生涯学習支援

特定行為研修の受講モデル 慢性疾患管理(症状緩和ケア)モデル

モデルの特徴

様々な医療の場において、疼痛、不安、認知症様の症状のコントロールなど、精神・神経症状緩和のための早期介入を行い、療養生活を支援することをねらいとしています。日常的に医療が必要な患者に対し、全身状態の管理等により、状態の悪化防止、異常の早期発見と対処を行い、安全で安心できる療養生活が継続できるように支援すること。さらに、在宅や療養病棟等では医師が不在の場合も想定されるため、医師の包括的指示の下、手順書により患者への早期対応が行えることを目指します。
症状緩和領域において安楽な療養を継続できるような項目として、「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」、「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」を必修科目としています。

必須で修得できる特定行為

  • 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
  • 脱水症状に対する輸液による補正
  • 抗けいれん剤の臨時の投与
  • 抗精神病薬の臨時の投与
  • 抗不安薬の臨時投与

教科目と時間数

共通科目
科目 総時間数 実時間数
375時間 285時間
臨床病態生理学 45 45
臨床推論 45 45
フィジカルアセスメント 45 45
臨床薬理学 45 45
疾病・臨床病態概論 60 60
医療安全学 30 15
特定行為実践 75 30
文献検索・文献検討 30 0
  • 認定看護師教育課程で履修した内容を免除した時間数
区分別科目
科目 時間数
必修科目
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 36
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 57

修了生の声

がん性疼痛看護認定看護師 羽鳥裕美子さん(平成28年度修了生) 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター

羽鳥裕美子さん

現在、緩和ケアチーム専従看護師とがん性疼痛看護認定看護師として活動しています。がん患者だけでなく慢性疾患患者にも関わっています。終末期患者に関わる機会が多く、苦痛症状の緩和が重要と感じており、身体面の苦痛緩和だけでなく、症状緩和のための水分や栄養の調整、不眠や不安、抑うつ、せん妄症状等に対して調整を行っています。特定行為研修にて専門的な知識を学び、実践的な理解力、思考力、判断力を高めることで、看護の部分だけでなく医学的な面からも苦痛症状,精神の不安定な状態に気付きアセスメントできるようになったこと、治療の根拠と方針が理解できるようになったと実感しています。タイムリーに医師や病棟スタッフと情報共有し、薬物療法と非薬物療法を組み合わせることで、患者のQOL向上がはかれると考えて日々行動しています。研修受講により、認定看護師としての専門性をさらに発揮し、チーム医療のキーパーソンとなり、スタッフの役割モデルになれるよう努力していきたいと考えています。

認知症看護認定看護師 島橋 誠さん(平成28年度修了生) 公益社団法人日本看護協会看護研修学校

島橋誠さん

私はこれまで認知症看護分野の認定看護師教育に携わってきました。全国の認知症看護認定看護師数は811名(2016年11月1日現在)に達し、現場での実践能力が高く評価され、その必要性が広く認知されるようになりました。認定看護師を対象とした「特定行為に係る看護師の研修制度に関する調査(2015年本会調査)では、認知症看護分野における特定行為実践として、「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」、「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」のニーズが高いことが確認され、同特定行為区分を含めた慢性疾患管理モデル(症状緩和ケア)が創設されました。認知症看護認定看護師が特定行為を活用することにより高齢者やその家族にどのような利益があるのかを見出したいと考え、2016年度に特定行為研修を受講しました。
今後は、研修で得た学びを教育プログラムに反映し、認知症看護認定看護師のみならず、高齢者にかかわる認定看護師の専門性を発揮できるよう努めていくことが、自身の使命であると考えています。

症例シミュレーション演習 集合写真