日本看護協会とは

看護補助者の業務範囲とその教育等に関する検討報告書

日本看護協会業務委員会、1996年9月

はじめに

昭和25年に、病院の看護は、看護婦自らまたは看護補助者の協力を得て行うという趣旨をもって「完全看護」制度が創設された。

昭和33年には完全看護制度は看護要員配置基準を設定した「基準看護」制度となり、社会保険診療報酬において看護要員の配置数が評価されることになった。その際、告示された看護要員の比率の基本は、看護婦5対准看護婦3対看護助手2という割合であった。配置基準は、一類看護で患者4人に看護要員1人以上、二類看護で患者5人に看護要員1人以上、三類看護で患者6人に看護要員1人以上の3種類が定められた。

看護補助者の業務については、厚生省によりこれまでの基準看護の承認要件や昭和59年に公表された「病院看護管理指針」などにおいて示されてきた。

看護補助者に関する日本看護協会の取り組みの主なものとしては、平成4年5月7日に「施設における看護の役割検討プロジェクト報告」をまとめ、この中で看護婦と看護補助者との業務分担について言及している(平成5年度通常総会で報告)。この報告では看護補助者の役割を、「看護婦の指示のもとに看護業務を補助する」ものであるとし、看護補助業務を大別して1.生活環境にかかわる業務、2.日常生活にかかわる業務、3.診療にかかわる業務の3項目にまとめている。

一方、看護補助者の実態把握は本会では平成3年、平成6年、平成7年に病院看護基礎調査等の中で調査項目の一部として実施している。その他、看護関係の雑誌等においても看護補助者の実態や業務内容に関する文献が散見できる。

また、国際的な視野で、看護補助者に関する問題や論点を整理した資料(Nursing Support Workers,Position Statement and Guidelines)が1993年(平成5年)にICNより出版されている。

平成4年の第二次医療法改正では医療施設機能の体系化が図られ、特定機能病院、老人病院、療養型病床群では新たな看護職員の配置基準が設定された。平成6年の医療保険制度・老人保健福祉制度の改正では、改正点の一つとして、すべての保険医療機関で付添いに頼らない看護を提供することを前提とした「新看護体系及び看護補助体系」が設定された。これによって診療報酬上の看護補助者の評価が明確となった。このことは老人病院等生活援助のニーズが高い医療機関での看護補助者の役割増大への対応でもあり、看護補助者についても質・量両面の充実が重要課題となってきている。

そこで日本看護協会業務委員会では会長の諮問に基づき、看護補助者に関するこれまでの制度上の変遷や調査報告などを検討し、業務委員会として「看護補助者の業務範囲とその教育等に関する検討報告」をまとめた。

なお、検討経過、看護補助者の制度上の位置づけの変遷、看護補助者の実態に関する事項およびICNのガイドラインは付録として添えた。

看護補助者の業務範囲とその教育等に関する検討報告

看護業務には高度な判断と技術を要するものと、有資格者の適切な指導があれば、無資格者でもできるものがある。有資格者がその専門性を発揮して業務に専念するには後者の部分を担う看護補助者が必要であり、看護婦*と看護補助者がチームを組むことにより、良質な看護サービスを効率的に提供することができる。この実現には、看護チームにおける適切な役割分担と看護婦のすぐれたマネジメント能力が要求される。したがって看護補助者は、看護婦不足を補うものではなく、看護チームの構成メンバーとして重要な役割と責任を担うものである。

「新看護体系及び看護補助体系」の創設に伴い役割が増大している看護補助者については、その業務を標準化するとともに、質の確保・向上のための適切な教育プログラムの提供が必要不可欠である。

以上のような認識のもとに、今回は医療施設で働く看護補助者を対象とした業務範囲とその教育等についてまとめた。
*看護婦とは、保健婦、保健士、助産婦、看護士を含む。

1.看護補助者の業務

看護が提供される場において、看護チームの一員として、看護の専門的判断を要しない療養上の世話業務および診療補助にかかわる周辺業務を行う。

2.看護補助者の資格要件

  • 1) 高校を卒業していることが望ましい。
  • 2) 業務を行う上で支障のない心身の状況であること。
  • 3) 人の世話が好きで人間関係が良好に保てること。
  • 4) 医療チームのメンバーと共働できること。
  • 5) 所定の研修を受けること。

3.看護補助者の実践の場

医療施設に限定する。

4.看護補助者の業務の範囲

  • 1)生活環境にかかわる業務
    • 病床および病床周辺の清潔・整頓
    • 病室環境の調整(温度、湿度、採光、換気など)
    • リネン類の管理
  • 2)日常生活にかかわる業務
    • 身体の清潔に関する世話
    • 排泄に関する世話
    • 食事に関する世話
    • 安全・安楽に関する世話
    • 運動・移動に関する世話
  • 3)診療にかかわる周辺業務
    • 検査・処置等に必要な依頼箋・伝票類の準備と結果報告の整備
    • 診療に必要な書類(台帳、カルテ、その他)の整備・補充
    • 検査・処置に必要な機械・器具等の準備と後片づけ
    • 診療材料等の補充・整理
    • 入退院・転出入に関する世話

5.看護補助者の責任の範囲

看護補助者は、看護ケアについて、看護婦が指示した範囲の責任を持つ。看護補助者は、患者に対する看護ケアについて、何をすべきか、あるいは何をしてはいけないかについては看護婦の指示に従うものとする。もし指示された内容についてどのように行うのか、やりかたがわからない場合は、看護婦にたずねて明らかにしなければならない。

特に、診療にかかわる周辺業務など看護の専門的な判断を要しない事項については、看護補助者が判断し責任をもって業務を遂行するが、実施の前後又は必要に応じて監督者に報告を行う義務がある。

6.看護補助者の監督

  • 1)看護補助者の日々の業務は看護婦が割り当て監督する
  • 2)看護補助者の人事管理・労務管理は看護管理者が監督する

7.看護補助者の教育

  • 1)看護補助者教育の実施に関する基本的事項
    • 国の方針に基づき、日本看護協会が、看護補助者の教育プログラムのガイドラインを作成する。
    • 教育システムについては看護管理者、実務経験者等を含む関係者で検討会等を設置し、検討されることが望ましい。
    • 検討されるべき項目として、教育期間、教育方法、教育場所、教育担当者等がある。
  • 2)教育目標
    • 医療制度の概要および病院の組織を理解する。
    • 医療チームおよび看護チームの一員として、看護業務を理解し、ヘルスケア提供システムの重要な役割を分担していることを認識する。
    • 看護補助業務を遂行するために必要な基礎的な知識・技術を学習し、技能を習得する。
  • 3)教育内容
    • 医療制度の概要及び病院の組織を理解する。
      • 病院の組織、看護部の組織構造と組織上の身分(立場)
    • 医療チームおよび看護チームの一員として、看護業務を理解し、ヘルスケア提供システムの重要な役割を分担していることを認識する。
      • 看護補助者の業務・責任・態度○報告・連絡・記録○相談の重要性○看護の役割と看護業務○看護理念、看護倫理○人間関係とチームワーク
      • コミュニケーション技術○患者心理と対応の留意点○身体の解剖・生理○患者状態の観察ポイントと異常状態の把握・報告○自己の健康管理
    • 看護補助業務を遂行するために必要な基礎的な知識・技術を学習し、技能を習得する。
      • 生活環境にかかわる業務
        • a.病床周辺の清潔・整頓
        • ○環境整備、ハウスキーピング
        • b.病室環境の調整(温度、湿度、採光、換気など)
        • ○環境調整
        • c.リネン類の管理
        • ○リネン類の管理、ベッドメイキング等
      • 日常生活にかかわる業務
        • a.身体の清潔に関する世話
        • ○患者の身体の清潔、更衣
        • b.排泄に関する世話
        • ○排泄の世話
        • c.食事に関する世話
        • ○食事の世話
        • d.安全・安楽に関する世話
        • ○安全、安楽○体位交換
        • e.運動・移動に関する世話
        • ○患者の移送
      • 診療にかかわる周辺業務
        • a.検査・処置に必要な依頼箋・伝票類の準備と結果報告の整理
        • ○コンピュータの操作○簡単な看護用語・略語について
        • b.診療に必要な書類(台帳、カルテ、その他)の整理・補充
        • ○診療録の意義、必要性、保管期限、プライバシーの守秘義務等○データ等の整理、保管方法
        • c.検査・処置に必要な機械・器具等の準備と後片づけ
        • ○清潔・汚染物、廃棄物の取扱い○消毒薬等の取扱い○検査物品の取扱い
        • d.診療材料の補充・整理
        • ○医療機器、診療材料の点検・取扱・整備
        • e.入退院・転出入に関する世話

8.看護補助者の呼称

現在使用されている呼称を表1に示した。呼称は各施設で選べばよいが、このうち、コンパニオン、ヘルパー等は紛らわしいので、使用を避けた方がよい。また、産科看護婦などのような、「○○看護婦」「△△ナース」という語をつけて使用するのは混乱を招くので、使用を避けるべきである。

表1現在使用されている一般的な補助者の呼称
日本 米国
オーダリー オーダリー
クラーク クラーク
ケアワーカー ケア・アシスタント
ナースエイド ケア・テクニシャン
ハウスキーパー コミュニティ・ヘルス・ワーカー
ヘルパー ナーシング・アシスタント
メッセンジャー ナース・エイド
医療秘書 ナース・エクステンダー
家政婦 ナース・アシスタント
介護士 パーソナル・ケア・ワーカー
介護者 ハウスキーパー
看護助手 ビレッジ・ヘルス・ワーカー
看護補佐 ベイシック・ケア・ギバー
看護補助者 ヘルスケア・アシスタント
産科看護婦 ヘルスケア・エイド
病棟技能員 ホーム・サポート・ワーカー
病棟事務員 メディカル・アシスタント
ユニット・アシスタント
看護助手(nursing auxiliary)
看護補助者(nursing support worker)
呼吸テクニシャン(respiratory technician)
U A P (unlicensed assistive personnel)

(補助者の呼称検索時に用いた文献・資料)

  • 友安直子:「業務の棲み分け」はどこまで可能か、EXPERT NURSE、11(1)、38-41、1995.
  • マリー・A・ブレジェンほか、井部俊子監修:あなたの仕事を助けるのはだれか?、ナース専科、12(10)、56-61、1992.(Mary A Blegen,Diane L.Gardner,and Joanne Comi McCloskey:WHO HELPS YOU WITH YOUR WORK?,American Journal of Nursing,January 1992,Vol.92 No.1.)
  • ICN:Nursing Support Workers,Position Statement and Guidelines,1993.
  • Jean Hogan and Sheila A. Sorrentino:Textbook for Long Term Care Assistants,The CV Mosby Company,1988.
  • Marie A. Fasano:Basic Skills for the Long-Term Care Nurse Assistant,A BRADY BOOK,1989.
  • Patricia Manuel and Kristine Alster:Unlicensed Personnel,No cure for an ailing health care system,NURSING & HEALTH CARE ,15:1 January 1994.

まとめ

看護補助者の業務は施設の機能や患者特性、看護婦数等により、変化する。したがって、個々の施設の実状に応じた具体的かつ実行可能な業務分担を取り決めることが重要である。またその取り決めは、看護補助者の量的質的条件をふまえた上で、できるだけ良質かつ効率的なケア提供の観点から適宜見直す必要がある。これらのことと並行して、看護補助者教育を実施し、質の充実向上を図ることが望まれる。

今後、看護補助者の需要は増大することが見込まれ、また介護福祉士や大学、短大等の高等教育修了など多様な教育背景の看護補助者が参入してくることが予測される。このため看護婦に対しても、看護補助者とのよりよい共働のための適切なリーダーシップや効果的な教育指導が行えるようになるための学習や検討が求められる。看護管理者にとって看護補助者の教育および管理は、優先すべき課題の一つとして位置づける必要がある。

今回は、看護補助者の業務の場を医療施設と限定して検討したが、在宅医療の進展等に伴う看護の活動分野の拡大に応じた看護補助者の業務範囲や教育に関する将来的な検討が必要である。

ICN:看護補助者の職位とガイドライン
ICN,Nursing Support Workers,Position Statement and Guidelines,1993.

(業務委員会監訳、1996.8)

はじめに

国際看護婦協会(ICN)は、時代の変遷と共に、変りゆくヘルスケア・ニーズと資源という状況の中で看護業務に貢献する職員の範囲について関心を払ってきた。長年にわたり、さまざまな決議、文書、プログラム、プロジェクトがこのことに言及してきた。

今日、看護の役割や責任は多くの挑戦をせまられている。すなわち、科学・技術の進歩、人口学的・疫学的動向の変遷、ヘルスケア・システムに対する需要の増大、ヘルスケア提供のパターンと優先順位の変化、ヘルスケアのコスト抑制と効率に対する執拗な要望、それに地方に散在するヘルスケア専門職者の不足などが課題として提起されている。

こうした挑戦を通して、ヘルスケアと看護の概念が流動的に変化するこの時期に、看護補助者(support workers)の性質と役割を再検討することが時宜にかない、また必要であるという結論にいたった。

背景

ICNの趣旨
  • 1983年に全タイプの看護職員(nursing personnel)を対象として行われた規制に関する調査により、補助者のタイトルとカテゴリーが複雑で紛らわしいことが明らかになった。研究の後に開かれた地域ワークショップで、異なるタイプの看護職員の間にみられる呼称、役割、教育、責任、義務および組織化に関して、深刻な混乱が広がっていることが確認された。
  • 1989年に韓国で開催された、会員協会代表者会議(CNR)は次の決議を採択した。
    • 加盟協会は、看護婦(注1)の管理下で病室での仕事をする看護補助者が、第一線で働く看護婦にどのような支援ができるかを、各自の国内で詳細に調べること。
    • 加盟協会は、この方法でできるだけ効果的に看護婦を補佐できるように、看護補助者のために適切な研修プログラムを立案すること。
  • 1991年にジャマイカで開かれた看護補助者に関するCNR教育会議において、各国看護婦協会(NNAs)は、このグループの発展と拡大にあたって問題点を指摘し、確固たる資料がそろっていないことを指摘した。それに応えて、理事会は、専門的サービスと社会・経済・福祉に関する委員会(Professional Services and Social and Economic Welfare Committees)が看護補助者に関する実態、問題点、懸念すべき事項、課題を記述した文書を作成するよう要請した。これを受けて、委員会は、その主題について「看護補助者の職位とガイドライン」(Position Statement and Guidelines)と題して本レポートの作成に取り掛かった次第である。
概念と定義
  • 看護補助者の業務範囲と機能をめぐる複雑な状況は世界的となっているため、この種の仕事に取り掛かるに当たっては概念と定義の相違を認識し、明確化することから始めなければならない。すなわち、下記の者の間で相違があることを確認する必要がある。
    • 免許取得者(注2)と非免許取得者
    • 直接従事者と間接(臨床に携わらない)従事者
    • 施設の看護補助者と地域の看護補助者
    • 補助要員と個人つきそい
  • ガイドラインを看護補助者に適応する際に、各国看護婦協会は、それぞれの国の状況において適用される概念や業務範囲に注目しなければならない。したがって、これらの相違点に留意した上で、本レポートの適用範囲を設定しなければならない。
  • 看護における補助者には二つの基本タイプがある。すなわち、専門的な看護の分野で直接的に補佐する看護補助者と、事務、家事サービス、輸送などの非臨床的な業務を行うことによって間接的に補佐する補助者である。どちらも看護婦の受け持つ全体の仕事や責任を支援する。本レポートは、施設または地域において看護ケアを直接的に補佐する看護補助者のみを対象とする。
  • 直接的な専門看護を提供するヘルス・ワーカーを分類するための多くの用語がある。例えば、看護助手(nursing auxiliaries)、パーソナル・ケア・ワーカー、ナース・エクステンダー、ヘルスケア・アシスタント、ヘルスケア・エイドなどである。ICNでは看護助手という一般的な言葉を用いる。同様に、さまざまなタイプの看護助手に対して使われる特別のタイトルも多岐にわたっている。ナース・エイド、オーダーリィー、ホーム・サポート・ワーカー、コミュニティ・ヘルス・ワーカー、ベイシック・ケア・ギバー、ビレッジ・ヘルス・ワーカーなどは、看護助手のタイプを表わすために使用される名称の一部である。ICNでは、名称が何であれ、アイデンティティーに関する混乱および責任と義務に関する誤解を避けるために、補助者のタイトルを付けるにあたって、「看護婦(nurse)」という名詞は使用すべきではないし、また形容詞の「看護(nursing)」も慎重に使用すべきであると勧告する1)。
  • 本レポートの目的上、ICNの最新の定義を提示することは、説明、分析、検討の基礎として役立つと考える。

    看護職員(Nursing personnel):法制上の規制にかかわりなく、臨床的、学究的、監督、相談、基本的または補助的役割で看護ケアの職務に従事する全職員2)

    看護助手(Nursing auxiliary):看護職員という同一のレベルにとどまらぬ職員を擁している国々において、一定の基準のもとに看護婦の直接または間接的監督下で看護業務の補佐をする者(注3)。看護助手は、免許取得の有無を含め、各種のカテゴリーに分けることができる。

    本レポートにおいては、免許を取得しないで看護活動に従事する看護助手を看護補助者(nursing support worker)という。

目的と範囲

  • 本レポートの目的は次の通りである。
    • 看護補助者の育成と活用の基礎となる背景情報と前提条件を提示すること。
    • 看護補助者に関連する問題と課題を明確にすること。
    • 看護補助者の育成、活用、規制に関する一般的ガイドラインおよびそれぞれの国における看護補助者の育成、組織、保護に対して各国看護婦協会が果たす役割を提案すること。
  • 適用範囲に関して要約すると、本レポートが対象としているのは、あらゆる種類のヘルスケア施設において直接的な看護ケアの補佐を行う、免許を持たない支援従事者である。村のヘルス・ワーカーや伝統的な助産婦3)など地域社会固有のヘルス・ワーカーについては、その職務が看護という範疇に属し、またその看護に対して看護婦が責任を持つものである限り、本レポートの対象に含まれる。

前提条件

次の前提条件は、看護補助者について討議する上での枠組みとして役に立つ。

  • 看護補助者は、永久にヘルスケア提供システムの一部である4)5)6)。
  • 補助者のカテゴリーは、特定のヘルスケア・ニーズに呼応して進展し、変化する。
  • 「すべての人に健康を」の採択、初歩的ヘルスケア戦略の採択、看護婦の不足または不均衡配分、ヘルスケア優先順位の変化、需要とニーズ、ならびにヘルスケア・システムの再構築など、多くの国際的・国内的要因が看護補助者の育成と活用に影響を与えてきた。
  • 看護補助者はヘルスケアの提供に重要な役割を演じている7)。
  • 看護婦は、補助者が提供する看護ケアに対して責任を持ち、ほとんどの国において法的責任を負っている8)。
  • 看護補助者は、職務の保護、職場生活の改善、キャリア開発、自尊心、および社会的評価の向上を目的として組織的に団結する必要がある。
  • 看護協会は、看護補助者が組織化に向けて努力することに協力できる9)。
  • 看護協会は、このグループの業務範囲、教育訓練、実践の範囲、規定などについて、看護補助者の適正かつ一般的な機能を明確にする役割をとるべきである10)。
  • ヘルス・サービスの範囲内で全体の看護力とスキルミックスについて細心の計画なしに、いたずらに看護補助者を増員すればケアの質を引き下げることになる11)。

挑戦すべき課題の性質

  • 看護補助者は人数やタイプはさまざまであっても、常に看護婦とともに働いてきた。しかし、最近になって世界中に看護補助者が出現するようになったのは、終わりのない看護婦の人員不足や身近で便利なヘルスケア・サービスへの要求が高まった結果によるものである。多くの場合、ヘルスケア提供サービスの急場をしのぐ一時的な解決策と見られていたにもかかわらず、看護補助者は消え去ることなく繁栄を続けている。
  • 現在、看護補助者は、地域社会のヘルスセンターから大都市の病院まで、また老人ホーム、産院、長期ケア施設に至るまでさまざまな施設でヘルスケアを提供している。専門の看護婦や医師がいない場合には、看護補助者が病人や身障者の看護ケアの責任を負い、救急時の対処、産前産後のケア、ケアを必要とする家族の世話、また地域社会における健康増進と教育のキャンペーンを行っている。また、しばしば第一線において、地域社会と公のヘルスケア・システムの間にあるギャップの橋渡しをしたり、基本的なヘルスケア・サービスへのアクセスを改善する努力によって重要な貢献を行っている。
  • 看護婦には、看護ケアが専門的な基準を満たすものでなければならないという道徳的、法律的責任があるため、看護婦は看護補助者が提供するケアの質に対して責任を負わなければならない。特に、このヘルスケア・ワーカーのグループに対する訓練、機能、監督、継続教育、キャリアをつむ機会、および労働条件などに関心を払わなければならない。
  • 看護補助者の必要性、その活用、規定に関連する事項について、ICN加盟協会の間では何らの合意もなされていない。このような状況にあるため、NNAsの立場としては、(1)看護補助者の育成に取り組み、支援し、指導することを選択するか、あるいは(2)看護補助者の育成に消極的な立場をとり、そのようなグループを導入した場合は、その職能を看護から完全に切り離した状態におくべきだと主張するか、のいずれかである。正しい行動は、両者の利点と不都合な点を注意深く考慮した上で決定する必要があり、何よりもその国のヘルス・ニーズに最も大きなウェートをおくべきである。

看護補助者の正規の育成に関するガイドライン

本ガイドラインは、国の看護システムにおいて看護補助者の立場に影響を与える看護資源計画、社会経済的福祉および規制にかかわる重要な要素に焦点を当てようとするものである。各国看護婦協会が、看護補助者の正規の適切な育成を図るために、協会の立場、戦略、計画を整備する段階で役に立つプロセス、戦略、活動に関する勧告は有用である。

看護資源計画(注4)
  • 国のニーズ・アセスメント
    看護補助者の創出と活用は、市民のヘルス・ニーズを総合的に分析することから導き出される人的資源計画の的確な策定に基づいて行われなければならない。これらのニーズは、国の健康優先順位、物的・人的資源の入手可能性、およびヘルスケア・サービスが計画されている状況を十分に理解し、それに基づいた学際的な(看護婦を含む)評価を通じて見きわめるべきである。現在および将来見込まれるニーズを見きわめてこそ初めて、看護補助者を含む必要な職員の数、カテゴリー、能力を見積ることができる。
  • 施設および地方自治体のニーズ・アセスメント
    国のニーズ・アセスメントが全くない場合でも、組織または施設にとっての資源計画は、対象となる市民のヘルスケア・ニーズおよび組織が利用できる資源に対する適切なアセスメントによって左右される。かくして先と同じ基準が適用されることになる。すなわち、必要な看護職員の数、カテゴリー、および能力についての決定は、明らかな健康目標に基づく。
  • 国と施設の政策展開
    以上の目標が一旦確認されると、妥当な政策(第一のケースでは国、第二のケースでは地方自治体の施設)が展開されなければならない。これらの政策および関連する職務記述書には、ケアの基準に十分な考慮を払った上、それぞれの施設における看護補助者の能力、訓練、責任、義務、監督、労働条件、昇進の見通しを明確に記載すべきである。看護婦および各等級の看護職員の明確な定義は、正確な資源計画を作るために不可欠な要件である。これには適切なスキルミックスについての決定などが含まれる。
  • スキルミックス
    スキルミックスの検討は、資源計画の重要な一面である。看護は、相談だけではなく、その後の意思決定において中心的役割を果たすことができるよう立案されなければならない。看護職員の供給と準備を決める際には、明確に見きわめられたケアの成果と質の高いケアとの関連に留意して、対象となる市民のニーズの変化とスタッフの最も有効な使い方を考慮に入れなければならない。多様なレベルのスタッフとその組合せがケアの質に与える影響については、調査に基づいた情報がほとんど利用できない。しかし、そうした情報がある場合には、その結果を考慮に入れるよう全力を尽くすべきである。さらに、NNAsは、この方向でどの程度調査活動をさらに活発に推進できるかを検討しなければならない。ヘルス・サービスを受ける者のために、スキルミックスの決定は、単なるコスト抑制でなく、費用・効果と質に対する関心を反映させたものでなければならない。
  • 政府とNNAsの役割
    NNAsと政府は、健康に関する人的資源計画とその開発においてそれぞれの立場で協力的な役割を果たさなければならない。たとえば、協会には、看護職員のカテゴリー、職能、および各カテゴリーの責任を規定する明らかな責任がある。さらに、協会は人的資源計画決定が看護業務に及ぼす意味合いを考慮する用意がなければならない。政府は、国民のための健康に関する人的資源の実際計画とその開発に対して主たる責任を負うべきであるが、一方NNAsはこれらのプロセスに参加し、必要な時には政策に影響を及ぼす準備をしておくべきである。
規制(注5)
  • 看護補助者を含む看護助手が看護業務の範疇に含まれる業務を実施する場合は、いかなる形の規定であれ、既存及び計画された看護法の機構のもとで考慮されなければならない。
  • 規定には、法令によるもの、自発的なもの、専門的または施設の手段としてのものがあり、いずれも国が採用しているパターンに準じている。看護婦に関する規定を政府が行う場合は、看護助手(看護補助者を含む)に関する規定については、単一制定法、関係当局、および(または)行政機関を通じてこれらの法令との整合をはかるべきである。

    少なくとも、次の項目が特定されなければならない。

    • タイトル
    • 看護助手/補助者の定義
    • 教育基準と教育場面
    • 実践の範囲と基準、適切な施設および看護婦に対する責任と責務を含む
  • 看護補助者は、看護機能を遂行し、看護婦の監督下で仕事を進めるので、その準備や業務の基準については、看護の専門職者が看護補助者と直接十分に話し合った上で提案すべきである。
社会的・経済的考察
  • 看護補助者の有効性、動機づけ、仕事に対する満足度、またさまざまなカテゴリーの看護職員との調和の度合は、補助者が活動している社会経済的条件に強く結び付いている。これらの条件は、適切な訓練プログラムや監督のみならず、好ましい労働条件、給料、継続教育、キャリア開発の機会などを含む。これらの基本的欲求を満たすことは、仲間意識を助長し、仕事に対する満足感を高め、労働移動を減少し、ケアの質を最高にする。
  • 看護婦やその他の労働者同様、看護補助者は、組織化により、あるいは他の組織化されたグループに加わることにより、自らの利益を守り、労働状態を改善することができる。各協会を含むこのようなグループは、有利な立法を求めてロビー活動を行い、政府高官に働きかけてその決定に影響をおよぼし、教育と業務の基準を開発し、団体交渉を行うなどさまざまな方法で機能している。
  • 看護補助者には、組織化のためのいくつかの選択肢がある。独自の協会の創設、他の専門的職業(例えば、理学・作業療法、医学、法律)に従事する補助者との合同、他の保健専門家の組織、組合の傘下への加入、あるいは、各国看護婦協会に加入することもできよう。これらの選択肢にはそれぞれ有利な点と不利な点がある。最終的選択は極めて注意深く行う必要がある。
  • 各国看護婦協会は、いくつかの理由で、看護補助者を会員というカテゴリーで加入させたいと望むかも知れない。第一に、この加入により、訓練・業務基準を設定し、社会における看護の役割に矛盾しないキャリア構造を開発するにあたって、看護婦と看護補助者が共同して貢献できるようになる。第二に、安全な労働環境を含む公平な社会・経済的労働条件を自ら管理し、発展させることに看護補助者が参加する道を提供するであろう。第三に、コミュニケーション不足、誤解、また組織が分かれていることから生ずる不適切なライバル意識の問題を軽減させるであろう。最後に、看護資源を一体化することによって、質の高いケアに影響を及ぼす事項について看護従事者の発言力を強化するであろう。
  • もとより、NNAsに看護補助者を含めることにはいくつかの不都合な点がある。第一に、看護婦と看護補助者の間の内部争いが、協会の力と権限を発揮する際に悪影響を及ぼしかねない。そのほか、看護補助者を正式承認し組織化することは、本来意図されていない方向でこのケア提供者のグループを合法化するのに役立つことになる。その場合、ヘルス・サービスを受ける者や雇用者の側で看護職員のレベルを識別する際に混乱を招き、資格をもつ専門看護婦の代わりに看護補助者を安く使用するのが得策という論拠を強めるおそれがある。

各国看護婦協会の活動に関するプロセスと戦略

社会状況における作業活動
  • 看護補助者が仕事をする環境を理解しようとするには、看護補助者の地位、準備、活用についての状況分析を試みるとよい。このような分析の範囲と精密さは、データの入手可能性とこのプロセスを遂行する物的・人的資源によるが、最低要件として、次の情報(注6)を含むのが望ましい。
    • a)使用されているタイトル
    • b)業務を行う場所
    • c)業務の範囲
    • d)誰に対して、何に責務を負うのか?
    • e)監督
    • f)教育/訓練
      • 選択基準
      • 期間
      • 内容
      • 教育・指導担当者
    • g)規定
      • どんなタイプ?(例えば、行政関与型、施設型、自発型など)
      • 誰による?(例えば、政府、雇用者、専門職など)
      • どんな基準に照らして、また誰の基準による?
    • h)移動性とキャリアアップの機会
    • i)看護補助者の組織/協会
  • この状況分析は看護補助者育成の背後にある推進力(何、誰、何故)、また彼らを看護婦にとって代わらせようとする徴候があるかどうかを理解するためにも役立つであろう。
  • 看護婦不足を理由に看護補助者の育成を合理化していないかを注意してみること。看護婦不足は作り話か、それとも現実か?どのような要因が不足につながってきたか?どのような処置を取れば不足を是正できるか?看護補助者を育成または増員すれば適正に需要を満たせるか?
規制に関する戦略(注7)
  • 規制は、それによって秩序、一貫性、統制を職業とその業務にもたらす手段である。政府法令の主たる目的は、一般国民の保護である。このため、要求にかなう身近な看護ケアを保証することによって、法規による統制が一般国民を保護するという主要目的に真に焦点をあわせていることを裏付けるための多くの戦略が看護助手の育成に関して存在する。
  • 看護補助者に関する立法措置と法案についてモニターし、それに関与する。これには、立法府に働きかけ、看護婦のタイトルを保護し、看護分野で補助者として働く人々のタイトル、訓練、責任、その適切な活用について明確にすることが含まれるが、それらに限定されない。

    各国看護婦協会の各々(NNA)が次の事項を含む看護補助者の地位を既に確立している場合、上記の活動は強化されるであろう。

    • こうした従事者のタイトルとして受け入れられる看護補助者の適切で明確な定義。混乱を少なくするために、いかなるタイトルにおいても"nurse"という語の使用を避けるのが賢明である。しかし、臨床看護助手のタイトルの場合は、看護ケア提供チームのメンバーとして識別できるように、形容詞の"nursing"という語を使用するのは妥当であろう。
    • 非臨床看護補助者(例えば、事務員や送迎車運転手)にも適当なタイトルを与えられるべきである。これらの従事者の場合には"nursing"という語を避けることによって、非臨床支援従事者と分かるようにすることが望ましい。
    • 看護婦による看護補助者の監督および看護婦に対する彼らの責任についてのステートメント
    • 看護補助者に割り当てられる業務の設定と範囲
    • 看護補助者が受けるべき訓練の種類
    • 各種の教育準備の適切な連携
  • 看護補助者に関する政策と業務の策定に協会が参加することによって、看護職員の法制化に影響力をもつ立法府その他の機関(例えば、行政事務局、労働部、教育部)に働きかける。
  • 現行の看護法規(例えば、看護業務法)の解釈をめぐって、補助者の役割について看護婦とその他の保健専門職者の間で混乱と利害関係が生ずることがしばしばある。すべての関係者のためにいかなる混乱も生じないよう整理することが重要である。
看護資源計画に関する戦略(注8)
  • 理想的には、看護補助者の育成は看護資源計画の全体プロセスの一部であるべきであるということはすでに強調した。看護従事者に関する総合的計画を示す例は存在しないといってよいが、ヘルス・サービス計画のこの面における関心はますます高まっている。専門職業人としてこの仕事に貢献する技能と適切な知識を開発し、看護資源計画活動に組み入れられるよう行動を開始することは非常に重要なことである。
  • 各国看護婦協会は、国、地域社会、施設のレベルにおける意思決定に参加するようにロビー活動を行い、看護婦を促すべきで、その意思決定には、ニーズ・アセスメントならびにケア提供のためのスタッフの配置パターンとスキルミックスについての決定が含まれる。別のレベルにおいて、NNAsは、異なったレベルの看護スタッフ、またその組合せが介護の質と結果にどのような影響を及ぼすかについて調査を増やす道を追求すべきである。既述したように、NNAsは、看護職員のタイプ、数、その活用についてなされた決定が看護業務に及ぼす影響について評価する用意がなければならない。
教育とキャリアに関する戦略
  • 各国看護婦協会では、教育とキャリアに関する看護補助者の意欲に目を向けた多くの選択肢を考慮することができる。NNAが関与する範囲は、専門職者が看護補助者をどの程度含めてきたかによって影響される。しかし、過去の教訓によれば、もし専門職者が補助者の教育とキャリア開発の機会を設けることに関心を持たなくとも、他の分野では関心が持たれ、その場合にはアイデンティティ、職能、責任、義務について混乱が生じ、既に混同が生じているときはさらに悪化する危険を伴うことになる。
  • 教育とキャリアに関する戦略には次の事項が含まれる。
    • 看護補助者の代表またはグループに働きかけて、看護におけるキャリアを進展させる手段を開発する。これにより、継続的訓練、資格の格上げ、キャリア開発の機会のプログラムを創り出すことができるであろう。これらのプログラムは、この職業の基準や看護婦のキャリア開発構造と矛盾しないものでなければならない。同時に、募集基準を設定しなければならないが、その場合の看護補助者は、一般的に成熟しており、価値のある正当な臨床経験をもっていることに留意すべきである。
    • 看護補助者を養成する教育担当の看護婦にガイダンスと支援を提供する。
    • 看護補助者のための継続的教育プログラムを支持し、看護および特殊なニーズを持つ人々(例えば、エイズ、高齢者)の看護に関して現下の諸問題、傾向から取り残されぬようにする。
協会としての戦略
  • 保護、昇進、自尊心の向上を目的として組織化する必要は既に述べてきた。看護専門職者がこの要望を理解することが重要であり、看護補助者は自分達がヘルスケアに貢献していることを認識させる必要がある。問題は、看護補助者が協会の内外で結束するかどうかである。補助者がNNA会員としての権利を有しない場合、協会は、会員その他の関係者との対話や打ち合せを経てこのような可能性を検討できるであろう。また、看護補助者がNNAに加入している場合は、会員としての権利がその組織の定款に明確に規定されていることが重要である。
  • 看護補助者にNNAの会員資格を与えないという決定がなされている場合は、NNAsは、両グループにとって相互に関心のある健康と業務関連の問題点について開かれた情報交換と協力とを促進させるメカニズムを検討すべきである。例えば、
    • 看護補助者がNNAの綱領と矛盾しない行動をとるときは、補助者の関心事を進んで調査し、その立場を支援する。
    • (1)二つの組織の橋渡しを行うために看護婦と看護補助者の委員会またはフォーラムを結成し、(2)両グループの意見から選んでそれぞれの組織活動にインプットするなど、連絡メカニズムを確立する。

要約

  • ヘルスケア環境における諸要因は、新しい形態のヘルスケア要員の創出と各カテゴリーの補助者の役割の増大につながってきた。人々のヘルス・ニーズに最大限留意しながら、これらの展開において看護を中心に置き、積極的に、未来に目を向けることはきわめて重要なことである。
  • 看護補助者の研修、役割、責任は、世界各地で異なっている。これらに関する規定があったとしても、ほとんどの地域においては明確な規定がなされていない。しかし、はっきりしていることは、このカテゴリーのヘルスワーカーがほとんどの国に存在し、看護婦の監督下にあるとないとにかかわらず、看護業務が認められる範囲内でケアを行っているということである。各国看護婦協会は、看護職員の規制と活用に影響を与える立法府、保健省その他の機関と連携してことに当たらなければならない。
  • 自国の状況調査を希望する協会には所定の原則やガイドラインを提供してきた。これらが看護補助者の将来の役割、地位、社会・経済的福祉、労働条件、公の育成に関する適切な論拠と政策の展開を助ける有効な枠組みとなることを願うものである。

定義

Nurse(看護婦):看護婦とは、総合的な看護教育の基礎的プログラムを修了し、自国において看護を実践する権限を所轄当局より与えられている者である。看護基礎教育とは正式に認められた教育課程で、一般的な看護実践、リーダーとしての役割、および専門的または高度の看護実践のための卒後教育に向けて、行動科学、生命科学および看護科学における幅広い健全な基礎を提供するものである。看護婦は以下のことを行うよう養成され、その権限が与えられている。すなわち、(1)すべてのヘルスケアおよびその他の地域社会施設において、全年齢層を対象にした健康の増進、病気の予防、身体・精神の病人や障害者のケアを含む全般的な看護実践に従事すること、(2)ヘルスケアの指導を行うこと、(3)ヘルスケア・チームの一員として十分に参加すること、(4)看護およびヘルスケア補助者を監督・訓練すること、(5)調査研究に参画すること。(承認されていないが、1987年8月にオークランドで開催されたCNR会議で、看護における将来の方向を示すものとして認められた)

Nursing(看護):看護とは、ヘルスケア・システムに不可欠な一部として、すべてのヘルスケアおよびその他の地域社会施設における全年齢層を対象にした健康の増進、病気の予防、身体・精神の病人や障害者のケアを対象とする。この広い範囲にわたるヘルスケアの中で、看護婦にとって特に関心のある現象は、個人、家族、団体による「現実または潜在的な健康問題に対する反応」である*。これらの人間的な反応は、個人的な病気のエピソードに対する健康回復上の反応から市民のための長期的健康増進政策の展開に至るまで広い範囲に及んでいる。

病人であれ健康人であれ、個人一人ひとりの看護に当たる看護婦特有の機能は、健康状態に対する彼らの反応を査定し、彼らが必要な力、意志、知識を持っていたならば、独力で成し遂げるであろう健康の維持、回復または尊厳死に対して寄与する活動の遂行を補佐し、彼らが可能な限り迅速に完全または部分的に自立できるよう援助を行うことである**。全体的なヘルスケア環境の中で、看護婦は、他のヘルスケア専門職者や公的サービスの他の専門職者とともに計画、実行、評価の機能を分担しながら、健康増進、病気予防、病人、身障者のケアのための保健システムの運用に万全を期している。(1987年8月にオークランドで開催されたCNR会議により承認された)

[脚注]
  • 注1 本レポートとの関わりで基本的定義を構成するnurseとnursingの定義については付表Iを参照。
  • 注2 国によっては、licensed(免許を取得している)の代わりにregistered(登録している)qualified(資格のある)またはtrained(訓練を受けている)という用語が使われることがある。
  • 注3 就業書類に記載されているが、政策ではない。看護に関する将来の方向を規定するものとして認められている。Council of National Representatives, Auckland, August 1987.
  • 注4 NNAsの対策と役割の完全討議については、ICN Planning Human Resources for Nursing, Geneva, ICN, 1993を参照。
  • 注5 示唆された規制に関するアプローチは、CNRにより1987年に認められた。地位に関する完全な記述は、ICN出版のReport on the Regulation of Nursingに記載されている。
  • 注6 状況分析のデータについては、公式の規制に関する証書または類似の書類、施設の職務記述書、最新の訓練・教育プログラム、全国または地域のヘルスケアに関する立法措置と政策、ヘルスケア・ワーカーの全国調査など、さまざまな情報源から入手することができる。
  • 注7 規制に関する原則、問題点、アプローチの完全討議については、ICN出版のNursing Regulation Guidebook: From Principle to Powerを参照
  • 注8 NNAsの方法と役割の完全討議については、ICN Planning Human Resources for Nursing, Geneva, ICN, 1993を参照。
[参考]

*American Nurses' Association, Nursing: A Social Policy Statement, Kansas City, ANA, 1980, p.9.
**Hendersen, V., Basic Principles of Nursing, Geneva, International Council of Nurses, 1977, p.4.

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