会長の手帳(日本看護協会 会長 高橋 弘枝)

機関誌「看護」2024年5月号より

国際看護師協会インターナショナルワークフォースフォーラムに参加

3月は年度末でもあり、タスク満載の毎日でした。まずは、スウェーデン・ストックホルムで行われた国際看護師協会(以下:ICN)が主催するインターナショナルワークフォースフォーラム(以下:IWFF)に参加しました。IWFFは1995年にイギリスで初めて開催された「看護就業者フォーラム」を前身とするフォーラムで、開催場所を参加国の持ち回りとして、毎年開催されています。欧米の先進国を中心とした数カ国のICN会員協会、加えて看護・医療系労働組合の代表者が参加しています。日本は3回目の1997年からの参加国です。当初は、「看護職の給与・賃金」に焦点を当てて話し合いを進めてきましたが、徐々に「就業統計の収集と分析」「需給の傾向」「職場の労働安全」「団体交渉」など、看護職の労働問題全般を議題として取り上げるようになりました。近年は、以前からのテーマに加え、世界的な経済危機を受けて、欧州を中心とした緊縮財政の医療への影響や、安全な看護配置とスキルミックス※などが取り上げられています。今回は、ICNの最新情報の提供と参加各国からのレポートの後、「世界の看護労働の現在の状況と世界の看護について」と「雇用とその確保:何が効果的であるかのエビデンス」「安全な人員配置について」「ストライキ及び紛争について」の4つのセッションが行われ、最後はフォーラムの共同声明の主要論点と合意事項のまとめが行われました。今回も3泊6日の弾丸出張でした。

帰国後は令和7年度予算・政策に関する要望のために、連日、厚生労働省、文部科学省、法務省に出向きました。今回の要望の詳細は本会ホームページの3月13日以降のニュースリリースをご覧ください。それぞれの要望の概要と提出した要望書、説明資料がダウンロードできますので、ぜひぜひ、職場の皆さまと情報共有をお願いいたします。看護職にとっての重要課題です。

本会の認定看護師教育課程(B課程)の卒業式/修了式があり、看護研修学校5学科151名、神戸研修センター2課程60名、計211名の卒業生/修了生が巣立っていきました。非常にハードな研修であり、卒業/修了した方々のすがすがしい面持ちが印象的でした。10月の認定試験にそろって合格され「特定認定看護師」と名乗れるようになること、これからの日本の医療を支える自律した「特定認定看護師」として活躍されることを心より祈念しています。

そして、「医道審議会保健師助産師看護師分科会」への出席や、「NP教育機関との意見交換、NP修了者交流会」「診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等診療報酬説明会」等々、大事なイベントが目白押しでした。1つひとつ丁寧にタスクを完了しつつ、さらに発展的に展開できるよう、新年度も頑張りたいと思います。

※ 各職種がそれぞれの役割を補完したり代替したりすること

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