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感染管理学科とは

感染管理とは、保健医療施設におけるすべての人を感染から守るための活動です。感染管理認定看護師には、疫学、微生物・感染症学、消毒・滅菌、関係法規などに関する最新の知識を基盤に、各施設の状況に合った効果的な感染管理プログラムを構築することが期待されています。

学科の特徴

感染管理学科では、感染管理プログラムを構成する以下の6つの項目について学びます


1) 医療関連感染サーベイランス
疫学的な知識に基づき、病院感染発生の状況に関するデータの収集、分析、評価を自らが実践し、その結果を感染防止に直接関わる医療従事者と共有することを通して、感染率の減少を目指す活動です。サーベイランスの実践を通して、感染防止対策の感染防止効果と経済性を評価することが可能になります。 サーベイランスの実践に求められる知識と能力
・ 基礎的な疫学、統計学の知識
・ コンピューターソフトを用いた基礎的な統計処理能力
・ あらゆる職種との会話・文章によるコミュニケーション能力
・ 英文読解力 (辞書をひきながら文献の要点を理解する程度で可)
・ サーベイランスの方法を人に指導するのではなく、自ら実践する姿勢と実行力

2) 感染防止技術
疫学的に効果が認められた感染防止技術について情報収集を行い、各施設および部署の状況に合った効果的な感染防止対策を立案、導入、評価、改訂します。
感染防止対策の計画立案、導入、評価、改訂に求められる知識と能力
・ 効果的な感染防止技術に関する知識
・ 疫学・統計学の知識に基づき効果的な感染防止対策を選択する能力
・ 文献検索、インターネットによる最新の感染防止技術に関する情報収集能力
・ 病院感染サーベイランスの実践を通して感染防止対策の効果を評価する能力
・ 英文読解力 (辞書をひきながら文献の要点を理解する程度で可)
・ 組織横断的に新しい感染防止対策を導入する行動力とコミュニケーション能力

3) 職業感染管理
病院で働くすべての人に対して、針刺しや空気感染を含む職業感染防止対策を立案、実践、評価、改訂します。 職業感染防止対策の計画立案、実践、評価、改訂に求められる知識と能力
・ 効果的な職業感染防止技術に関する知識
・ 文献検索、インターネットによる最新の職業感染防止技術に関する情報収集能力
・ コンピューターソフトを用いた基礎的なデータ管理能力

4) 感染管理指導
病院で働くすべての人々に対して、感染予防・管理に関する指導を実践します。 感染予防・管理指導に求められる知識と能力
・ 的確なニーズアセスメント能力
・ 成人学習者の特徴をふまえた効果的な指導計画立案、実践および評価能力
・ プレゼンテーションおよびコミュニケーション能力

5) 感染管理相談
病院で働くすべての人々に対して、感染予防・管理の相談システムを構築します。 感染予防・管理の相談に求められる知識と能力
・ 正確な情報に基づく、適格なアドバイスを提供する能力
・ 会話・文章でのコミュニケーション能力
・ 組織横断的な人的資源の調整能力
・ 文献、インターネットによる情報収集能力
・ 威圧的、指導的ではなく、支持的で誠実な姿勢

6) ファシリティ・マネジメント
患者の安全な療養環境を確保するためのファシリティ・マネジメントを推進します。 ファシリティ・マネジメントの推進に求められる知識と能力
・ 洗浄・消毒・滅菌に関する基礎知識およびそれらに関する最新の情報を収集する能力
・ 廃棄物処理、空調・水質管理に関する基礎知識およびそれらに関する最新の情報を収集する能力
・ 組織横断的に活動する実行力

カリキュラム概要

共通科目 135時間 専門基礎科目 120時間
リーダーシップ 15 感染管理学 30
文献検索・文献講読 15 疫学と統計学 30
情報管理 15 微生物・感染症学 45
看護倫理 15 医療管理学 15
指導 15
相談 15
看護管理 15
看護論 I 15
看護論 II 15
専門科目 120時間 演習 255時間 実習 180時間
医療関連感染サーベイランス 45 演習 255 実習 180
感染防止技術 30
職業感染管理 15
感染管理指導と相談 15
洗浄・消毒・滅菌とファシリティ・マネジメント 15
総時間数 810時間

卒業生からのメッセージ

卒業生の有志から教育課程の感想を寄せていただきました

私は感染管理の専門的知識を身に付け、サーベイランス、実践・指導・相談の手法を知り、感染管理活動を推進していきたいと考え、看護研修学校に入学しました。初めは、なれない環境の中で、行われる講義内容の奥深さに、ただ呆然としていました。しかし、同じ感染管理の目的を持つ全国の仲間と知り合い、一緒に学び合うことができ、貴重な経験をすることができました。この仲間は、共に苦しみや喜びを分かち合った一生大切な仲間となりました。卒業した今も情報交換を行い、感染管理活動を支えてくれています。
講師陣は、日本の第一線でご活躍されている方々で、最新の情報を交えた講義を受けることができ、感激と憧れのまなざしで受講することができました。
感染管理は、微生物を見る眼、つまりミクロな眼(顕微鏡の世界や虫の眼)を持つことが重要です。また、その対象は個々の患者さんや病院全体に留まらず地域社会に向けられなければなりません。つまり、バードアイ(鳥の眼)の視点が必要になります。この「二つの眼」を養うためにも看護研修学校は最適な場所です。自施設で、組織横断的な感染管理活動を行うためにも、感染管理認定看護師をめざして、一緒に活動をしていきませんか。
平成20年度 9期生 多田豊一


感染対策は現場で実践されてはじめて意味を持つ組織活動です。しかし現場の人々の行動変容は簡単ではありません。感染管理活動の難しさに直面するたびに自分自身の力不足と対峙する悶々とした日々を打破したい、感染管理に関する専門的知識と技術を習得しキャリアアップを図りたいという動機から研修学校への入学を決意しました。
6ヶ月間の研修学校での講義は、学会やセミナー、参考書や雑誌などで拝見していた著名な先生方や先輩感染管理認定看護師の方々が講師として教壇に立たれ、実践に基づいた講義は一言一句を聞き逃したくないと思える内容でした。臨床実習では感染管理認定看護師として感染管理に向き合う真摯な姿勢、あるべき姿を学ばせていただきました。
10代20代の頃の学習能力との幾らかの(?)変化に鞭を打たなければならない時もありましたが、勉学だけに集中できる久し振りの学生生活は懐かしく嬉しくもあり、改めて自施設での感染管理活動について熟慮する貴重な時間となりました。同じ目標を掲げた同期の仲間は、時として互いに厳しくもありましたが、最後まで一緒にゴールを目指そうとする仲間意識の表れだったと感じます。この仲間との出会いと、苦楽を共に乗り越えた経験は、今後感染管理を続ける上で最大の糧になると思います。
木々の緑が深まり始める季節に研修学校に集い、葉がたくさんの栄養を幹に蓄えるように、私たち研修生もまた多くの学びを得て、清瀬の木々の葉が散り終える季節には自施設へと戻りました。そして、上司や同僚から研修の感想を聞かれた時の私の第一声は、「すごく楽しかった!」でした。

平成21年度 第10期生 矢崎正浩