お知らせ

協会ニュース 2013年4月号

6月4・5日 幕張メッセで開催 通常総会提出議題特集

【看護の「進化」と「深化」を求めて】役割の拡大・専門性の強化・場の拡大

会長 坂本すが

日本看護協会の会長に就任して間もなく2年が経過します。政界をはじめ社会・経済・医療界が激変する中、2025年問題を見据えた社会保障制度改革の動きが進んでいます。少子・超高齢・多死社会における高齢者支援は、私たち看護職が立ち向かっていく大きな課題です。

この変化を肯定的に捉え、能動的に挑んでいきたい。これは私の会長としての行動指針です。常に看護職の幸福を願う職能団体でありたいという、ただこの一心で前進を続けています。

今年度は七つの重点政策・重点事業を掲げました。ここでは主な柱となる三つの方針に沿って述べます。「実行する職能団体」を目指し、さまざまな活動を展開してまいります。

(1)労働環境改善と看護の質の向上

第一に、今年度も「健康で安全に働き続けられる職場づくり」を重点政策・重点事業に掲げます。
本会は「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を公表しました。安全で質の高い医療を提供するためには、医療スタッフ全員が健康で安心して働き続けられる環境が必須です。この当たり前の発想を 医療界に浸透させるべく、地方行政ならびに関係団体との連携を強め、看護労働のさらなる改善に努めます。
質の高い労働環境は、質の高い看護ケアにつながります。本会では「労働と看護の質に関するデータベース」の構築に向けて活動を開始しています。今年度は、策定した評価指標を用いた試行事業を行います。多くの病院に、労働と看護の質の関連を示すエビデンスづくりに参加していただき、業務改善やマネジメントに活用できる看護データベースを構築したいと考えています。

(2)看護職の専門性の強化と役割拡大

第二に、引き続き看護職の役割拡大を推進していきます。長い議論を重ねてきた厚生労働省の「チーム医療推進会議」の報告書が出されました。本会では、これを受け、保健師助産師看護師法の改正に向けた活動を進めるとともに、安全と質の担保が十分図られるよう、特定行為の内容や研修の在り方などに関する議論に、積極的に参画していきます。
国民の医療を守っていくという観点から、今こそ看護界が一丸となって取り組んでいくときです。看護師に加えて、保健師・助産師を含めた看護職全体の専門性の強化と役割の拡大も必要です。その具体的施策についても検討していきます。

(3)在宅ケアの推進と経営力の強化

第三に、在宅領域における看護の推進と、その基盤となる訪問看護ステーションの経営力強化の支援に注力します。現状では約半数の事業所が5人未満と小規模ですが、地域の中で安定的に質の高い看護を提供するためには、訪問看護ステーションの大規模化が必要です。複合型サービス事業を併設して多機能化したり、専門領域を打ち出すなど、看護師の持つ強みを生かした経営ができるように支援・情報提供していきたいと思います。
看護職は常に国民のニーズに応えていくために、先見性と実行性を持って「進化」と「深化」を続けていく専門職です。「進化」とは、看護の役割拡大や新たな価値に挑戦すること。「深化」とは、看護の専門性を深め強化していくことだと考えています。変化についていくのでは遅く、新たな価値を生み続ける時代です。
国民の健康とよりよい生活のために、いかに看護が貢献していくことができるのか考えながら、未来に向かって着実な歩みを進めたいと思います。