生涯学習支援

特定行為研修の受講モデル 救急・集中ケアモデル

モデルの特徴

救急・集中治療領域において、病態の緊急度ならびに重症度が高い患者に対して循環動態、呼吸動態、電解質の管理等の早期介入により重症化を予防することをねらいとしています。また、在宅や外来、療養病棟等で日常的に医療が必要な患者に対し、人工呼吸器をはじめとする医療機器装着中の患者の管理、全身状態の管理等により状態の悪化防止、異常の早期発見と対処を行い、安全で安心できる療養生活が継続できるように支援するために、手順書による医師の指示の下、検査、処置等を行うことを目指します。
救急・集中治療領域において最もニーズの高い「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」及び「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」と、その評価に関する「動脈血液ガス分析関連」、初療および集中治療の領域でも必要とされる「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」を必修科目としています。その他、「栄養に係るカテーテル管理(PICC管理)関連」、「循環動態に係る薬剤投与関連」は受講決定したものに限られます。

必須で修得できる特定行為

  • 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
  • 脱水症状に対する輸液による補正
  • 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
  • 侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
  • 人工呼吸器からの離脱
  • 直接動脈穿刺法による採血
  • 橈骨動脈ラインの確保

選択により修得できる特定行為

  • 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
  • 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
  • 持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
  • 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
  • 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
  • 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整

教科目と時間数

共通科目
科目 総時間数 実時間数
375時間 285時間
臨床病態生理学 45 45
臨床推論 45 45
フィジカルアセスメント 45 45
臨床薬理学 45 45
疾病・臨床病態概論 60 60
医療安全学 30 15
特定行為実践 75 30
文献検索・文献検討 30 0
  • 認定看護師教育課程で履修した内容を免除した時間数
区分別科目
科目 時間数
必修科目
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 36
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 22
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 36
動脈血液ガス分析関連 30
選択 受講決定したものに限定
栄養に係るカテーテル管理
(PICC管理)関連
21
循環動態に係る薬剤投与関連 60

修了生の声

集中ケア認定看護師 山本由美さん(平成28年度修了生) 公立昭和病院

山本由美さん

共通科目の臨床推論は、手順書に示す患者の病態範囲を判断する知識とアセスメント力・判断力が身に付き、医師の治療戦略への理解が深まり、治療と看護にどう活かすべきか学びました。専門科目では、動脈穿刺や人工呼吸管理応用など実践力を得たことで、特定行為を学ぶだけでなく患者に合った安全な実践を可能にしました。現在は、救命救急センター師長として週1〜2回の実践日を設け、日々の管理業務とICU・救急外来での特定行為との両立は可能です。実践した特定行為により患者状態が改善する姿を見た時、実績を積み上げ院内でこの制度の基盤を構築する意義と責務を感じました。今後は、仲間を増やすことと、患者への成果を明らかにすることが課題です。

救急看護認定看護師 赤松有紀子さん(平成28年度修了生) 大阪府済生会野江病院

赤松有紀子さん

高度、かつ専門的な知識や判断力、実践力を磨き、その成果を患者に還元したいと思い特定行為研修を受講しました。研修では、解剖学・生理学・薬理学に加え、臨床推論での医学的思考や多職種協働について学びを深めました。また、動脈血液ガス分析関連や呼吸器関連の特定区分ではシミュレーション機器を使用して、練習を重ねることで実践への不安も軽減することができました。実習は自施設にて指導医と手順書の内容を検討しながら症例を深めていくことで、研修終了後もスムーズに特定行為実践が行えています。今後も安全管理体制を確立しながら、患者にとって適切な時期に適切な処置が行えるよう、実践していきたいと思います。

人工呼吸器演習 動脈血液ガス演習