お知らせ

協会ニュース 2017年1月号

変革を起こせるリーダーたれ

日本看護協会会長 坂本すが

日本看護協会会長 坂本すが

新年あけましておめでとうございます。会員の皆さまにおかれましては、健やかに新春をお迎えになられたことと存じます。

昨年は東京都知事の小池百合子氏や民進党代表の蓮舫氏、英国史上2人目の女性首相となるテリーザ・メイ氏など、多くの女性リーダーが誕生しました。リーダーについて、わが身に置き換えて考えてみると、病院で管理職を経験したことが大きな転機であったと感じます。何かを変えるためには、多くのスタッフの力が必要で、それは患者さんにとっての最善という共通の目標が見えた時に大きな力になると実感しました。

2011年に日本看護協会会長に就任し、まず突き付けられたのは、日本が迎えている超高齢社会に対し、看護職がどう受けて立つかという問いでした。社会情勢が混迷する中、看護職が、自信と誇りを持って働き続けられるように“ビジョン”を示さなければと思いました。2025年に向けた「看護の将来ビジョン」は、看護の価値・役割を自ら再認識し、病院から地域・在宅まで活動の場をさらに広げていく方針など、社会に発信する機会になりました。また、一人一人の看護職が何を成し遂げていくかを考えるよりどころになったと自負しています。

【看護管理者時代の夢が実現へ】

私が病院の看護管理者のころから思い描いてきた夢は、日本看護協会という組織で多くの会員の力を得て、着実に実現に向かっています。

1つ目は、看護職が働き続けられるワーク・ライフ・バランスの推進です。医療界全体の勤務環境改善の動きにもつながり、社会に先駆け、女性の多い看護職の働き方改革が進んでいます。

2つ目に、看護の質を評価し改善につなげる仕組みです。DiNQL(労働と看護の質向上のためのデータベース)事業は5 年目を迎えました。病院の質改善や政策のエビデンスになることも期待しています。

3つ目は、一人一人の看護職の質(能力)を評価する仕組みです。助産師に続き、「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」が全国共通の評価指標として活用され、個々の看護師の成長や働きがいにつながることと確信しています。

【残りの任期かけ、基礎教育を推進】

2025年の医療・介護提供体制に向けた議論が進んでいます。地域包括ケアの鍵は“医療と介護の連携”です。本会は政策形成の場で、看護の立場から意見を述べるとともに各地域での看護職の地域包括ケアへの参画を支援していきます。

さらに10年先、20年先の時代、想像もつかない未知の問題に立ち向かっていくのは誰かと考えた時、いま取り組むべきは「教育」だと確信しています。特に在宅などで、看護職の裁量拡大が求められる中、知識・技術はもちろん、自ら考え判断し行動する力が必要です。ことし6月までの残りの任期をかけ、看護師基礎教育の年限4 年制への延長をはじめ、基礎教育の拡充を推進します。多くの看護職が変革を起こせるリーダーに育つことを願い、会長として自らもまだまだ前進を続けていきたいと思います。

看護職は人の生と死の間に立って、病気を抱えた人の生きる意欲をいかにわき立たせるかが、頑張りどころです。看護職は患者の伴走者です。心身を鍛え、ことしも誇りを持って、この大きな役割に挑みましょう。