しています。低出生体 重児の十全たるケアも重要ではありますが、低出 生体重児にならないように妊婦の支援をしていく ことはさらに重要なことです。関係者の協働に よって、助産師による妊娠期のケアを充実させた いものです。世界未熟児デーに対して、日本の助 産師界でも、今後はアクションを起こしていく必 要性を痛感しています。