生涯学習支援

小児救急看護学科

小児救急看護学科
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小児救急看護学科

小児救急看護学科とは

現在、救急外来を受診する小児患者やその家族への対応が社会問題になっています。その背景には、小児科医の不足、家庭における育児能力の低下、地域における小児救急医療体制の地盤の弱さなど、さまざまな要因があります。
救急外来を受診する子どもの多くは一次救急の患者ですが、中には重症化する可能性のある子どもも含まれています。相手が子どもであるがゆえにその見極めには高度な知識と判断が必要です。小児科医が不足している中、そのような現場で勤務する看護師は、小児看護の経験や知識の不足から戸惑いを感じている現状があります。その一方で、子どもの虐待への対応や、育児力の低下している家族への支援ができる能力も、この分野の医療に携わる看護師に対し、社会的に求められてきています。
小児救急看護とは、こうした社会的要請に応えるものであると同時に、子どもの健やかな成長発達のため家族も含め支援していくことを目的としています。

学科の特徴

  • 少子・核家族化、および育児不安が社会問題化する現代社会における小児救急において、最新の知識や技術を持ち、自律して対応し、専門性の高い看護を実践できる小児救急看護認定看護師を育成する。
  • 優れた能力を発揮し、看護スタッフの指導・相談を行い、他職種と協働しながら、小児救急医療の水準の向上を図ることができる小児救急看護認定看護師を育成する。
  • 家族への支援や社会との連携、社会資源の活用を通して家庭や地域社会に貢献できる小児救急看護認定看護師を育成する。
以上を目標として教育に取り組んでいます。
当学科は、今年度カリキュラムが新しくなり、7期生を迎えましたが、まだまだ若い分野です。小児救急看護認定看護師にはさまざまな能力が求められる中、社会の期待に応えられる充分な活動ができる人材を輩出できるよう、この学科の教育を洗練させ、良いものにつくり上げていきたいと思っています。

カリキュラム概要

共通科目150時間専門基礎科目90時間
看護管理 15 小児救急看護概論 15
リーダーシップ 15 子どもの権利と社会資源 15
文献検索・文献講読 15 子どもの成長発達 30
情報管理 15 小児救急における薬の知識 15
看護倫理 15 子ども・家族への接近法 15
指導 15    
相談 15    
対人関係 15    
臨床薬理学 15    
医療安全管理 15    
専門科目180時間演習165時間実習225時間
小児救急における病態と看護技術Ⅰ 30 演習 165 実習 225
小児救急における病態と看護技術Ⅱ 15        
救急外来における小児のトリアージ 15        
子どもの事故と予防 30        
小児救急における家族への看護 15        
子どもの虐待 30        
家庭における病気の予防と病児の見方 15        
救命技術指導 15        
子どもに特徴的な集団災害看護 15        

総時間数 810時間

■共通科目(150時間)
共通科目では、認定看護師という専門職業人としての看護職に必要な共通の能力を養うための科目で「看護管理」「リーダーシップ」「文献検索・文献購読」「情報管理」「看護倫理」「指導」「相談」「対人関係」「臨床薬理学」「医療安全管理」の10科目を履修します。これらを学ぶことによって認定看護師の基盤となる専門的知識を学び、専門基礎科目・専門科目で得た知識を看護現場において具体化していくための能力を身につけます。授業は講義形式のほか、学科を越えたグループワークによって、他分野との交流や多角的な視点で自らの看護実践を振り返る機会にもなります。

■専門基礎科目(90時間)
小児救急看護認定看護師において、子どもの成長発達を捉えてアセスメントしていく上で基本となる内容に多くを費やしています。また、子どもの権利や尊厳に関する法的な視点や、社会資源についても学びます。

■専門科目(180時間)
小児救急外来において必要なトリアージの知識、呼吸や循環、中枢神経系の評価や救急外来において必要な病態とケアに関する知識を学びます。さらに、医療施設内だけでなく、地域における予防行動や、家庭において家族が子どもを看る能力の向上も対する援助能力を養います。また「子どもの虐待」について30時間を費やしており、単なる対応技術を学ぶのではなく、虐待の概念、子どもと家族の捉え方や支援の在り方などを学ぶことで、個々の虐待に対する考えを深めていけるようにします。

■演習(165時間)
●小児救急場面における対応
講義を通して学んだ知識を実践に結びつけ、使える知識にするための演習です。「1.実践場面における対応技術」「2.虐待への対応」「3.危機的状況への対応」の3つの内容を盛り込んでいます。習得した知識や技術が所属施設での活動に充分生かせるように、ディスカッションやデモンストレーションを通して具体的に考えていきます。
●文献演習
小児救急看護の質向上のために必要な知識や情報を獲得し、科学的・理論的な看護実践につなげられる能力を養います。学会に参加して演題に質問した後にレビューを行う、文献のクリティークを行い発表する―などの内容を含みます。
●ケースレポート
実習で受け持った事例をケースレポートとしてまとめて発表します。専門的知識・技術に基づいて実践を言語化しレポートする能力、それを具体的に伝えるプレゼンテーション能力を習得します。

■実習(225時間)
実習病院の小児救急患者に対する看護実践を通して、学内講義で学んだ知識と技術を生かし、臨床実践能力を高め、他の看護師の役割モデルとなることを目標としています。主として、実践した看護展開の記述を通して、ケースレポート同様、専門的知識・技術に基づいた実践をレポートし、客観的評価を行う能力を養います。

■学内ケースレポート発表会(全学科合同)
各分野の臨地実習やこれまで教育課程で学んだ成果を全学科の学生が共有する発表会です。学科で選出された学生の口演発表では他分野の認定看護師の役割や成果を学ぶことができます。また、全員参加のポスターセッションを行い、ポスター作製や発表準備は卒業後の学会発表の学びの場となり、今後認定看護師としての活動に役立ちます。

卒業生の声/Q&A

5期生 大島 誠
私はER型の救命救急センター外来に7年間「救命」を第一に考え経験を重ねてきました。「看護師として自分にできることは?」と悩みながら学会やセミナーに参加する中で、救急という場面でこんなにも必要とされる看護があるのかと衝撃を受けたのが小児救急看護でした。それから4年後、小児救急看護認定看護師を目指し、研修学校に入学することになりました。
専任教員をはじめ、各分野の著名な先生方の講義は、まだ成書にはない先端の知識・技術も多く刺激的な毎日でした。グループワークでは、どうしたら多様な状況の中で効果的なケアが行えるのかを時間を忘れて検討しました。研修生は子ども病院、救命センター、総合病院などの所属先も経験もさまざまで、私は今まで一つのテーマをこれほどまで多角的にさらに深く検討したことがありませんでした。自分の無知を思い知ったと同時に、広がっていく可能性をひしひしと感じました。
同期だけでなく全国にいる小児救急看護認定看護師と関わりが増えていくことで、「もっとできるはず」と力づけられます。多くの仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し、子どもの健やかな成長を支援していきたいと思います。

Q&A
Q1.看護研修学校はどういうところですか?
A1.看護師としての自立心を養う場であると思います。つまり自らの判断と思考をもとに舵をとっていくということです。認定看護師を志望する方々は、専門分野に特化した技術と知識を持った人たちです。その技術と知識を基に自らの探究心でさらに水準の高い看護を目指すための思考力と判断力を養う場であると考えていただけるとよいでしょう。このホームぺージまでたどりつくことのできたあなたの探究心があれば大丈夫です。
Q2.「小児救急看護」というと救急に関連した部署に所属または経験していないといけないのですか?
A2.そのようなことはないですよ。心肺蘇生教育や危機的状況における看護など三次救急に関した内容も含んでいますが、小児救急看学科のカリキュラムは一次・二次救急で訪れる子どもたちへの対応が中心になっています。
Q3.小児救急看護学科の研修を受ける中で病院の規模や形態によるハンディはありますか?
A3.そのようなことはないと思います。卒業生の所属施設は、小児専門病院に限らず、大学病院、公立病院などさまざまであります。また、所属部署も小児病棟をはじめ、救命救急センター、集中治療室、救急外来など多岐にわたっています。
Q4.講義についていけるか不安なのですが大丈夫でしょうか?
A4.小児看護に携わっている方であれば、あとはあなたの努力次第だと思います。ただし、講義でより多くのことを吸収するためには、座学に耐えられるだけの強靭(きょうじん)なヒップと睡魔に耐えられる精神力が必要となります。
Q5.看護研修学校に入学して看護師として何か変わりましたか?
A5.それはもう変わりましたよ。私は、研修学校に入学するまで、日々の業務に流され、看護って何が楽しいのかさえ分からず、看護職から退こうと考えていました。そんな私にもう一度看護とじっくり向き合う機会を与えてくれたのが、教員や講師の先生方でした。また講義やグループワークだけでは、飽き足らずアルコールを片手に終電ぎりぎりまで、看護について語り合った仲間との出会いは、宝であります。そしてそれを支えてくれたのは、研修学校へ行くことを応援してくれた職場の仲間たちの強い支えがあります。
Q7.看護研修学校に入学してよかったこと何ですか?
A7.やはり研修学校で知り合った仲間たちと出会えたことです。学科生は、それぞれ経験値や知識も異なるため、学ぶことも多く、お互い助け合って新たな知識や看護を知る機会となりました。
(回答作成協力:小児救急看護認定看護師会)