日本看護協会とは

会長の手帳(日本看護協会 会長 福井トシ子)

月刊『看護』2018年8月号より

過労死等の防止のための対策に関する大綱(改定案)

2018年6月12日、平成30年度公益社団法人日本看護協会通常総会を終えました。参加者は3,000人を超え、活発な意見交換ができました。中でも、関心の高かった「働き方改革」。見直しが始まった「過労死等の防止のための対策に関する大綱」について紹介します。この大綱は2015年7月に閣議決定されています。この大綱の見直しが、初めて行われます。

2018年5月31日、第12回過労死等防止対策推進協議会において、「過労死等の防止のための対策に関する大綱(改定案)〜過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ〜」が示されました。この大綱の改定案では、過労死等防止対策の数値目標が記載されています。

2020年までに、「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」「勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻まで一定の休息を確保する)を導入している企業割合を10%以上」「年次有給休暇取得率を70%以上」。2022年までに、「メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上」「ストレスについて相談先がある労働者の割合を90%以上」等です。

「商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進」の項目には、これまで記載のなかった項目が設けられ、「ウ.医療」に、「医療従事者の勤務環境改善については、これまで医療法をはじめとする関係法令に基づく取組を進めてきたが、(中略)まず当面は『医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組』に示された医師の労働時間管理の適正化に向けた取組、36協定等の自己点検、産業保健の仕組みの活用等の周知徹底を図るとともに、医療機関の状況に応じた労働時間短縮に向けて取組を進めていく」と記載されました。

そして、「なお、看護師等の夜勤対応を行う医療従事者の負担軽減のため、勤務間インターバルの確保等の配慮が図られるよう検討を進めていく。さらに、医療従事者の計画的な勤務環境改善に向け、都道府県医療勤務環境改善支援センターによる支援の推進と機能強化を進めていく」と記載されました。政府は、この新たな大綱を7月にも閣議決定する方針です。

2008年10月、20代の2人の看護師の死亡が「過労死」と認定されました。このような悲しいことを二度と起こしてはいけません。看護職が、夜勤・交代制勤務を行いながら、心身の健康や個人の生活を維持・向上できるための実効性のあるルールを法律に位置づけることは、重要な課題です。

看護職が働き続けられる環境づくりを推進するための要望を強く国に求めてまいります。