お知らせ

協会ニュース 2016年4月号

平成27年度  第6回理事会  28年度重点政策・事業などを承認

日本看護協会の会長として、任期最後の1年を迎えます。就任直前の2011年3月には、東日本大震災を経験しました。私たちの大事なものは何か、国民1 人1人が考えたのではないでしょうか。その思いは、国が進める「地域包括ケアシステム」の基本理念にもつながっています。「住み慣れた地域で最期まで安心して暮らしたい」という国民の皆さまの切なる願いを実現するため、本会は着実に、時には大胆に、看護政策を展開してきました。
昨年度に公表した「看護の将来ビジョン」を踏まえ、本年度も重点政策・重点事業に取り組み「看護の質向上」「働き続けられる環境整備」「看護領域の開発・展開」という3つの使命に向かって行動します。

社会保障制度改革の流れ

少子超高齢社会の進展の中で、社会保障の充実・安定化と財政健全化を同時達成すべく、進められているのが「社会保障・税の一体改革」です。
この改革の中で、私たち看護職は、人々の「生活と医療を支える」役割を発揮するとともに、地域包括ケアの仕組みづくりに貢献していくことが求められます。それぞれの地域の特性・実情に応じた地域包括ケアシステムの構築に向け、看護が積極的に参画できるよう、看護の政策力を強化していくことが必要です。

重点政策・重点事業の方針

本年度も重点政策として、引き続き次の4つに取り組んでいきます

  • 地域包括ケアシステムの構築と推進
    地域包括ケアシステムの推進に向け重要なことは、地域の関係者との連携ネットワークの構築です。
    高齢者だけでなく、子どもや子育て世代にも事業の対象を拡大し「全世代型の地域包括ケアシステム」の構築を開始します。また、病院から訪問看護ステーションへの看護師出向など、訪問看護における人材活用システムを検討し提案していきます。訪問看護ステーションや介護施設における看護管理者育成にも尽力します。
  • 看護職の労働環境の整備の推進
    医療法改正による勤務環境改善の努力義務化など、労働環境の改善について、国の政策が進められています。この動きをけん引してきたのは、本会の労働環境整備の取り組みであり、これをさらに推進します。
    賃金の問題も重要です。看護職がやりがいを持って働き続けられ、若者が希望を持って看護の仕事を選べるよう、より良い賃金体系に向けた提案を行います。
    「看護師等の届出制度」の施行に伴い、届出支援システムが稼働したナースセンターについても、利用者の多様なニーズに合った的確なサービスが提供できるよう機能強化を推進していきます。
  • 看護職の役割拡大の推進
    役割拡大に向けた取り組みは大きく2つです。1つ目は、専門性の発揮に資する、質の高い「特定行為に係る看護師の研修制度」を普及させることです。本会は認定看護師を対象とした特定行為研修をスタートしており、本年度から全分野の認定看護師を研修対象とする計画です。今後は、認定看護師教育機関などが特定行為研修を実施できるような支援を行います。
    2つ目は、看護職のさらなる裁量拡大です。療養の場が地域・在宅に移行する中で、人々が安心して療養を続けるため、常に傍らで活動する看護師が自律してニーズに応えるための裁量拡大が不可欠です。
  • 少子超高齢社会に対応する人材育成
    少子超高齢社会の多様かつ変化する国民ニーズに応えていくためには、自ら考え問題解決のできる質の高い人材育成を目指す必要があります。看護職は、看護の基礎教育で専門能力を培い、その後も常に研さんが求められます。
     保健師のキャリアパスモデル、助産師の「CLoCMiP(助産実践能力習熟段階)レベルⅢ」認証制度、全国で標準的指標として活用できる「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)案」の開発・普及に取り組みます。また、都道府県看護協会と連携し、就業している准看護師への支援を推進します。

より良い未来へ全力尽くす

重点政策のほかにも、中長期的な視座に立った戦略が必要です。「看護職の需給対策」「教育関連事業」「看護管理者の連携強化」「地域における看護政策力強化・組織強化」の4つの政策課題に対し、組織横断的なプロジェクト設置し検討を進めます。10月には新会員情報管理体制「ナースシップ」がスタートします。施設代表者の方の事務負担を減らし、入会・継続しやすい仕組みを目指します。

少子・超高齢・多死社会の課題に積極的に立ち向かい、国民の「いのち・暮らし・尊厳をまもり支える」ことは、私たち看護の使命です。より良い未来に向け、都道府県看護協会と連携し、地域に応じた政策を推進するとともに、政策力強化に向け全力を尽くします。