お知らせ

協会ニュース 2015年4月号

平成27年度  通常総会提出議題特集

いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護

いま、医療・看護を取り巻く環境は大きく変化しています。少子超高齢社会が進展する中、疾患を抱えた高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を継続し、人生の最期を迎えることができる環境を整備することは、看護にとって喫緊の課題です。

2025年まであと10年です。日本看護協会にとって、本年度はまさに「実行」に移す年です。本会の使命の実現に向けて、具体的な活動を「実行」してまいります。

【看護の将来ビジョンの策定】

「看護の将来ビジョン」は、私が会長に就任した当初から構想していたものです。策定の目的は、(1) 2025年を見据え、看護職自身が、将来に向けての看護の立ち位置を確認し、自信と誇りを持って、看護の専門性を発揮する指針としてほしいこと(2) 国民や関係職種、関係団体などに、看護が目指す機能や役割の理解を深めていただくこと―です。

これからの医療は「病院完結型」から「地域完結型」へと大きくシフトします。看護も「医療モデル」の視点を持ちつつ、人々の「生活の質」の向上を支援する「生活モデル重視」への転換に挑戦しなければなりません。そのような観点から、ビジョンの副題を「いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護」とし、「医療」と「生活」の両方の視点を持って全体を見通した支援ができ、ケアを統合的にマネジメントする看護職の役割を表明しています。

【看護政策の動きと本会の方針】

昨年、公布された「医療介護総合確保推進法」では、看護に関連の深い複数の法律が改正され、その多くが本年度から施行されます。「特定行為に係る看護師の研修制度」や「ナースセンターへの届出制度」「地域医療構想(ビジョン)策定」「医療事故に係る調査制度」などについて、本会は国民と看護職のニーズに応えるため、取り組みを進めます。

【平成27 年度重点政策・重点事業】

地域包括ケアシステムの構築と推進

本年度は、医療・介護提供体制の改革が推進されることを踏まえ、看護職が専門性を発揮していくために、新たに「地域包括ケアシステムの構築と推進」を重点政策の筆頭に掲げました。
認知症の人のケアなどに焦点を合わせ、医療と介護をつなぐ「地域の看護職連携構築事業」や、在宅・介護領域の看護人材の確保、看護管理者のマネジメント強化、ICT化などの検討を進めます。
さらに、健康に暮らすための支援や重症化予防対策を推進できる保健師の育成を進めていきます。

看護職の労働環境の整備の推進

本年度は「勤務環境改善」と「看護職の賃金に関する課題」について取り組みを進めます。
看護職の就業と定着を推進し潜在化を防止するために、都道府県ナースセンターの無料職業紹介事業を支援し、届出制度が効果的に機能するようNCCS(ナースセンター・コンピュータシステム)の新機能を活用した就業支援の強化を進めていきます。
さらに本格実施となる「労働と看護の質データベース(DiNQL)」事業を積極的に推進します。

看護職の役割拡大の推進

 「特定行為に係る看護師の研修制度」の推進に当たっては、特定行為だけを行うのではなく、看護の関わりの中で、特定行為も含めた医療をタイムリーに提供することが重要です。制度が安全で、かつ看護の専門性を発揮できるものになるよう、本年度も取り組みます。
また、在宅医療などの推進に向け、それぞれの場所で看護師が役割をさらに発揮できるように、本制度を活用した大学院教育を推進します。併せて、大学院以外での研修の在り方、既存の認定看護師の制度活用なども検討していきます。
特定行為は難易度の高い診療の補助行為のため、安全性の確保の観点から、特定行為を行う看護師は、必ず特定行為研修を受講することを推進していきます。

少子高齢社会に対応する人材育成

看護人材育成の基盤である看護基礎教育の充実は重要です。引き続き、4年制大学における看護師の基礎教育を推進していきます。また、本年度から准看護師教育(制度)についても重点事業として掲げました。
助産師の「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルV認証制度」に続き、今後、「保健師のキャリアパスモデル」や「看護師のクリニカルラダー」の開発を進めていきます。

【看護政策力の向上へ組織強化】

これからは地方分権がさらに進みます。地域の政策決定過程に働き掛ける看護政策力の強化が必要です。そのため、(1) 都道府県看護協会との連携強化(2) 組織力強化(3) 関係団体との連携強化―を進めます。
組織力強化では全ての看護職に、会員になっていただけるよう、新たな会員情報管理体制とシステムの開発に取り組みます。
また、政策実現に向けて必要な連携の強化を図ります。
私たちは、ニーズが多様化する中にあって、社会の変化を支える強い看護職でありたいと思います。全国の看護職が共に誇りとやりがいを持って働き続けられるよう、本年もしっかりとかじを取って、前に進んでいきます。