生涯学習支援

緩和ケア学科

緩和ケア学科
緩和ケア学科

緩和ケア(神戸)認定看護師教育課程とは

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患を持つ患者とその家族に対して疾患の早期から身体的、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を評価し、障害にならないように予防したり対処したりすることによりQOLを改善するためのアプローチです。
緩和ケア認定看護師教育課程では、上記緩和ケアの理念を実践に移し、緩和ケアの質の向上を図る中心的機動力として活動するための知識と技術を習得します。医療機関や在宅において緩和ケアを必要とする患者・家族が安楽な状態を維持し、尊厳を持って生活できるように水準の高い看護実践力を育成することを目指しています。また、緩和ケアに携わる看護師の指導・相談を通して、緩和ケアの質の向上に貢献する専門職としての役割が担えるよう育成します。

課程の特徴

神戸研修センターの緩和ケア認定看護師教育課程は、9月から翌年3月上旬までの6カ月間の集中コースで、9月から12月中旬までは研修センター内で座学授業を通して緩和ケアに関する知識を学びます。
授業は共通科目から始まり、専門基礎科目、続いて専門科目へと進み、基礎的な知識を得てから専門的知識へと進み、最後は演習を通じて専門的援助技術を習得していきます。講義を受けるだけではなく、さまざまな形の授業形態(グループワーク、ロールプレイ、全体ディスカッション)を通じて学びを深めていきます。そのため、積極的に授業に参加し、主体的に学習を進めていくことが必要となります。12月中旬から2月までは、実習とそのまとめを行います。実習は病棟実習(16日間)と在宅実習(4日間)に分かれ、病棟実習はホスピス・緩和ケア病棟で、在宅実習は訪問看護ステーション、または在宅療養支援診療所にて行います。病棟実習では患者を受け持ち、患者・家族への専門的援助の方法や看護師の相談、指導の実際を学びます。在宅実習では、患者宅に訪問し、対象者の日常生活の充実を図るための看護について考えていきます。

カリキュラム概要

共通科目時間数専門基礎科目時間数
看護管理 15 緩和ケア総論 15
リーダーシップ 15 がんとがんの集学的治療 15
文献検索・文献講読 15 症状マネジメント総論 15
情報管理 15 喪失・悲嘆・死別 15
看護倫理 15 がんの医療サービスと社会的資源 15
指導 15    
相談 15    
臨床薬理学 15    
医療安全管理 15    
対人関係 15    
共通科目合計時間150時間専門基礎科目合計時間75時間

専門科目時間数専門科目時間数
症状マネジメントと援助技術I 15 緩和ケアを受ける患者の心理社会的ニーズとケア 15
症状マネジメントと援助技術II
(消化器症状のマネジメント)
15 スピリチュアルケア 15
症状マネジメントと援助技術III
(呼吸器症状のマネジメント)
15 緩和ケアにおけるチームアプローチ 15
症状マネジメントと援助技術IV
(リンパ浮腫のマネジメント)
15 緩和ケアを受ける患者の家族・遺族ケア 15
症状マネジメントと援助技術V
(皮膚・粘膜・口腔トラブルのマネジメント)
15 臨死期のケア 15
症状マネジメントと援助技術VI
(精神症状(不安・せん妄・抑うつ)、
睡眠障害のマネジメント)
15 緩和ケアにおける倫理的課題 15
症状マネジメントと援助技術VII
(倦怠感・悪液質のマネジメント
(マッサージ、リラクセーションなど))
15 専門科目合計時間 195時間

学内演習時間数実習時間数
総合演習 30 臨地実習 180
総合演習II 30    
学内演習合計時間 60 学内演習と実習の合計時間 240時間

総時間数 660時間

修了生のメッセージ

10期生 竹ノ内 愛
2013年9月、私たち10期生はこれからの学びへの期待と不安を胸に入学しました。初めての試練は、講義での学びや緩和ケア認定看護師としての役割について、1枚のレポートにまとめることでした。今までの自分自身を根底から揺り動かされるような感覚に戸惑いながら、何度も文章を書き直していくことで、今まで何となく行ってきた看護実践や自分の考えを“明文化”することの重要性を改めて認識することができました。研修期間を通して、今まで行ってきた自分の看護実践や考え方の甘さ、自己中心的な思考を何度となく指摘され、思い悩む日々もありましたが、これからの認定看護師になるための基盤を築く場としての半年間となりました。
また、レポートや試験に追われながらも、演習やグループワークでは仲間との相互学習の機会を通して認定看護師への道を進む現実に向き合っていきました。「ディスカッション」「発表」「聞く」「質疑応答」など認定看護師を目指すにあたって必要な“姿勢”や“態度”について学ぶことができました。同期の仲間と一緒に一つ一つの課題をクリアしながら、新たな目標を見出していけたことは、貴重な経験となりました。
12月からの臨地実習は、それまでの机上の学習を実践に移す場でありましたが、想像していた以上に何もできない自分達に悩みながらも、一人の患者さんにじっくりと向き合うことで、新たな学びを得ることができました。研修生同志で団結し、励まし合いながら乗り越えられたことで、仲間の大切さについても改めて気づかされました。
半年間という研修期間は決して短いものではありません。そして、楽しいことばかりでもありません。しかし、一生の友に出会い、仲間意識を高め、緩和ケアを学ぶには最高の講師の先生方から新しい知識を吸収し、認定看護師を目指す志を一つ一つ確認しながら過ごした神戸研修センターでの日々は、何事にも代え難い時間でした。
この研修を終え、私たち26名はそれぞれの施設でリソースとして活躍するだけではなく、施設外でも活躍する緩和ケア認定看護師として飛躍できるように、日々の実践を学びにしながら努力を重ねていきたいと思います。

9期生 吹田 智子

残暑の中にもほのかな秋の気配を感じる2012年9月、期待と緊張の中、緩和ケア認定看護師教育課程9期生の授業が始まりました。
今年度より緩和ケア分野は新カリキュラムが導入され、「コミュニケーションスキルを用いて緩和ケアを受ける患者・家族の価値観を理解し、患者・家族の価値観を尊重したケアを実践できる」ことを、新たな緩和ケア認定看護師の専門性として学ぶ機会を得ました。私たちは、多くの素晴らしい講師の方々から、緩和ケア認定看護師の専門性の高い貴重な講義を受け、演習を行い、専門的知識、技術について学びを深め、課題に取り組みました。
授業の中で、患者とその家族の抱える喪失と悲嘆、全人的な苦痛や苦悩とはどのようなものか理解を深め、対象者の価値観を理解し尊重することの大切さを学びました。その中で、今までの看護を振り返り、自分と向き合い、時には自分の未熟さや今までの実践に対する後悔に涙することもありました。また演習では、緩和ケアを受ける患者・家族の価値観を尊重したケアのためのコミュニケーションスキルについて考え、緩和ケア認定看護師はどのような役割を担い、どのようなことができなければいけないのか、なぜこのようにケアするのかを常に意識して学習を進めました。
これらの学びを基に、訪問看護ステーションでの在宅実習と緩和ケア病棟での実習に挑みました。全人的な苦痛や苦悩を抱えながら、今この時を大切に生きる患者とその家族に実際に向き合い、自分に何ができるのか悩みながらの実習でした。しかし悩んだからこそ、相手の価値観を理解し尊重するためには具体的にどのようなコミュニケーションを行えばよいのか、QOLの向上に向けてどのような看護実践を行えばよいのか、多少なりとも体得できたと思っています。
私たちは、思い悩みできない自分に直面し、時にくじけそうになりましたが、担当教員の先生方が親身に相談に乗ってくださり、厳しくも温かいご指導を受けることで、成長することができたと思います。そして、同じ志を持ち、共に学び、悩み、高め合い、励まし合う仲間の存在が支えとなり、乗り越えることができました。
私たちはこの半年間で培った決して諦めない強い精神力を持って、これからそれぞれの地域や施設に戻り、学んだ知識と技術を生かし緩和ケアの専門性を発揮し、切れ目ない緩和ケアを提供していきたいと思います。