生涯学習支援

がん化学療法看護学科

がん化学療法看護学科
がん化学療法看護学科

がん化学療法(神戸)認定看護師教育課程とは

  • がん化学療法看護は、がん化学療法を受ける患者と家族を支え、安全を守っていくことを使命とします。がん化学療法看護は、がん化学療法が治療の選択肢となった時と、がん化学療法の治療期、その後の経過観察の時期の看護を専門としています。
  • がん化学療法看護は、①治療法が確立されておらず、治療法自体も難解であるために、患者・家族が理解することが難しく、インフォームド・コンセントにおいて専門的知識を持った看護婦の役割が大きい、②副作用によって致命的な状態となる場合もあり、副作用対策およびその対応について看護が介入していかなければならない、③毒性の強い薬物を取り扱うため、その取り扱いが難しく、看護婦自身の被曝の恐れもあるため、薬物に関する専門的な知識、技術が必要であるという理由で、認定看護師分野に特定されました。

学科の特徴

  • がん化学療法看護認定看護師教育課程の教育目的は、「がん化学療法看護に対する質の向上を図るため、適切なアセスメントならびに薬剤の使用を行うと共に、全人的なケアを実践し、その実践力を基盤としてスタッフナースの相談を受けたり、指導を行う能力を育成する」ことです。
  • がん化学療法看護認定看護師は、集学的治療や臨床試験を受ける患者に関わり、治療の意思決定やがん化学療法の投与管理、個別的な症状マネジメント、患者教育などの役割があります。そのため、当課程のカリキュラムでは、がん化学療法を受ける治療期の患者に対する看護に焦点を当てて、がん化学療法看護をする上で必要な腫瘍学、特に腫瘍内科学、腫瘍学看護を学ぶことができるように構築されています。
  • 研修をつうじてがん患者の病状を理解するだけでなく、患者が受ける治療や心理的な側面を理解して看護ケアを提供できるように、思考や実践の訓練をしていきます。がん化学療法看護認定看護師が目指す看護ケアをできるようになるにはどうしたらよいか、研修生と教員が一緒になって取り組んでいきます。

カリキュラム概要

共通科目150時間専門基礎科目60時間
看護管理 15 がん看護学総論 15
リーダーシップ 15 ヘルスアセスメント 15
文献検索・文献講読 15 腫瘍学概論 15
情報管理 15 がんの医療サービスと社会的資源 15
看護倫理 15    
指導 15    
相談 15    
臨床薬理学 15    
医療安全管理 15    
対人関係 15  

 

専門科目195時間演習60時間実習180時間
がん化学療法概論 15 総合演習 60 臨地実習 180
がん化学療法薬の知識 15        
主な疾患のがん化学療法 30        
がん化学療法を受ける患者・家族のアセスメント 15        
がん化学療法レジメンの特徴と看護 15        
薬剤の投与管理とリスクマネジメント 30        
がん化学療法に伴う症状の緩和技術とセルフケア支援 45        
がん化学療法に伴う患者・家族の意思決定を支える看護援助 15        

外来/在宅がん化療法と看護援助

15        

総時間数 645時間

科目の説明と概要

  • 共通科目:
    認定看護師教育課程のどの分野も共通で行う科目です。 認定看護師として求められる役割を発揮するために必要なスキルや知識の基礎を学びます。
  • 専門基礎科目:
    がん化学療法看護を行う上で必要な腫瘍学や臨床薬理などの基礎となる知識を学ぶ科目です。これらの科目で学んだ知識をもとに、がんという病気やがん化学療法という治療、薬物情報に対する基本的な知識を確実なものとしていきます。症状マネジメント論では、患者中心の症状マネジメントの考え方を学びます。がんの医療サービスと社会的支援では、がん患者を共に支える他職種の役割や、医療政策などを学び、がん医療に対する視野を広げ、がん化学療法看護の役割に対する考えを深めていきます。
  • 専門科目:
    がん化学療法薬の投与管理とリスクマネジメント、疾患別治療および各レジメンの特徴、副作用症状のマネジメント、がん化学療法を受ける患者・家族の心理的・社会的アセスメント、外来/在宅がん化学療法学療法などの学習をつうじて、患者を多面的に、そして具体的にとらえる力をつけるとともに、がん化学療法看護の実践に直結する知識や技術を学びます。
  • 総合演習:
    安全キャビネットを使用して抗がん剤の安全で確実な調剤の実施や、実際の投与場面を設定してがん化学療法薬の投与管理の演習を行います。また、認定看護師に必要な専門的知識の習得や、認定看護師として活動する上で重要なネットワーキングの学習を目的として学会参加演習を行います。そのほか、認定看護師になるうえで必要になるさまざまなスキルを講義や演習をつうじて学びを深めていきます。
  • 実習:
    実習には、自施設で行う臨地実習Ⅰと他施設で行う臨地実習Ⅱがあります。どちらの実習も、科目の授業や演習で学習された知識や技術を、個々の状況に即してどのように使っていくかが問われます。自施設実習では、がん化学療法薬の投与管理や調剤、患者インタビュー、相談対応などの実習課題があります。他施設実習では、がん化学療法を受ける患者を受け持ち、個別的で専門性を発揮した看護を実践します。臨地実習Ⅰと臨地実習Ⅱをつうじて、科目の授業で学んだ知識やスキルを看護の場面に応用することができるようになるために行われます。

修了生のメッセージ

平成17年度修了生のメッセージ
私は小児血液・腫瘍科の病棟で、がん化学療法や造血細胞移植を受ける患児の看護を行ってきました。小児は成人のように自分で症状を伝えることができないため、症状の把握が困難で高い観察力が求められると感じていました。私は疾患と治療に関する知識を高めることで、患者・家族が納得し、安心して治療が受けられるような看護支援を行いたいと考え、がん化学療法看護認定看護師教育課程に入学しました。講義では抗がん剤の安全な取り扱い、薬物動態、各種疾患の標準的治療、症状マネジメント、心理・社会的アセスメントなどがん化学療法看護には欠かすことのできない多くの基礎を学びました。
また、実習では自分で考え判断し、自分の言葉で表現することができないという自分の傾向に気付くことができました。自分の傾向を知りそれを認め、新たな自分を構築することは容易ではないこと、自分の考えや判断を自分の言葉で表現することの大切さ、人の意見を素直に聞き入れ、努力をすれば自分が変わることができることを実感しました。認定看護師となり、少しずつ自分の考えをまとめて表現できるようになってきています。学びの多かったこの6ヶ月は、私にとって貴重な時間でした。            
平成17年度卒業生(6期生) 天野 真由美

平成20年度修了生のメッセージ
2008年10月、がん化学療法看護認定看護師を目指す32名が神戸の地に集い、半年間の研修が始まりました。研修では、専門科目の難しさについてゆく事や、テストとレポートをクリアしていく事に苦しみました。さらに腫瘍学、疾患、レジメンの理解を深めるためのグループ学習とプレゼンテーションでは研修生同士が夜遅くまで話し合い、何度も壁にぶつかり考える日々が続きました。悩み、苦しむ度に、いつも自分自身の看護師として、人間としてのあり方と向き合って、考える日々でした。
今考えれば、正にこの事が認定看護師として今後活動してゆくための真価を問われていたのだと思います。実習では私達のアセスメント能力や、看護に対する臨床現場の厳しい評価や現実に直面し、落ち込む事も多くありました。そんな中、研修生同士が励ましあい、支えあって何とか半年間の研修を修了する事が出来ました。この半年間で作り上げた32名の絆は一生の宝物です。また、スタッフから信頼される認定看護師になるために、プロフェッショナルマナーや、コミュニケーション能力、リーダーシップについて、研修センターの先生方には多くの事を教えて頂きました。私は現在血液内科病棟に勤務していますが、認定看護師になってからは周囲の眼が変わり、大きく期待され、プレッシャーを感じます。私はそのプレッシャーを自分自身の力に変えて、患者さんの為に、スタッフ一同より良い看護を提供できるように日々努力していきたいと思います。
平成20年度修了生(9期生) 藤巻 奈緒美