日本看護協会とは

会長の手帳

月刊『看護』2013年5月号より

若者の前進力、会長の本気

卒業シーズンである。今年も多くの看護学生が卒業式を迎えた。日本看護協会では卒業式への招待を受けたが残念ながら出席できない場合、祝電を送るようにしている。「日看協会長からの祝電メッセージが読まれたとき、ああ、これで自分も看護師の一員になったんだと実感した」という声を聞いた。私は常々、この卒業というタイミングに、職能団体の長として何かしてあげられることはないかと考えていた。この祝電がそんな動機づけになっていたのかと感慨深く思うと同時に、若き彼・彼女らの向かう看護の現場をよりよいものにしようと自らも動機づけられるのであった。

2月28日、「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を発行。3月にはJNA ホールで記者会見を行った。労働環境に関する指針としては医療界初。約9000の医療機関で勤務する約95万人の看護職がかかわる大事なガイドラインである。2010年から検討を重ね、有識者の提言だけでなく、現場からの声を吸い上げ、本会職員が総力をかけてまとめあげた。私自身も全原稿に目を通した。疑問に思う内容や、わかりにくい言葉があれば、その都度、職員に返して推敲を繰り返した。まさに1000本ノック!

現場の実情を知っているだけにしつこく口出ししてしまう私をうるさく感じることもあったと思うが、へこたれずによく頑張ってくれた。若い職員たちのたくましさを讃えたい。反響は上々である。「会長の“本気”が詰まったガイドライン」と書いてくれた記者がいた。ホテル業界など夜勤・交代制のある他業種から注目され、問い合わせを受けているというのも嬉しい。

11日、国立劇場で開催された東日本大震災二周年追悼式に参列した。昨年は天皇陛下や遺族代表の言葉にただ涙するばかりであったが、今年は少し違う空気も感じた。中でも岩手県遺族代表の18歳の少女の言葉には心が熱くなった。「多くの命が犠牲になった中、助かったからには、生きて人の役に立つことが自分の使命だと考え、(…中略…)、東日本大震災がつらい記憶ではなく、未来につながる記憶となるよう、被災地から私たち若い世代が行動していきます」。この若者の前に進もうとする力! 津波で母を失った悲しみを抱えながらもひたむきに未来へ踏みだそうとする、その行動力に“確かな力”を感じた。

被災地で生活を続ける方々、それを支える看護職たちの活力につながるよう、私もさらに行動を進めよう。会長室に容赦なく押し寄せる課題と花粉と奮闘しながら、政策実現の決意を新たにした。私は本気だ。

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