お知らせ

協会ニュース 2015年1月号

社会の変化支える強い看護職に

日本看護協会会長 坂本すが

日本看護協会会長 坂本すが

明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、健やかに新年をお迎えになられたことと存じます。

会長として2期目の後半(4年目)に入った昨年は、医療介護総合確保推進法が成立するなど、医療界にとって大きな動きのあった年でした。これに伴い、関連する医療法や介護保険法、保健師助産師看護師法などの法律が改正されます。看護に関わりが深いものでは「特定行為に係る看護師の研修制度」「ナースセンターへの届出制度」「病床機能報告制度」「新たな財政支援制度(基金)」などがあります。

国の大きな変化に対してかじ取りをしなければならない中で新しい年を迎え、重い責任を感じています。

【地域包括ケアの基盤づくりが正念場】

2025年まであと10年となる本年は、地域包括ケアシステムの基盤づくりを進める正念場の年となります。日本看護協会には、公益社団法人化を機に掲げた3つの使命「看護の質の向上」「看護職が働き続けられる環境づくり」「看護領域の開発・展開」があります。そのひとつである「看護の質の向上」を推進し、量的・質的に看護職を充実させ、地域包括ケアシステムを支える人づくりを進めていくことが、今後の大きな課題です。

これまでの看護職は、病院や施設を中心に働き、患者さんを見てきました。これからは、疾病や障害があっても住み慣れたまちで自立した生活を送る高齢者が増えます。認知症や多重疾患、慢性疾患など健康問題も複雑化していくでしょう。看護職自身が医療と生活の両方を視野に入れ、暮らしの場という新しい分野で働くことを意識していかなくてはなりません。

今後の医療・介護サービスは、在宅療養を基本とした地域単位の提供体制になります。在宅療養支援のために訪問看護の強化は欠かせません。訪問看護や介護施設などで働く看護職の人材の確保や育成を通して、提供するサービスの質の向上や新たなニーズに対応していきます。訪問看護ステーションの経営基盤を安定させるための大規模化・多機能化の推進にも引き続き取り組んでいきます。

看護職の確保という観点では、働き続けられる労働環境の整備もさらに進めます。新たに各県に設置される「医療勤務環境改善支援センター」の事業と、看護職のワーク・ライフ・バランスワークショップ事業の連携を通して、勤務環境の改善の充実を図っていきたいと思います。

【将来を展望する看護ビジョン】

わが国の保健・医療・福祉体制が大きな転換期を迎える中で、本会では2025年に向け「看護の将来ビジョン」を作成中です。看護職が将来を展望することができ、モチベーションを高く保ち、やりがいとともに専門性を発揮するための指針となるものです。医療界はもちろん、他分野の方からもご意見をいただき、より充実した内容として社会に表明していく予定です。

【一人一人が強い看護職に】

2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築と医療の機能分化の流れは、医療・看護の非常に大きな変化となります。看護職にも大きな影響を与えますが、看護と介護が連携して支えることが大事です。

そのためには、看護職一人一人が強くなることが必要です。「特定行為に係る看護師の研修制度」は、その風穴を開けるものになるでしょう。また、本会は看護師の質の向上を目指し、クリニカルラダーの構築にも取り組んでいきます。

社会が大きく変化する中では、病を抱え人生を歩む人々のそばにいる専門職として、強くなった看護職がその変化に関与していくことが重要になります。そして、今までにも増して、倫理観が求められます。社会の大きな変化の中では、倫理観が置き去りにされたまま、進んでいく可能性があるからです。

そのために本会は都道府県看護協会と協働して、一人一人の看護職を支えることを使命として取り組みを進めていきます。

新年が皆さまにとりまして、明るく良い年となりますことをお祈りして、年頭のあいさつとさせていただきます。